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ラノベ: 『ガーリー・エアフォース VII』感想

 ついに、「世界が閉じ」ましたね。

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 つまり、まだ描かれていないことは沢山あるし、今後の世界の行方を決めることになるであろう慧の判断と決断の詳細もわかりませんが、全体の構造も判明し、ザイが一体何者でどのように誕生していて、グリペンらアニマがどういう存在なのかについても明かされました。

 それにしても、面食らいます。
 まず冒頭、物語が始まるところ(及び各区切り)に場所や日付が書いてあるのですが、それが一体何年のことなのかは書いてない。登場人物も、蛍橋三尉って一体誰だ?とか。
 しかし話が進むにつれ、それがいつ頃なのか、世界はどういう状況なのか、そういったところは見えてきます。何より、グリペンが登場しますし。ただ、多くのことが前の巻まで展開してきた物語と違っています。
 特に痛ましいのが、イーグルです。蛍橋の怒りも尤もなのですが、私のような読者はこれまで描かれてきたイーグルを知っているのでショックも大きいですね。まあ、最後に意趣返しとも感じられる展開があるのですが。

 そして、人類とザイとの戦いももう決戦が近いという辺りになって、全てが一挙に物凄い勢いで明かされます。これは作中で謎が解けるという意味ではなく、まあそれもあるんですけど、読者に対して「彼等」が何者であるかが知らされるのです。
 この辺りの、まるで世界が一変するかのような描写の仕方は見事です。

 ところで、ザイがどのような経緯で生まれたかとか、アニマがどんなものかという辺りについては、ITに親和性の強い読者が好物とするものではないでしょうか。というかこれが好みでないようであればここまで読んでないのではないかとも思いますが(笑)。
 つまり、<実体>とか<影>とか<本質>とか<叡子>とか、そういう人が好みそうなキーワードです。最後のは多分作中で生まれた用語だと思うんですけど。
 あと、アニマの研究について日本が先んじている理由なんかも面白い。単なるご都合主義ではないんですね。擬人化大好きな人が多い国ですから。

 解けた謎と言えば、グリペンに色々と妙な手管を伝えた技本の人というのが誰なのかもわかりましたし(笑)。

 それにしても、本作の中で人類が辿り着いた領域ってとてつもないですね。なんですかあの「燃やす物」って。まるでダイヤモンドを燃やして暖を取るみたいな世界の終末感は酷い。そんなことができるのに、先はないんですね。
 そんな袋小路を避けるために慧は、一体どんな決断をしたのか?
 最後に一言だけ示されたその意思は、一体どのようなものなのか?
 あのように宣言した慧はどのように「世界を救う」のか?

ラノベ: 『天使の3P! ×8』感想

 登場人物に対し、特定の基準で妙に扱いの格差がある気がするんですよね〜(笑)。

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 7巻に続いて短編集(のような感じ)ですが、あとがきによると、そういう構成の仕方(あとがきではフォーマットと表現しています)に切り替えることにしたようです。
 でもまあこの8巻は、何となくですが次のステップにつなげるための「ため」というような感じもします。なんせ、ラストで響が何やららしくもない行動に出ていますし、そのちょっと前には自分の将来についてとか考えていますし。いやそれがあったから行動を始めたんでしょうけど。
 そういう意味では、嵐の前の静けさじゃないですが、大きな変化の前の一服、非日常の前の日常、という位置づけなのかも知れません。違うかも知れませんけど。

 あと、この巻の特徴としては、桜花の出番が比較的多いということが挙げられると思います。単に登場するというだけでなく、エピソードの中心にいるという意味で。
 例えば、最初のエピソードであるPASSAGE 1の着物で初詣で〜祭事の配信では、結局は桜花の「残念」なところが発端でありなおかつ本人も被害に遭っている(笑)し。PASSAGE 2のバレンタインデー絡みでは響とデート!しちゃうし。

 ちなみに、冒頭に書いた「扱いの格差」ってのが一番出ているのはこのPASSAGE 2だと思います。
 そもそもメインヒロイン級の5〜6人と比べていくつか年上の桜花がとっても残念美人だったりというのもありますし、それより更に年上である「女性用下着の専門店」の店員さんと来たらもう。
 要するに、特定の基準ってのは年齢のことなんですけど(笑)。

 さて、本作の感想を書くときにはもう定番になってしまっているテーマですが、今回もくるみが妙に年齢にそぐわないことを言っていました。というかこれもだいぶ前から言ってるような気がしますが、男前っぽい?

