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ラノベ: 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』10巻の感想と桐乃について

 一巻を読んだときには、こんなに長いシリーズになるとは思いませんでしたが。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 10 (電撃文庫 ふ 8-15)俺の妹がこんなに可愛いわけがない 10 (電撃文庫 ふ 8-15)
(2012/04/10)
伏見 つかさ

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 何と言うか京介よ……。

 黒猫に続いてなんととんでもないフラグを……!

 今回の話では、桐乃と妙に仲が良くなったことで両親にあらぬ疑いをかけられた京介が、二ヶ月という期間限定で一人暮らしをすることになります。模試で志望大学のA判定を取れたら帰ってきていい、と。
 まあ、前回のエピソードは確かにちょっと、疑われてもしかたないかも(笑)。

 いやでも、妹といかがわしいことをしているかどうかと、模試の成績は関係ないと思うんだけど。だって、成績良かったら許すとかじゃないんでしょ?

 始めてみたらみんなから手助けが入る入る。もううはうはですね、京介。
 友人の赤城をはじめ、麻奈実とかあやせとか黒猫とか、加奈子もやって来ることになりますし。
 桐乃が冷蔵庫なんか買ってくれたりするのはありがたいやら情けないやら。でもそれだけじゃなく、エロゲの差入れもあったりする辺りやっぱり桐乃(笑)。でも、エロゲの趣味は御鏡と共通?

 で、麻奈実の発案で『きょうちゃんお引っ越しおめでとう会』が開催されることになります。
 その顔触れがまた。
 桐乃、麻奈実、あやせ、黒猫、加奈子、沙織という、一体なんなのかこの世界(笑)? その過程やその場で、様々な人間模様が。麻奈実の影響力がかいま見えるとか、色んな人が京介のお世話をしたがって険悪になるとか。
 そんな中で、桐乃が京介の世話係に任命したのが、なんということかあやせでした。

 ところで、それとは別に、ネット上にあやせのファンサイトがあることが明らかになります。愛に溢れていますが、かなりストーカー的です。
 しかし、そのファンが、京介の家に通うようになったあやせに気づかないわけがありません。

 そして、よりにもよって京介の模試の日、二人の前にそのファンが姿を現します。
 それは、桐乃の趣味に気づいてショックを受けた頃のあやせのようでした。

 結局、またも京介がお節介を焼き、事態は収拾へ。多分、それが駄目押しになり、最後のシーンであやせは……(笑)。

 京介というのは、まあそのやり方の突飛さはともかく、「お節介」を焼くに当たり、物事や相手の心の本質を掴んで理解している、そういうところがありますよね。

 ちなみに、今回の模試について、京介と桐乃は、まあどこまで本気かはともかく賭けをしています。A判定が取れない、つまり桐乃が勝ったら、京介は一生桐乃のドレイ。京介が勝ったら、

「頑張ってA判定取ったら、ご褒美あげるよ」
「……ご褒美だと?」
「そう、ご褒美」
 やべえ……嫌な予感しかしない。
「一応聞こうか。A判定取ったら……何をくれるってんだ?」

「あたしが、一個だけ、言うこと聞いてあげる」

だそうで。なんか京介はその直後に、「なんでも一個」と勝手に脳内でなんか付け加えてますが(笑)。

 さて。
 私は、このシリーズ一応最初から読んでます。まあ、それなりに時間が経っているので憶えてないことも結構多いですが。
 それを差し引いても、やっぱりいつも思うことがあります。それは、
桐乃が物凄く謎
ということです。
 何を「思って」いるのか。それは大体わかります。しかし、何を「考えて」いるのかがわからない。

 それは、キャラがブレるとかそういう意味ではありません。恐らく、そこにはとても首尾一貫した何かがあるんでしょう。しかし、それが掴めない。
 この手の作品で、こんなにわからないヒロインは珍しいと私は思います。
 でまた、同じこの作品の登場人物でも、他のキャラはそこまでわからなくはない。それでその理由をちょっと考えてみたのですが、それは多分、巧妙な描写の仕方によるものだろうと思うのです。

 例えば、桐乃が京介のことをどのように思っているのか。そうである理由を思わせる過去のエピソードの存在が示されたりします。しかし、ではそれが一体どんなものだったのか、それは語られない。
 いつも、理由の存在はほのめかされますが、殆んどの場合、その先は謎のままです。だから、桐乃の行動理念というか行動原理というか、それはわからなくもないのですが、確信が持てないし、思考を辿るにはその論理の出発点が不明なままです。
 つまり、桐乃に迫るための様々なとっかかりを見せつつ、しかし謎解きがない。
 しかも、そんな桐乃は頭がキレる人物で、その上発想の枠が限定的でないためにかなりエキセントリックなことを考えたりします。

 先日、『まよチキ!』の感想を書いたときに指摘したこととして、『まよチキ!』では主要なヒロインを三人にほぼ絞り、それ以上の拡散を抑制しているように思える、というのがあります。
 対するこの『俺妹』は、今回明らかになった限りでも、麻奈実、黒猫、あやせ、沙織、加奈子と、桐乃の他にも際限なく増えて行くのかと思えるような状況です。
 しかし、その中で桐乃は、その謎も含めて、一段違うところに立っているように思えます。
 『まよチキ!』が三つの中心点を有機的かつ緊密に配置しているのに対し、『俺妹』では桐乃が、際限なく拡散していくように見える他のヒロインたちとは別のレイヤーにいる、というそんな感じですね。
 で、その構造を支えているのが、桐乃の謎だと思うのです。

 こう言ってわかる人は少ないと思いますが、『次元の本』で言うところの核と質料性みたいな感じかも知れません。ここでは桐乃と読者である私の関係のことですが。

 今回の話で言えば、桐乃の「ご褒美」が一体どうなるのか、いや、どうなることを想定しているのか。そこが興味の焦点となりますね、個人的には。
 それと、京介の世話役にあやせを推したとき、あやせのことをどのくらいわかっていたのか、とか。

 10巻を読んだばかりなのに、11巻がとても待ち遠しいです。

P.S.1
 結局、最初に思った疑問、つまり妹とのあれこれと成績は関係ないよね、という疑問を持ったのは正しい感覚でした。
 恐るべし、母親(笑)。

P.S.2
 御鏡君のパソコンで一つとても共感できるところが。
 彼、トラックボール使ってるんですね。

tag : 電撃文庫 伏見つかさ

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まとめteみた.【『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』10巻の感想と桐乃について】

一巻を読んだときには、こんなに長いシリーズになるとは思いませんでしたが。俺の妹がこんなに可愛いわ猫に続いてなんととんでもないフラグを……!今回の話では、桐乃と妙に仲が良くなったことで両親にあらぬ疑いをかけられた京介が、二ヶ月という期間限定で一人暮らしを...

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