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マンガ: 『紫色のクオリア (2)』 ついにあの「急転」も漫画化!

「警告しよう。ここから物語は、急転する───」

 裏表紙にこんなことが書いてあります。この二巻では真ん中よりもちょっと後くらいのページから始まる「episode:10」からですね。表記は微妙に異なりますが、その扉にも同じことが書いてあるのです。
紫色のクオリア 2 (電撃コミックス)紫色のクオリア 2 (電撃コミックス)
(2012/11/27)
うえお 久光

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 そこに至るまでに、ゆかりの「紫色の目」が一体何なのか、それを学と七美は一所懸命議論しています。
 ……クオリアだの量子だの、コペンハーゲン解釈だの多世界解釈だの、なんだかイラスト多めの小説みたいな文字(台詞)だらけのページもあったり(笑)。
 クオリアが登場するのは、結局ゆかりの目に人がロボットに見えると言っても、それはゆかりの認識なので本人にしかわからない、とか。量子の話が登場するのは、ゆかりは人がロボットに見えるだけでなくロボットを扱うように「修理」ができたりするわけで、そういった物質への働き掛けができるから、とか。

 そんな感じで下準備ができたところで、アリス・フォイルが彼女等の前に姿を見せます。

 アメリカからやってきた彼女は「数式が絵に見える」と言い、ゆかりの能力の素晴らしさ(それを知ってここまでやってきた)を説き、というか力説し、自分の属するJAUNT[ジョウント]なる組織にゆかりを誘いに来たのでした。
 学は考えます。

一人では世界を変えられない そう考えるのは凡人だ
天才はまさしく一人で世界を動かす 世界を変えるきっかけとなる

 アリスはその選民意識があるとも思えるような態度で学や七美の反発を招きはしますが、やがて戦法を変え、学にも働き掛けてきます。

 さて、そんなある日、学の左手に「電話」がかかってきますが……。

……お願い このままじゃ…ゆかりが死んじゃう……


 学はゆかりに、アリスの提案について考えてみてもいいんじゃないかと言い、ゆかりは結局渡米します。そして……

夏休みになってもゆかりは帰ってこなかった──遺体すら

警告しよう───ここから物語は急転する


 ちょっと部屋を引っ掻き回して原作を探したのですが見つからず、確認できないのですが、ここまでの流れって最初からそう考えてあったんですかね。確か違うとあとがきに書いてあったようななかったような……。
 ゆかりのことを知るために思いを馳せていた筈の量子の話が、自身に起きたことを説明する手がかりになる。そして、それを有効活用するための知識となる。うまくできていますよね。
 うまくできていると言えば、これは身もふたもない言い種ですが、量子のこととか論じているのが中学生なので少しくらい違っていても仕方ないと済ませられそうな(笑)?

 学の左手にかかってきた電話は「自分」からで、それからなんども学は「自分」と電話で話をします。毎回違う相手なんですけど(笑)。そして、話をするとなぜかしゃべったこと以上に情報が共有できてしまう。
 自分達は、まあどう解釈するのが正しいかはともかく、量子のような存在であるらしい。多世界の自分達なのかも知れないし、別の解釈が正しいかも知れないが。

 というわけで、学「達」は、電話で連絡を取りつつ、あらゆる世界であらゆる可能性を探り、試し、ゆかりを救う道を探すことにするのです。

 物語も急転しますが、学のやることも急転します。もうなんというか、ちょっと人間から外れてしまっているんじゃないかという感じで。フェルマーの原理を引用し、学は「光」になるのです。
 「自分」は一つの「可能性」に過ぎないので、ゆかりが死なない世界を求めて、死のうが犯罪に巻き込まれようが逆に罪を犯そうが、ありとあらゆることを躊躇いもなく試します。どうやら何やら怪しいことを企んでいるらしいJAUNTをまずは調べるために。
 やはり、あらゆる可能性を知ることができて知識を共有することができるというのは、視点が俯瞰というか、人間とは別のものになってしまうのでしょうか。
 人の倫理など、世界を越える意識である学にはもう、取るに足らないものでしかないのかも。

 例えば、探った「可能性」の中からどうにかアリスに辿り着いてアリスから情報を探り出すにも、ありとあらゆる方法を試せるわけです。

 そんな怒涛の展開を見せる本作ですが、コミック版第二巻は、学がアリスに辿り着いてJAUNTに関する情報を引き出し、彼らがゆかりに何をしたかを知り、そして新たな目標を見出すところ、までとなっています。
 こうなったからには勿論、あの「どんでん返し」、というよりもむしろちゃぶ台返しを描かないことには終わりませんよね(笑)。

 さて、コミック版制作の進捗や如何に?

関連項目:

tag : 電撃コミックス うえお久光 綱島志朗

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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