 終盤、将来のことについて考え始めた響に、厳しいことを言いつつフォローもしているという配慮っぷり。リヤン・ド・ファミユの、いやもしかするとDragon≒Nutsのことも含めてなのかも知れませんが、バンド活動の役に立てているのかと言う響にくるみは「がんばってるんじゃない?」と言った後に、こう続けています。

「でも、結果が出ていないならがんばっていないのと同じかもね」

 しかし、続けてこうも言っています。

「……ごめんね。悩めるお兄ちゃんは、励ますだけじゃ納得してくれないと思って」

 いやあなた何歳ですかと訊きたくなる台詞です(笑)。しかも、いつもこうだというわけではないですからね。多分、今回のネタは悩んで然るべき、かつまだ若い響には重大なテーマであることへの配慮もあるのでしょう。なんせ、更にこんなことも言っていますから。

「難しいことを考えてるんだから、悩むのも仕方ないわよ。普通の高校生は、そんなことで悩まないでしょ」

 くどいようですが、あなたおいくつですか(笑)?

 で、何か珍妙な話を始めて一体どこに着地するのか、それとももう話は終わってるのかと思いきや、ピアノの先生に「音楽家の手をしてる」と誉められた話が出てきて、

「……だから、お兄ちゃんも音楽家の手よ。私の家族なんだから」

と締めくくるのです。
 なんとなく、前言撤回した方がいい気がしてきました。これはどちらかというともう、母親の役割でありやり方ですよね。
 一体どんだけスーパーガールなんだか。

 さて、前述しましたが今回自ら考え自ら行動を始めた響。彼はラストで、一体何を考え何を始めたのでしょう。
 一応大きなヒントはあるのですが、アニメとともに次巻を楽しみに待つことにしましょう。

ラノベ: 『君の名は。 Another Side:Earthbound』感想 その二

 我ながらウザいと思いますが、昨日の感想の続きです。

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 昨日のエントリに追記でもいいかなーとも思ったのですが、ちょっと長くなったし、それはそれで面倒なので。ブログシステムの都合で。

 今回は、各章についてちょっとずつコメント、という感じで。あと、最後にみつは(三葉)について一言。

 まずは、瀧の第一章。
 でもこれは比較的というかほんとにコメントちょっとだけで、みつはってどういうやつなんだ?という疑問を提示するための章のような気がします。が、逆に言うとじゃあそこまでは何だということになるわけですが、瀧ってこういうやつだったのか、という感じでした。
 つまり、瀧ってこういうやつだけど、じゃあみつはは?というのがこの章なのかなと。

 第二章はテッシーなんですが、テッシーって結構真面目に色々考えていたんですね。糸守のこととか、家業のこととか。やっぱり、さすがあんなことができるだけのことはある、という感じ。
 ただ、テッシーが今回、やっとみつはのことがわかったみたいなことを思っているんですけど、それって実は瀧のことなんですよねー(笑)。
 ということは、みつはって結局は、テッシーみたいなやつにはわからないやつってことなんでしょうかね。

 第三章の四葉ですが、ここではちょっと物語作り、というか描写の仕方というちょっと次元の違うことを考えてしまいました。いや、四葉自身は千年くらい時間をすっ飛ばしたりしてくれたんですけど。
 何かというと、四葉がそこで見てきて再現した舞を見て、一葉さんが昔はそうだったと言うシーンについて。それだと、一葉さんかもしくは近い代の人がきちんと伝えきれなかったことになっちゃいますよね。
 そこはそうではなくて、一葉さんが四葉の舞を見て、ああ、それなら意味がわかると思い当たるとかにすれば良かったのでは、と思うのです。そうすれば、「形に刻まれた意味は、いつか必ずまたよみがえる」という言葉にもつながったのにな、と。

 さて第四章の俊樹。
 ……俊樹さん、よく二葉さんと結婚しようなんぞという気になりましたね。あれはムラ(いや町ですけど)の人たちのいうことが正しい(笑)。ただまあ、神も人として生きてみたいと思うこともあるかも知れないし、彼はそれに捲き込まれたのかも? そして、それがムスビなのか。
 この章では、どのようにみつはが生まれてきたのかがわかるような気がします。身体のことではなく、いやそれも描かれていますけど、その存在がどのようにして編み出されたのか、みたいな。

