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アニメ: 2012秋アニメ感想(5.1) SAO#18「世界樹へ」の感想の続き

 秋アニメ感想で、昨日のエントリの続きです。

ソードアート・オンライン#18「世界樹へ」
 昨日は主にリーファについて書きましたが、今日はアスナについて、というかアスナの現状についてです。

 色々な意味で対照的なこの二人ですが、描写の上でも対照的です。リーファはアニメ化にあたり、ヴィジュアル面で色々触れてみたいことがありました。例えば、その豊かな表情であるとかです。
 対するアスナはと言えば、こちらは逆に、アニメでの描写には色々補足したくなります。アスナの周辺で起きていることについてはちょっと説明が必要なものがありますし、アスナが考えていることも、一々モノローグにするのも何か不自然だからです。
 そういったところはやはり、自由に飛び回り活動するリーファと幽閉されているアスナ、という違いから来るのでしょうか。

 今回の話では、須郷がその思慮と経験の足りない小物っぷりを遺憾無く発揮し、アスナに希望の光をもたらしてくれます。ラッキーですね。これで須郷が茅場みたいな人物だったら、そううまくは行かなかったことでしょう。

 まずは、キリトについて。
 幽閉されているアスナには、助けてくれる人が必要です。それができそうな人で、なおかつやってくれそうな人、そしてアスナがそうして欲しいと望んでいる人は、まあ端的に言えばアスナの英雄キリトです。
 しかし、そのキリトはアインクラッドの崩壊の後どうなったのか。彼のHPは確かにゼロになった。アスナにしてみれば、自分が今ここにいることには須郷の野心と奸心という理由があるために、それを以てキリトも生きていると信じる根拠にはなり得ないわけです。
 だから、それがわからないことが、現状のアスナの最も大きな懸念事項だったのです。

 それが、お間抜けさんの須郷によって、一気に打開されました。

「いつまでもここにいるつもりはない。きっと……助けに来るわ」
「へえ? 誰が? ……ひょっとして彼かな? 英雄キリト君」
「彼……キリガヤ君とか言ったかな? 本名は。先日、会ったよ。向こう側でね」
sao18_asuna1.png
「…………!!」

 この表情は、あまりに唐突に訪れた希望の光に対する驚き、といったところでしょうか。

「寝ている君の前で、来週この子と結婚するんだ、と言ってやったときの彼の顔!」

 何という自爆フラグ(笑)!

sao18_sugou1.png
「賭けてもいいけどね、あのガキにはもう一回ナーヴギアを被る根性なんてありゃしないよ!」
sao18_asuna2.png

 ここでアスナが顔を背け、俯く理由。それは勿論、その聞き苦しい罵詈雑言に耐えられなくなったなどというものではなく……。
 ところで、ALOはナーヴギアでなくともアミュスフィアでもプレイできるはずですけどね。というか本来そっちでしょ。それともフルダイブすること自体を指しているのでしょうか。

sao18_asuna3.png
(──キリトくんは……キリトくんは、生きてる!)( ̄ー ̄)

 いやー、つい変なAAを書き足してしまいました(笑)。ちょっとニュアンス違いますけど。
 ここでちょっと長くなりますが、原作文庫の同じシーンから引用しましょう。

 鏡の中に、小さくなるオベイロンの姿を捉えながら、アスナはすすり泣く様子を装いつつ心の中で思い切り叫んだ。
 ──キリトくんは……キリトくんは、生きてる!
 この世界に囚われてからの、それがアスナの最大の憂慮だった。自分だけがこの世界に転送され、キリトの意識は消滅してしまったのではないか──、必死に打ち消しながらも、その想像はアスナの心に毒を垂らしつづけた。
 しかし今や、オベイロンがその憂慮をきれいに打ち払ってくれた。
 まったく、頭はいいのかもしれないが実に愚かな男だ。昔からそうだった。他人を言葉でこき下ろす衝動が我慢できないのだ。アスナの両親の前ではうまく猫を被っていたが、アスナや兄は、須郷の他人に対する毒舌には何度も辟易とさせられていた。
 今も、そうだ。本当にアスナの心を折ろうとするなら、彼は現実世界でのキリトのことを話すべきではなかった。彼は死んだと言うべきだったのだ。

──第3巻pp195-196, 強調は引用者による

 これが最重要のポイントですね。
 アニメだと、こういう説明をするのは中々難しいでしょう。

 さて、ここで須郷は、もう一つポカをやらかします。ALOがSAOに由来するシステムであることから、アスナには、その世界のクセ、現実との微妙な違いなどに関する知見に一日の長があるのです。
 前回、須郷がこの檻から出るとき、ボタンを押してドアの制御をしていましたが、その様子はアスナからはよく見えませんでした。
sao17_sugou5.png
 しかし、今回は違います。
sao18_asuna4.pngsao18_sugou2.png
 ここのところも、原作文庫から引用しましょう。

