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ラノベ: 『ソードアート・オンライン1 アインクラッド』感想

 アニメ『ソードアート・オンライン』が始まり第一話を見て、また書店で無料配付されていた『ソードアート・オンライン STARTER GUIDE』なる小冊子を読んだりして興味が湧いてきたので、非常に今更ですが原作を読んでみました。取り敢えず一巻。
ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)
(2009/04/10)
川原 礫

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 それで感じたことを一言で表すと、
この作品はファンタジーである
ということになりましょうか。

 いや、これだけだと、おまえは何を言っているんだ?と突っ込まれそうですが(笑)。

 本作品の誕生は、一巻のあとがきによると、10年前の2002年にまで遡ります。ネットでの公開などを経て2008年に電撃小説大賞で大賞を受賞、出版に至りました。
 舞台設定は近未来の2022年。ナーヴギアと称されるヘッドギアをコントローラにして、五感の全てに作用する完全なバーチャル・リアリティを実現した『ソードアート・オンライン』なるオンラインRPGが発売され、ベータテスターでもあったキリト(ゲーム中での名前。本名は桐ケ谷和人)を主人公として物語が展開します。

 このゲーム、製品版が発売されて早速プレイしてみたら、なんとログアウトできない。で、当惑するプレイヤーたちの前に突如現れた開発者が宣言します。このゲームの中で死ねば現実に死ぬ。ナーヴギアを外すなどの退場手段も全て死に繋がる、と。
 現実に戻る手段はただ一つ。ゲームをクリアすることだけ。

 そんなことがあってから二年経った頃が物語の始まりになります。

 一巻を読んでみて思ったのですが、この作品、思いの外素直でオーソドックスな感じですね。キリトやヒロインのアスナ、他の主要な人物も、明確な悪役キャラ以外は極めて善良です。そして、真っ直ぐです。
 特にキリトとアスナは、その純粋さが際立っています。

 ストーリーも、これまた極めて素直でオーソドックスという感じです。

 しかしこれは、決して陳腐であることを意味するわけではありません。その清涼な印象は、どこから来るのでしょうか。
 それは多分、まずは登場人物の魅力から来るのではないかと思います。

 過去の失敗から、極力単独で行動しようとするキリト。そしてこちらも色々あったけれど今は立ち直っているアスナ。
 そして、二人の間に芽生える想い。
 終盤に明されるのですが、正確には、アスナは半年前にキリトと出会ったそのときから既に、キリトを想い始めていました。それは、この世界にやってきてから初めて感じた穏やかな安らぎであり、そこから芽生えた感情が育っていく様は、哀しいくらいに純粋です。
 そして、キリトもそんなアスナに救われます。

 こんな二人の真摯な想いは中盤で実を結び、二人はゲームの中ではありますが伴侶となるのです。

 ストーリーもオーソドックスであると評したのは、「フラグ」みたいな印象を与えないところですね。「俺、この戦争が終わったら……」みたいな××フラグのようなものを感じさせることなく、色々な出来事が普通に起きているように受け取れます。

 そういったことを色々考えてみると、この作品は、特定のジャンルの作品郡を示すのではなく直訳的な意味でのファンタジー、幻想的な作品であると感じました。
 「ファンタジー」(こうあって欲しいという願望の物語のようなニュアンスで)の筈なのにあまり良くない意味で現実に侵蝕されて来ている世界が多くなってきているように感じます。それはまるで、以前取り上げた某ゲーム(エロゲの方)のように。
 そんな中本作は、かくあれかしと言えるような純粋な登場人物であり純粋な物語(ラヴ・ストーリー)である、という印象です。
 現実から一歩おいたところにあった筈の「ファンタジー」(かくあれかし)が現実に侵蝕される中、そこから「一つ上の領域にシフト」したところに位置する、ファンタジー世界から見たファンタジー世界。それが本作、『ソードアート・オンライン』であるように思います。

 冒頭でこの作品をファンタジーと表現しましたが、それはこのように、すでに「ファンタジー」と言えるのか微妙になってきた世界群、そこから見た新しくしかし回帰的な「かくあれかし」のように思えたという意味です。

 物語は、原作第一巻の結末で、先は見えないながらも一旦完結。作中のゲーム『ソードアート・オンライン』の世界は崩壊し、キリトは現実に戻ってきます。
 先に触れた『STARTER GUIDE』の紹介によると、二巻は短編集、そして三・四巻は、Web上でも屈指の人気を誇った『フェアリィ・ダンス』編で、そこでアスナが救済されるようですが、また、聞くところによると、キリト(和人)の妹が重要な役割を担うようです。
 妹はアニメの第一話冒頭で登場しているので、多分アニメは、少なくとも『フェアリィ・ダンス』編まではやるのではないでしょうか。

 取り敢えず、原作は四巻まで買ってあるのですが、さて、どうしたものか。読んでから見るか、見てから読むか。

 ……などと書いてみましたが、どう考えても読まずに我慢できる筈もありませんけどね(笑)。

tag : 電撃文庫 川原礫

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まとめtyaiました【『ソードアート・オンライン1 アインクラッド』感想】

 アニメ『ソードアート・オンライン』が始まり第一話を見て、また書店で無料配付されていた『ソードアート・オンライン STARTER GUIDE』なる小冊子を読んだりして興味が湧

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