 ここで前述のように、最後にみつはについて。
 この作品、見終えて思い出した小説があります。それは、新井素子の『いつか猫になる日まで』です。
 みつはは今回の大事件に関わることで、あの作品で戦争をやっていた宇宙人のようになってしまったのではないかな、と。つまり、ここから先は「余生」なのではないか。
 勿論、彼女は普通の人間でもあり、であれば普通の人生を普通に送ることはできる筈。でもそれはそれで、「もくずのように」という印象です。一度そういう連想をしてしまうと、ついね。
 まあ実際みつはにはそんなところもあるし。実は第一章で瀧が感じていたように。

 第一章の瀧は、みつはがどういうやつなのか問いを投げ掛ける役割、という風に書きましたが、でも実のところ、その瀧が一番答えに近いところにいたようですし、だからこの物語では瀧がみつはと出会ってるのかもですね。
 それがどのように選択されたのか、というのが最初の感想に書いたようにパラドックスなのであり、つまりは神のなせるわざであり、ムスビなのでしょう。

ラノベ: 『君の名は。 Another Side:Earthbound』感想

 先日見てきた劇場アニメ『君の名は。』ですが、手元にその小説版が二冊あります。一冊は新海誠監督によるノベライズ版『小説 君の名は。』で、もう一冊がこちら↓。

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 前者は、まあ一回しか見ていないですけど劇場版とほぼ同じ内容だと思います。アニメの二つ目の感想で使った本編中の台詞とか形容の表現はそれから引用しています。
 対するこちらの「Earthbound」は作品タイトルにあるように外伝的な位置付けです。そのテーマは、みつは(三葉)とは一体どのような人なのか、ということですね。
 ……と書こうと思って今見たら、帯に「おまえはいったい、どういうやつなんだ?」と書いてありました(笑)。まさにそういう本だったというわけです。

 これは四つの短編で構成され、それぞれ瀧、テッシー、四葉、そしてみつはの父の俊樹の視点から描かれており、みつは自身はほぼ登場していないと言っていいでしょう。ちょい役くらい、もしくは小さい頃とか。
 瀧の話はまあ導入的な意味もあるようで、その終りの辺りに帯に書いてある台詞がモノローグとして登場します。
 テッシーの話でも、実はみつはの中には大抵は、というかちゃんと描かれているシーンでは瀧がいて、テッシーと瀧が共同でみつはを探るような感じです。
 四葉視点では、みつはの日常から発展し、やはり小さいとは言え四葉も「宮水の女」、彼女の背景にあるものに踏み込むことに。
 そして俊樹視点では回想が大半で、そこではみつは達の母である二葉のことが主に描かれています。

 陽と陰、もしくはコスモとカオス。そんな感じで、一人の主人公である瀧の視点からみつはを探るとき、それはまるで背後にある世界のようによくわからないものです。でも多分、みつはから見ても同じことでしょう。
 ただ、まあ比喩に使ったからと言ってみつはがカオスであると言いたいわけではありませんが、陽と陰のように対比されるものであってもそれぞれが対照的か対称的であるとは限りません。有と無ではその在り様が全く違います。
 そしてみつはは「宮水の女」であり、そこには神性、言い換えれば不可知的な部分があります。

 映画を見て、瀧が説得できなかった俊樹をみつはがどのように動かしたのかが描かれなかったのでちょっと興味があったのですが、今回もそこに漸近線のように迫りつつも結局は描かれませんでした。
 しかし、それが成る準備はその時点で、全て完了していた。そういうことだったんですね。
 それは母の二葉の時代から、そして即ち代々の宮水が準備していたことの結実だった、と。

 ある意味、裏の感想に書いたように本作の「謎」は追い求めるものではないと思うし、この「Earthbound」で描かれたことで、それがどのようなものであったかはわからなくとも、それがどのように成ったものかはわかったように思います。
 多分、それでいいのでしょう。

ラノベ: 『ブルー・ブラック・プラネット〜僕らは地球の夢を見る〜』感想

 こういうSF系の作品は推理小説にも似て、ネタバレなしで感想を書くことが難しいので、もう最初に予めネタバレありと宣言しちゃっておきます。


 さて。

続きを読む

ラノベ: 『パパのいうことを聞きなさい! after 1』感想

 SPECIAL SITEとかでも紹介されていますが、作者本人によるスピンオフです。

パパのいうことを聞きなさい! after 1 (スーパーダッシュ文庫)
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 あと、追悼ページもついでにご紹介。

集英社 ダッシュエックス文庫|松智洋先生を惜しむ

 それにしても、「after 1」ということは「2」も出す予定なんでしょうか。いや構想があったということは聞いていましたが、執筆が2まで済んでいたとは聞いていなくて。ゼロの使い魔みたいに他の人にお願いするとか?