 オベイロンが手を上げ、金属板を操作している。彼の立つ場所はアスナからは遠く、遠近エフェクトによってディテールが減少し、どのボタンを押しているかはわからない。それを確認済ゆえに、オベイロンはそんなシステムでもこの檻は磐石だと思っている。
 それはその通りだ──オベイロンを直接見る場合に限っては。
 彼はナーヴギアの作り出す仮想世界に触れてまだ間がない。だから知らないこともたくさんある。例えば、この世界の鏡は光学現象ではない、ということをだ。
 アスナは泣くふりをしながら、至近距離から鏡に眼を凝らした。そこには、くっきりとオベイロンの姿が映し出されている。現実の鏡ならばどんなに顔を近づけても遠くにあるものが詳細に見えたりはしないが、ここではオブジェクトとしての鏡の表面に、高解像度のピクセルを用いて映るべきものが描画されているのだ。遠近エフェクトも、鏡の中までは及ばない。指先の動きがはっきりと見える。

──第3巻pp196-197

 まあ、ここについては、アニメ化にあたってちょっと解釈を入れている様子も見えます。直接見た場合には、ボタンのところが特に見えにくくなっているので、単なる遠近エフェクトではなく、須郷がそこの部分だけ隠しているということなのでしょう。
 しかし、「鏡のトリック」については同じことです。

 こうして、アスナはほんのわずかの間に、キリトの生存を確認した上、檻から出るための手段までも確保してしまったわけです。
 それも、いずれも須郷の「隙」から(笑)。

 そんなわけで、長いこと囚われの身に甘んじてきたアスナですが、行動するための力と足掛かりを得ることができました。
 須郷さん、ありがとう(笑)!

tag : アニメ

コメント

非公開コメント

No title

なんで肉眼で見えないものが鏡に写すと見えるんだろ?と思っていましたが、なるほどそんなタネがあったのですね。ちょっとアニメだけではわかりづらいですね。

ていうか妖精王さんはなんだって仮想世界でまで番号入力式のロックなんか使ってるんでしょうね?
せっかく「魔法が使える世界」なんですから、王様(管理者)らしく魔法っぽい仕掛けでロックすればいいのに。
もっと現実とゲームを混同すればいいのに、オベイロンさんには「ゲーム脳」が足りないですね(笑)

Re: No title

> アニメだけではわかりづらい
やはりここは、説明せねばなるまい!

> 妖精王さんはなんだって
さあ?
原作でも、「どうやらオベイロンには彼なりの美学があって」という言い回しになっています。
ただそこでは、管理者属性の者は通れるようにすればいいのだがシステム臭のするものを持ち込みたくないのだろう、という感じでした。

> オベイロンさんには「ゲーム脳」が足りない
まあ、彼としては実験をしているのに過ぎないのかも知れませんね。

No title

そういえば、アスナさんはキリトが生きてるってこと知らなかったんですね。今回の話を見ていて彼女の反応がおかしいと思ってたんですが、なるほどそうでしたか。
だというのに、いらんことをベラベラ喋る妖精王(笑)さんの姿は実に滑稽ですな。こいつはくせえーッ!ゲロ以下の匂いがプンプンするぜーッ!!

>「賭けてもいいけどね、あのガキにはもう一回ナーヴギアを被る根性なんてありゃしないよ!」
いやぁ。実にいい顔でしたね。無知って素晴らしいw

ところで鏡写しのロジックは、ALOの基になったSAOを作った茅場さんがわざと残した部分だったのか、それともそこまで律儀に現実世界を反映することもないと思って手抜きしたのか……。ぶっちゃけ「そんなのありかよ」と思っちゃいましたが。

No title

 人間絶頂期にいると思うと、いらない事をベラベラとしゃべってしまう、と
心理学でも言われてますが須郷はまさにそれですね。
 時代劇で言う「冥土の土産」パターンだ。

 に、してもこいつ茅場の後輩だったとは。
 しかし目的というか考えは全く違うようですが。

 こういう「一見すると切れ者に見えて実は小者に過ぎない悪役」って
結構難しいと思うが子安さん流石だ。
 
 今回の話はCSの無料放送で見ました。
 

Re: No title

> 彼女の反応がおかしい
やはり、文章で説明しないと難しい部分が多いですよね、アスナに関しては。
というわけで、ついいらんことをベラベラ解説してしまいました。

> いらんことをベラベラ喋る妖精王(笑)さん
その辺り、茅場とは正反対ですね。

> いやぁ。実にいい顔でしたね。無知って素晴らしいw
もしや、AWのスタッフと示し合わせてやっているのでしょうか(笑)?

> 茅場さんがわざと残した部分だったのか、
どうでしょうね。彼は意外と、手を抜くところは抜いていた感じがするので、単に面倒だったからというだけかも知れません。
で、こういう現実との些細な違いがどう社会に影響してくるかも見られて一石二鳥、とか。

Re: No title

> 人間絶頂期にいると思うと、
まあ、その万能感でつい、というものかも知れません。なんせ、もうすぐ大金が手に入る(と思っている)のですから。
また、彼の場合は昔からそういうところがあったというのもあるでしょう。

>  しかし目的というか考えは全く違うようですが。
もう、彼自身がはっきりそう言っていますよね。そして、茅場も多分、須郷のやっていることを見たら扱き下ろすのでは。

> 子安さん流石だ。
他の役をやっているときや最初の登場シーンとは、まるで違う声ですよね。
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水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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