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歌とか: 『魔法少女まどか☆マギカ』の音楽 - リスアニ! 2012 Oct.

 リスアニ!の2012 Oct.号(Vol.11)にて、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ“物語と音楽の融合”』と題して巻頭特集が組まれています。
リスアニ! Vol.11 (M-ON! ANNEX 560号)リスアニ! Vol.11 (M-ON! ANNEX 560号)
(2012/10/26)
不明

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 私がこのアニメ作品のことを最初に知ったときには、脚本・虚淵玄ということで、まあ方向性は定まったな、という感じだったのですが、それに音楽・梶浦由記ということでこれは心して見なければ、と思ったものでした。
 まあ、それでも心構えが足りなかったというのが後でわかったわけですが(笑)。

 そんな本作、やはり気合いの入りようがハンバじゃなかったという印象です。想像ですが、これに関しては、新房監督やもしかするとプロデューサー辺りに、何かアニメ業界に対する危機感みたいなものがあったのではないかと。
 で、物語が進むにつれ明らかになっていく真相とともに、その世界の雰囲気も変遷していき、それを強烈に視聴者の中に刻み込んだのが、一つには劇伴、音楽だったと思うのです。

 思えば、第11話の感想を書いたとき、「ワルプルギスの夜」に挑んだほむらが今まさに絶望に取り込まれようとしている瞬間については、私はこう述べました。

 それは、これ以上心を動かすシーンは中々あるまいと思わせた第10話のほむらよりも、更に見ている者を引き込む姿。
 なんとかして、なんとかして彼女を救ってあげたい。頼むから誰か早くなんとかしてくれ。でないとほむらが……!
 そんな気持ちにさせるその描写は、本作の制作陣の総力を結集したものだったのではないかと思うのですが、敢えて私の個人的な感想を言わせてもらえば、その中で最も大きな影響力があったのは、音楽だと思います。

 尤も、TV版ではこの直後ぶっつりと切れるのに対し、BD版では『Magia』が流れることについては私は批判的ですが。

 そして勿論、ClariSの歌う『コネクト』、劇場版なら『ルミナス』は外せません。
 それにしても、作詞・作曲を担当した渡辺翔氏は『コネクト』について、「王道の魔法少女ものの歌詞を書こう」としか思っていなかったそうなのですが(今回の特集によると、ClariS本の『コレクション』にそう書いてあるらしい)、とするとこの人の考える「王道の魔法少女もの」って一体……(笑)。

 アニメに限らないと思いますが、ドラマにおける音楽の重要性というのは多分、いくら語っても語り尽くせないものでしょう。
 個人的なことを言うと、比較的最近そういうことを思わされた作品があります。
 それは、『けいおん!』です。
 こちらの場合は、まあBGMもそうなんですが、やはり放課後ティータイムの歌う各楽曲ですね。あれだけCDを買いまくった作品もそうありません(笑)。

 さて、今回の「リスアニ!」の特集は主に、ClariSインタビュー、Kalafinaインタビュー、梶浦由記インタビューと、劇伴考察からなっています。
 興味深い話が詰め込まれたそんな中から、幾つか気になったところをピックアップしてみます。

 まずは、p23より。劇場版では、完全にシーンに合わせて作曲できるのがいいところだと梶浦さんが言っていますが、魔法少女達が魔女と戦うシーン各々に専用の音楽をつけるという方針になったそうです。

──魔女の音楽では「オペラ」のようなものをダイレクトに取り入れていたのも特徴的でした。
梶浦 実は今回、音楽をつけなおすにあたって、音楽打ち合わせに「あの方々」が同席してくださって……。
──あの方々?
梶浦 劇団イヌカレーさんが同席してくださって、資料として「魔女の歌詞」をくださったんです。実はそれぞれの魔女には、イヌカレーさんが作られた歌詞……というより詩ですかね。イメージポエムのようなものがあって。じゃあそれを歌詞にして劇伴に採り入れてしまおうと。ただ尺の関係などもあって、全部が全部にはつけられなくて、結局2曲でやらせていただきました。いただいた日本語をすべてドイツ語訳して歌として入れて。だからあれはもう「魔女の歌詞」です。

 こういうのが出てくるところが、『まどか☆マギカ』という作品の「深み」の源泉かも知れません。そして、それが「詩」である辺りも、魔女になってしまうような少女の「痛さ」というかそんなものが感じられます。
 ところで、なんで「方々」と複数形? もしかして「イヌカレー」というのはグループなんでしょうか、それとも「劇団」だからそう表現したのでしょうか。……と思ってぐぐってみたら、2名からなるユニットだそうで。

 次に、p25。劇場版ラスト付近のシーンで、新録のものがあるのですが、まどかとほむらが語らって、まどかが去っていくところ。
 かなりクラシック寄りの音なんですが、梶浦さんからは、「普段はクラシックって、アニメでやるとすごく地味になりすぎるのでやらないんですけど、あのシーンはなんかむしろ地味な感じのほうがいいかなと思って」というコメントがあり、「泣きがあまりない、温かい音楽」と表現しています。
 ここに続くオーダー表には、「宇宙が生まれるような音楽」とあったそうで、約1分で宇宙を生まなければいけないという(笑)。
 ちなみにこれの前のページに、この作品はどんなに音楽を重くしても大丈夫だと言っていました。「『まどか☆マギカ』はどんなに重くしても浮かないんです。これには驚きで」と。
 そういう風味の作品であるからプロデューサーが梶浦さんを指名した、のかも知れません。脚本が先にできてますからね。

 そして最後の三点目ですが、p27の冨田明宏氏の文章から、杏子に関する音楽について。

前編は1話から8話までの総集編となるため、あらたに杏子に関する劇伴が多く書き下ろされている。悪役的な立ち位置から、ダークな物語における良心のような存在になる彼女の、つらい生い立ちを演出する切ない劇伴が胸を打つ。

 多分、登場から退場までの間に最も視聴者にとっての印象が変化したのは、杏子だと思います。そんな彼女についてはやはり、それを表現するだけの変化に富んだいくつもの曲が必要だ、ということだったのでしょう。
 この、前編の劇伴の考察は、こう結ばれています。

改めて、画合わせで制作された劇伴の破壊力と素晴らしさに、前編だけでも打ちのめされた気分だ。

 まあ、言ってみれば特注品ですからねー。更には、後編の劇伴の考察文は、こんな風に締めくくられます。

劇場版『まどか☆マギカ』は、梶浦由記という偉大な音楽家の素晴らしい仕事に、改めて感服させられた作品でもあった。

 なんかもう、崇拝している感じです(笑)。

 とまあこんなようなところが興味深いこの劇場版『まどか☆マギカ』の劇伴ですが、今のところはそのサウンドトラックCDの発売に関する情報は見当たりませんね。
 これもまた、TV版と同じように、BDに同梱ということになるのでしょうか?

tag : 魔法少女まどか☆マギカ

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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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