 さて、このシリーズについては本編最終巻までに何度か感想を書いていますが、その中でも何度か似たようなことを言ったと思います。
 この作品くらい、「予定調和」という言葉を肯定的に使いたくなるのって中々ないんじゃないかな、と。

 実際この番外編でも、まあ起きることの予測までできてたわけじゃないですけど、どの辺りに収まるかは大体見当がつきます。しかし、それで何か問題があるかというと、むしろそれがいい。
 特にこの「after 1」は、まあ後日談なんですけど、本編エピローグとしての後日談ではなくやはり番外編として作られていますね。だからなのか、登場人物達の数年後の姿が、大きな分岐点や選択肢があったりするわけでもなく、普通に描かれています。

 そういう点からすると、この、つまり登場人物とその関係性を描くことこそがこの『パパのいうことを聞きなさい!』という作品であり、これまであった様々な紆余曲折は、その人物がどうするかを通して結局は人物を描いていたということなのではないでしょうか。
 だから、物語が結末を迎えるところまで描き切ったあとの番外編はこもうれでいいのだし、これがいいのでしょう。

 さて、この「after 1」の構成をごくごく大雑把にまとめると、空の就職、美羽の大学進学とアルバイト、祐太の受けた衝撃(笑)、ひなの活躍、そしてもう一度空、といったところでしょうか。
 ただ、一番大きな空の周辺の出来事は、それこそプロローグでもう暗示されていますし、それどころかもう表紙イラストを見た時点でわかってしまうという(笑)。
 そんなわけで、そのことは最初から最後までずっと背景のように描き続けられているし、多分、上記のように「人」が最重要の描写対象ということであれば、その「人」が一人増えることは最重要の軸であるのでしょう。

 まあつまり、空が妊娠していたということが判明するし、祐太が受けた衝撃というのがそのことなんですけど。

 そして、その軸に絡んで、これまで物語に関わってきた登場人物が、恐らく全員登場しているのではないでしょうか。
 なんとも豪華な番外編です。

 そして、ラストシーンで産まれてきた子供がやっぱり女の子だったということも予定調和(笑)。

 ところで、これはそういう意図があるのかどうかわかりませんが、別の作品の人物もある意味で登場しています。
 それは150ページ、第三章の最後。妄想の世界に飛び立ってしまっていたところで声をかけられた空は、ついどこかで聞いたような反応を(笑)。

ラノベ: 最近読んだラノベ - 2016.7

 から三冊ご紹介。

ゲーマーズ! 5 ゲーマーズと全滅ゲームオーバー
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 この作品の本質は、『君の名は』に通ずるところがあるんじゃないかなーなどと思ったり。いやそっちは見ても聞いてもいないんですけど。
 あと、カラー口絵に星ノ守姉妹がいなかったのちょっと残念。いや、最近ちょっとコノハさんのファンになりつつあるので。
 あとあと、アグリさんのフラグだけは立たないで欲しいなと思うんですがどうですかね。今回の「既成事実」もギリギリで回避されたようですし大丈夫そうな気はするんですが。

ガーリー・エアフォース VI
ガーリー・エアフォース (6) (電撃文庫)
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 いよいよこの作品も、物語の背景となっている部分に光が当りそうな感じ。つまり具体的には、そもそも人類の脅威となっているザイとは何か?という謎に迫る展開になっています。
 そしてそれは同時に、この物語が一体何をテーマにしているのかが見えて来つつあるということでもあります。

 後者についてはザイのこと以外にも、例えば慧と八代通との会話(p22〜辺り)に出てくる人間とはどのようなものかという話とか、慧とラファールの会話(p39〜辺り)に出てくるアイデンティティの話とか。まあ全部絡んでくるわけですがそういうことについては、「人が造ったもの」である戦闘機がヒロイン(?)になっているという一見極めて現代日本文化の様式に則ったかのように見える(いや確かにそうなんですけど(笑))設定が一体何を意味しているのかが、最も重要な鍵となっていることでしょう。
 そういうことを考えると、私としては今頃になって、つまりこの6巻であれだけはっきりと示されてやっとそれが「謎」であることに気付いた「イチコロ」「鉄板」といったグリペンの言葉も、その鍵の一つなのかもしれません。

