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独り言: パナソニックとシャープに見えた「兆し」

 ダメだダメだと言いつつこうやってたまに何か書いてしまう(つまり気にしている)日本の製造業、特に家電。なんというかこういうのって、デレるポイントを見つけられずに困っているツンデレのようです(笑)。

 今回ネタにしている「兆し」というのは何かというと、パナソニックとシャープの姿勢の変化です。特にシャープの方なんてのは、会社の規模から考えると、ごくごく小さなニュースに過ぎません。だから、それでシャープが変わるかというとわからないし、そもそも今回発表したことが成功するかどうかすらもわかりません。
 しかし、私はそこに、何かの変化を見たのです。
 幻想かも知れませんが。

 まず、パナソニックから。
 こういう記事がありました。
ビジネスニュース 企業動向:有機EL=テレビではない、パナソニックの新社長が見据えるディスプレイ事業 - EE Times Japan
 記事の最後から引用すると、こんな風に結ばれています。

パナソニックは、有機ELテレビという1つの土俵で競合に立ち向かうのではなく、ある程度時間はかかっても、“有機ELテレビはあくまでディスプレイの1つの形”として、より広範な市場で勝負を挑む。これがパナソニックの戦略であると考えられる。

 ちなみに、6月29日の日経の報道では、小見出を「テレビ、コア事業でない」として大きな転換を考えていることを報じていて、新社長のこれまでの同社についての反省の発言の後にこう続けています。

津賀社長は率直に述べ、顧客価値を徹底して追求する原点に戻ると宣言した。テレビや冷蔵庫、電子部品といった商品軸による事業の切り分け方を修正。「住宅空間」や「非住宅空間」、「モビリティ」「パーソナル」といった消費者の活動領域に分けて、商品開発やサービスのあり方を見直す考えだ。


 次に、シャープについての報道。
電子書籍、拡充バトル 海外勢・キンドル投入 日本勢・「脱」専用端末+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
 この内のシャープのサービスに関する独立した報道もありましたが、それについては以下のニュースリリースを紹介する方がいいでしょう。
電子書籍の配信ソリューション「book-in-the-box」を提供 | ニュースリリース:シャープ
 ニュースリリースには、「しかし、電子書籍の不正な複製などを防止する著作権管理(Digital Rights Management、以下「DRM」)技術の開発が負担となり、」といった一節があり、かなり核心に迫っていると思います。以前、同社のGALAPAGOSに一瞬期待したけどサービス開始前にスルーを決めたことがありましたが、それもこれが影響していました。
 産経の報道に、こういう記述があります。

 日本メーカーはスマホやタブレット端末に押され苦戦が続いているのが実態。このためシャープは著作権管理技術や閲覧ソフトを提供する事業に軸足を移そうとしている。ソニーもコンテンツ販売での収益性向上を目指すなど、「ハードからソフトへ」の動きが急だ。


 別に、端末を売ろうとするのが間違いだとは言いませんが、端末を沢山売るために利用者に不便を強いるような代物が売れるわけがなかろう、というのは確実に言えることだと思うのです。AmazonのKindleなどはそういう意味では、産経の記事の「ハードからソフトへ」というので先を行っていると言えるでしょう。
 というか、そもそも産経はKindleがどんなものか知っているのでしょうか?
 以下の記事がわかりやすいかと思います。
日本の電子書籍の来るべき未来、AmazonのKindle戦略を徹底解説 - GIGAZINE

Amazonにとってはこの端末はAmazonの電子書籍を読むための手段の1つでしかありません。Kindleでなくても大丈夫である、という証拠に、ライバル端末と目されているiPad向けにも「Kindle for iPad」を提供しています。

スマートフォンでもKindleが使えるよう、「Kindle for iPhone」「Kindle for Android」「Kindle for Windows Phone 7」「Kindle for BlackBerry」が出ています。

自宅や仕事用PCでも使えるよう、Windows向けにはKindle for PC、Macintosh向けにはKindle for Macがあります。

さらに、アプリやソフトウェアのインストールができないという場合はブラウザ経由で動作するKindle Cloud Readerまで用意されています。ありとあらゆる環境で、Kindleを使えるという状態です。


 シャープの電子書籍に対する姿勢の変化は、GALAPAGOSで大コケしたからできたものなのかも知れません。また、パナソニックのテレビに対する姿勢の変化ももしかすると同じかも知れません。
 まあ、テレビはすでにコモディティ化というか低価格競争に入っているというのもありますが、先日指摘したような、外付けHDDの内容は本体が変わればアクセスできなくなるみたいな馬鹿らしい仕様も「テレビ」の進歩を妨げていると思います。
 電子書籍の話とテレビの話を並べたのは、そこに微妙な共通点があると感じたからです。

 要するに、製品を売るために利用者に不自由を強いるものが売れるわけなかろうと言いましたが、それはメーカーが狂っているというよりも、そういう狂った選択をせざるを得ない共通の状況があるのではないかということです。
 電子書籍とテレビに関して言えば、つまるところ、法律が足を引っ張っているんだろうな、と。

 まあそれが原因なのかどうかは別として、シャープはソフトを工夫するというやり方を選んだし、パナソニックは「テレビ」という商品に賭けるのを避けました。
 冒頭に述べたように電子書籍がシャープ全体の命運を決めるとも思えませんが、かなり根元的なところで考えを変えたわけですし、パナソニックは、事業のあり方そのものを変えようとしています。

 これらのことが、何かいいことの兆しだといいのですが。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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