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アニメ: 2012春アニメ感想 (2.1) 氷菓

 もう四月も下旬ですが、やっと放送が始まった『氷菓』。あの京都アニメーションの作品ということで、内容もチェックせずに見始めたわけですが、今現在、番組オフィシャルサイトや京アニのサイトが妙に重たいのは、やはり話題になっているということなのでしょうか?
 というわけで『〈古典部〉シリーズ - Wikipedia』なんてのを参考にしてみると、「推理小説」と紹介してありますね。

 で、原作も読まずアニメも一話だけ見ての感想を書いてみます。

 まず、お話について。
 推理小説とありますが、なんかちょっと違和感を覚えたりします。何かというと、推理小説と言われて私がイメージするのは、論理の塊、のようなものです。
 対して本作から私が受けた印象は、より感覚的と言うか感性でできているというか。
 もっと大きな違いは、何かの推理をすることよりも、その背景とかそもそもそれを追求するに至った理由とか、ある意味メタなテーマを扱っている感じがするところです。
 そして、そういったことにはまたしても、感覚や感性が絡んでくる、そんな感じ。
 上記のWikipediaにも奉太郎は「その能力を推理ではなく(多くの場合)偶然訪れる閃きだ」と言っていると書いてありますが。

 まあ、この先本格的な何かが始まる、今回はその小手調べ的な話なのかも知れません。

 ここまでに書いたようなことからふと思い出したのが、この作品です。
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(2011/07/22)
滝川 廉治

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 以前レビューしたときに書いたことですが、この2巻に出てくる舞というキャラが言っていたことですね。「重要なのは、賀茂先生のイカサマを暴き立て詐術を論破する事ではないのです」とか。

 そして、次に、京都アニメーションによるアニメ制作について。
 勿論定評のある京アニのこと、期待を裏切らないものでしたが、印象的なのがCGです。
 最近の日本のアニメでは(というか日本のしか見てないですけど)、昨年の『Aチャンネル』辺りからか、背景CGの使い方がなんか変わってきた感じがしていました。
 そして、昨年秋~今年の冬くらいでかなりその「感じ」のする作品が増えてきたように思っていたのですが、本作『氷菓』は、ちょっと抜きん出た印象があります。

 例えば、このシーン。
hyouka1_scene1.png
 静止画なのでこれ見ても言いたいことが伝わるわけでもありませんが。
 奉太郎の視点で描かれているんですが、彼の動きとともに、動きや視差が描写されます。しかし、例えばこれを、人物の頭にカメラを付けて撮影したとすると、ちょっと違うものになると思うのです。
 何かというと、人間の目は自然に見ている対象を追い掛けるために、視点にいる人物(ここでは奉太郎)の目から入って彼の脳で処理された後の映像と彼の頭に付けたカメラで撮ったものは自ずと異なってくるわけですね。

 これで、またまた思い出したことがあります。
 以前、アニメ版『のだめカンタービレ』(オフィシャルサイトが全面Flashらしく自動でリンクを作れないので手抜き)と『けいおん!』を絵の描き方で比較したことがありました。
 どういうことかというと、『のだめ』の方は、実写をそのまんま絵にしてるだけという感じで、はっきり言って実写よりも劣化しているんですよね。対する『けいおん』の方は、アニメの表現を用いているから、喩えて言えば、写実主義と印象派のような感じでしょうか。
 ある意味今回のもそれと同じで、CGを使っているんですけど、主観が描かれている、と感じたのです。
 それでもまだ少し全体の動きが大きい、という気がしないでもないですが、まずは高く評価しておきます。

 他にも語るべきところは沢山あるように思える京アニのアニメ制作ですが、まあきりがないのでやめておきましょう。

 原作のファンからは早くもイメージが違うみたいな声も出ているようですが、私としてはこれは期待の新作、と思っています。
 ストーリーも絵も、……あれ?

 音。
 今、飛ばし飛ばしで音を聞いてみましたが、SEやBGMがすごく自然な感じ、かも?
 こういうさりげなさは、実は結構「技」が必要なのではないでしょうか。

tag : アニメ

コメント

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No title

原作ファンで、かつアニメ版未視聴の自分から言わせると、『古典部シリーズ』に“推理小説”を求めてはいけません。

なんていうか、『古典部シリーズ』は「日常の中で事件が起こる」のではなく「日常の中から事件や謎を見つけだす」話なんですよね。

で、「事件や謎を見つけだす」のが千反田の役割であり、「解を提示する(≠解決する)」のが奉太郎の役割であって。

なので、奉太郎の“推理”の目的は「真相を明かすこと」ではなく「千反田を納得させること」。

故に、奉太郎は“推理小説”における“探偵役”とは言い切れないんですよね。
千反田を納得させることが目的の彼の“推理”は、必ずしも真相を言い当ててるとは限らないのですから。そういう点でメタ的とも言えるかもしれませんね。

ま、その辺はシリーズ第2作『愚者のエンドロール』で扱われるテーマなんで、そのうちアニメでもやるでしょうね。

Re: No title

> 「解を提示する(≠解決する)」のが奉太郎の役割
> “推理”の目的は「真相を明かすこと」ではなく「千反田を納得させること」
なるほど。まさに私が指摘した『テルミー』二巻の舞の言ったことと同じですね。
それと、書いた後に思ったのですが、先週感想を書いたフジテレビのドラマの『リーガル・ハイ』の弁護士とも似ているかも。真実などわかるわけがない、我々は神ではないのだ、と言い放った彼です。

> “推理小説”
実を言うと、私はあまり本格的な推理小説が格別好きというわけではありません。嫌いでもないですけど。
どちらかというと、緻密な推理よりももっと大局的な(大雑把とも言う(笑))ことを考える方が好きなので、この作品は結構お気に入りになりそうな気がします。
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水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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