 このような物語の構造は、ちょっと前に書いた「閉じた系」方式と言えますね。これは個人の感想です(笑)が、こういう作家さんはこういう作り方を好みそうな気がします。

 ところで、これは本編とは関係ない話ですが。
 p243の「誘う」の部分、読みが「さそう」となるようルビが打ってあるんですが、なんとなーくこれ違うんじゃないかなーという気がします。そのように感じたルビは他にもありましたが……うーん、どうなんだろう。
 ちょっと前、今期の某アニメに「じゃなめ」という台詞があり、それも台本には「邪な目(もしくは眼)」と書いてあったんじゃないかなーと思うんですが、アニメの収録なんてかなりの人数がそこにいるわけで、となると間違いじゃなくそう読むようになっている台詞だったのでしょうか。
 うーん、なんかよくわかりません。

冴えない彼女の育てかた 10
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 詩羽先輩がチョロすぎる女だった件w

 と一言で終えてしまうとちょっとあんまりなのでもうちょっと書いてみると、あれはつまり、霞詩子がTAKIに惹かれるようになった経緯とある意味同じと言えるように思います。
 多分、詩羽先輩のシナリオにキレが足りなかったのは、倫也成分が不足していたからではないですかね。それはつまり、自分がどんなモノを書いてもわかってくれる、そんな存在が少なくとも一人はいる筈だという確信です。倫也が書いたゲームのシナリオに描かれていた自身(がモデルとなっているヒロイン)の想いが、それを裏打ちしていたということかと。
 ……ただ、倫也は倫也で、先輩を刺激するよう細工していた節もありますけどね。なんせ、ラストが気に入らないと言われた時の倫也の台詞の大根ぶりというか白々しさが聞こえてくるようだから(笑)。もしかすると、先輩に見せるためのシナリオだったのかも?

 ややこしいのは、そこら辺の読みを互いにどこまでやっているかわからないところですね。
 相変わらずめんどくさい(笑)。

 ところで全くもってどうでもいいことですが。
 一体どこでどう間違ったのか、私の中での紅坂さんのイメージ(姿という意味で)がオリジナル(作中のイラスト)と随分違っていたことが判明しました。p247のイラストを見て。考えてみるとアレは関係ない某作品のキャラだったな……。
 イラストと言えば、カラー口絵の注意書きが(笑)。

ラノベ: 『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 11』感想

 この前の巻で、作中で重要な位置にあった雑誌『パチレモン』が廃刊か!?という大事件があり、また冴子さんの失業というこちらも大事件があり、10巻の終り方の感じではこの11巻で雑誌の復刊とともにちょっと行き詰っていた自演乙の人間関係にも大変革が!というように思えたのですが……。

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 実はだいぶ違いましたね。11巻はどちらかというと、その「大変革」に至る過程であり、今度こそ本当の激震が走りそう、というところで終わりました。
 まあ考えてみると当然なのかも知れません。パチレモンは、位置付けは重要であっても場所としてはやはり脇役、というか脇場?です。物語はやはり、自演乙を舞台に展開しなければですね!

 しかし、それは実に意外な展開でした。
 主人公の鋭太とメインヒロイン(と私が位置づけている)真涼は、ある意味欠けたところばかりの人間であり、それが実にうまい具合いにあるところは重なりあるところは補い合う、絶妙の組み合わせだと思います。そんな二人と、彼等よりはちょっと真っ当な三人が自演乙を、つまりは物語の主要登場人物を構成していたわけです。
 そんな自演乙の中で、思い起こしてみれば意外にも、いつも一番冷静に一番透徹した目で物事や人を見ていたのは、ヒメこと姫香でした。

 今回、自演乙のメンバー+豚+リス子といったメンバーがパチレモン編集スタッフ(冴子さん含む)と共に東京まで遠征することになりました。パチレモン復活の狼煙を上げるためでもあり、コミケにも参加したいということで。
 そのコミケで、ヒメを中心に三人で披露されたコスプレは、周囲を圧倒するほどのものでした。
 実際そのシーンの裏では色んな動きが起きています。真涼による考察、リス子による予言、観衆やなにより鋭太の中に起こした波紋。
 いや別にジョジョに引っ掛けてるわけじゃないんですけど。

