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独り言: 企業トップによる二つの「火消し」

 先日のエントリ「日本化する?Apple」で取り上げたAppleの地図アプリ問題、及びそれが暗示するAppleの変節についてですが、ちょっと興味深いことになっています。
 各所で報道されていますが、ここのまとめ方がいいかも。

AppleのCEOティム・クックがiOS6/iPhone5のマップについて謝罪、Googleマップなどの使用を推奨 - GIGAZINE

 どこが「興味深い」と思ったかというと、アプリがダメダメであることを認め、さっさと謝罪して、他のアプリを推奨したりしている点です。
 前回「日本化」と書いたのでまた日本に的を絞って感想を書いてみます。というか他の国の人がどう感じているかはよくわからない(笑)。

 アプリ開発がダメなこととそれへの対処はまた別の技術になります。そして、対処としては、まずそれがダメであることを踏まえ、その上でユーザが何を求めているかを認識して臨むことが第一条件です。
 ユーザ、特に既存ユーザはとにかく、使い物になる地図アプリを必要としている。そして自社ではそれを提供できない。ならば、他社製のものを使ってもらうしかない。当然の帰結です。

 ここで重要なのは、どれが良いかをAppleが指し示すか、では必ずしもありません。その姿勢、態度を示すことが重要なのだと思います。それにより、今回は失敗したけれども、Appleはユーザのことをまず第一に考えているのだ、というイメージを醸成できる可能性があります。
 ここで他社アプリの排除みたいなことをしたら多分、今の瞬間はいいでしょうが、多分ユーザとの間に決定的な亀裂を生じることになります。

 つまり、まずは現状を正しく把握し、どう言い繕ってもダメなものはダメと認識すること。次に、ダメなのであれば、潔く非を認める。そうすれば、怒りを緩和させることができる。
 去っていくユーザはいるでしょう。しかしそれを、将来的に最小限にするためには、こういった対処が今回は必要だっただろうと思います。その意味では、まず第一歩としては適切な判断をしたと思います。

 こうしてみると、ITという意味での技術と、企業イメージの保全という技術、その二つの相補関係がうまく機能して、前者でへまをやらかしても後者がそれを補う、「火消し」の役割を担ったと言えます。
 それが実を結ぶかどうか、今後の展開が見物ですね。

 さてそして、やはり思い出してしまうのは、以前「楽天の社長に見る「火消し」の極意」と題してコメントした、楽天のkobo touchのトラブルへの対処です。
 こちらはまた、文中でも反面教師と書いたように、実に見事に考えうる限り最悪の対応をしているようにしか思えません。トップ自らが。

 何かあったとき、トップが謝罪会見をする日本の風景。今回のAppleの件は、前回書いたのとは別の意味で日本化かも知れません。勿論、見掛けだけでなく合理的な対処も含まれていますが。
 そして、楽天の方はと言えば、実に日本的でない。言い逃れの末に顧客が悪いと来た。

 Appleというアメリカの企業のトップと、楽天という日本の企業のトップのこの二つの対比、実に面白いと感じてしまいました。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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