 上記のように本当に、作中リス子の言葉に鋭太が思ったことじゃないですが、思い起こしてみればあの中2病全開で人と話すこともろくにできなかったヒメが、いつの間にこんな風に? しかも、これからもどんどん変っていく?
 もしかすると、中2病だったからこそかも知れませんね。なんせ、そういう人たちはとんでもなくデカい世界を見ることに慣れていますから(笑)。
 そして遂には、あとがきによると

 まばゆい輝きを放つようになった彼女を、周囲は放っておきません。
 そんな周囲を見て、姫香は思うでしょう。
 ――なぜ、みんな変わってしまったのだろう?
 そんな世界で、姫香が何を考え、どう行動するのか。それが、クライマックスに向かう本作の鍵となります。

というようなことになるのだそうで。

 鋭太が東京から帰ってきてこう言っています。「終わりよければ、すべて良し」と。
 しかしそれは、嵐の前の静けさだったのかも知れません。いや、あんだけ騒いでそれが「静か」なのかという疑問もありますが、あの連中にしては静かだったのでは(笑)?

 その「嵐」は、もう一方からもやって来そうです。カオルの正体が、遂に明かされることになりそうなのです。
 それが伺えるのは、まずは「羽根ノ山の遊井」に心当たりがあるらしい真涼の父親と、そして「“妹”のことだって知ってる」という愛衣から。そしてもうひとつはカオル本人による文書から。
 ……大丈夫かい、カオル?

 今回、その愛衣や前述の真涼などからいくつか興味深い発言がありましたが、思い起こしてみると肝心の姫香からあまり印象的な言葉を聞けませんでした。
 姫香は今もしかすると、繭の中で蛹になっているのかも知れません。
 何だか中2病的な表現で締めくくることになってしまいましたが(笑)。

ラノベ: 松智洋さん訃報の続報

 私にとってはこの人と言えばパパ聞きであり、その原作イラストを担当していたなかじまゆかさんからコメントが出されています。

松智洋先生ご逝去にあたり - DigitalUnderground

 いやまあ、あの萌え棺というか痛棺というかは見たときちょっとびっくりしましたが(笑)、「らしい」と言えるのではないでしょうか。とはいえ、「らしい」などと言えるほどご本人のことを知っているわけでもないのですけど。作品と、あとはニコ動か何かでシンポジウムか何かをやってた時の様子くらいしか。

 それにしても、上記のコメントにあったこれは恐ろしい。

アンドゥに慣れきった私に一発描きで御棺に絵を描いて、と無茶振りを仰ってくれました

 しかも、

正直、松先生が中にいるのに棺の上に覆いかぶさりつつ絵を描くのはどうかと思いましたが

こういう状況になってからとは。愛の鞭ですか(笑)?

 ともあれ、短くはあっても実り多き人生だったのではないでしょうかね。
 なんせ、ああいう葬式ができるってのはそれだけでもすごい。色んな意味で。

ラノベ: 訃報 - 松智洋さん

 ちょっと、いやかなり驚いています。

「迷い猫オーバーラン!」作者・松智洋さん死去 43歳 - ねとらぼ

 「迷い猫オーバーラン!」などのヒットで知られる、作家の松智洋さんが5月2日、亡くなりました。43歳でした。


 氏の作品についてはこれまでにも何度か感想を書いています。比較的最近だとこんなところでしょうか。

 前者のエントリにて『はてな☆イリュージョン』についても言いましたが、この人の作品は「登場人物いい人ばかりで、ふわっとしてちょっとえっち」で、そういうところがとても好きでした。現代のファンタジーという感じ。
 『はてな』には文字通りの意味でそういう要素がありますが。

 そういったところを簡単に表現しようとすると、綺麗事とか絵空事とかいう言葉が浮かんできます。悪口にしか見えませんね。でも逆に言うと、そういう評価が悪口になってしまうようであるからこそ、松智洋さんのような作家さんがありがたい存在だったということなのではないかな、などとも思ったりします。
 まあその辺りについては色々と思うところもありますが、こういう時くらいは控えることにしましょう。

 後は、私はあまり詳しくは存じ上げないんですが、コミケにおいてはかなりのご尽力をいただいたようで。

 というような人なので、なんだかまたちょっと世の中が息苦しくなってしまったような気がしています。
プロフィール

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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