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ラノベ: 『あそびにいくヨ! 15 あねうえとにかくけっこんしやう!』

 14巻のレビューをしたのが一昨年の9月。随分間が空きましたね。
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(2012/03/22)
神野オキナ

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 なんか、番外編も現時点で二冊ほど出ているようですが。

 前回の14巻までまとめてのレビューで、結局13巻まではアオイがメインヒロインじゃないか、と書きました。
 そこでは、テーマをテーマにして(笑)この作品を三つの構成要素からなるとみたわけですが、今回はちょっと違う分け方をしてみます。
 この作品は、キャーティアをはじめとする異星人が多数地球に訪れたことによる文明間の交流の社会的な話と、騎央を中心とする主に恋愛がらみの話の二層構造になっています。

 後者については、当初エリスをメインヒロインとした関係が構築されるものと思っていたのですが、前述のように焦点が当てられたのはアオイでした。そして、14巻からは真奈美に移っている感じです。
 エリスはと言えば、なんか世相か時代背景みたいな、相撲で言えば土俵みたいな、ちょっと違う位置に立っているような感じがします。
 それは、キャーティアの文明、というよりも文化が進んでいるからなのか、それともキャーティアという種族がそういう特性をもっているのか、エリスの包容力と言うか受容力と言うか、なんかものの考え方がちょっと違うことから導かれている状況でしょう。
 ……どうでもいいですけど、どうして私はよりによって相撲に喩えたのでしょう(笑)?

 そのアオイも、13巻辺りで不安定だったところがだいぶ改善し、落ち着いてきました。
 で、やっぱりエリスではなく、今度は真奈美に焦点が当てられたかな、と14巻の感想で書きました。

 15巻はと言えば、アオイのところにいきなりガーヴル人(異星人)である妹のサヲリが訪れ、結婚を迫るという出来事から始まります。それで、つい本気で逃げてしまったアオイを追うサヲリと、それに偶然にも絡んでしまったキャーティアのチャイカの子供達が物語の中心にいます。
 しかし今回、それは局所的な出来事ではありますが、上記の二層で言えば社会やなんかの方に入る感じですね。まあ、絡んでいる人物の立場が立場なんで、表立ってはいなくても結構多方面に影響が出ていたわけですし。

 その出来事に関して言えば、いつの間にか「家族」なんてものを随分ちゃんと考えるようになっていたアオイ、彼女が最終的には対応します。
 サヲリが何を考えて「姉」と「結婚」なんかしようと考えたかというと、両親の関係がどうもうまく行っていないように感じていたからです。だから、自分とアオイの間に子供を作れば、つまり孫ができれば解決するのではないか、と考えた。
 そこでエリスが本質的な問題点を指摘し、アオイがきちんと応えるのです。

「どうして妹なのに姉を頼ってくれないの?」

と。変われば変わるものですね。

 ここのところで、エリスが口を出したことに、「珍しくエリスが苦言を呈した」という表現がなされています。
 こういった家族の問題。エリスは、昔からちょっと寂しい思いをしていたのですが、それがここでそのような形になって表れたのでしょうか?
 今回の話では、真奈美が上記の二層構造のうち身近な部分に立っています。アオイとサヲリの騒動の陰で、真奈美がエリスのことで悩んでいるのです。

 エリスは、あと一年ほどで宇宙に帰ってしまう。そのことを、真奈美はエリスから聞いていたからです。

 エリスは結構ドライなのだろうか。いやそうではないはずだ。ならば何故、真奈美にだけそのことを告げたのか? 真奈美は考えます。

 だとしたら、何がそうさせているのか。
 自分はそれをくみ取って、行動すべきではないか。

 なにしろ、あと「たった」一年と少ししかない。


 騒動が収まって落ち着いたとき、真奈美は騎央に、口外するなと言われていたそのことを告げます。そこでの騎央の反応が、真奈美には予想外でした。
 騎央は、エリスが寂しがり屋であることを指摘し、その上でこう言います。

「だから、真奈美ちゃんに伝えるのが精一杯だったんだと思う。悲しいことを自分の口から言えないんだ、意外と」
 少年は少し肩を落とし、それからまた背筋を伸ばした。
「…………でも、これってエリスが初めて、僕たちを頼りにしてくれた、ってことになると思うんだ」

 真奈美が「たった」と思ったその時間のことを、騎央は「今日明日の話じゃ無い」と受け止めます。そして、自分達が泣いて引き留めることが一番エリスにとって辛いことだろうと。
 この辺りは、恐らく真奈美にとっては、衝撃的だったのではないでしょうか。その証拠に、騎央の言ったことにちゃんと答えを返せたようには見えません。
 そして、その場で騎央が示した方針、どうするのかまではすぐには決まらなくとも即座に決めた指針に、真奈美は呆然と立ち尽くすのみだったのです。

「とにかく、僕らがやるべきことは『今を楽しむ』ことだから」


 アオイを中心とした展開とは対照的に、真奈美の話は、騎央に「置いていかれる」衝撃、薄々思ってはいても多分そんなに切実でなかった立ち位置の逆転に驚愕し、狼狽えるところから始まる、といったところでしょう。

tag : MF文庫J 神野オキナ

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まとめteみた.【『あそびにいくヨ! 15 あねうえとにかくけっこんしやう!』】

14巻のレビューをしたのが一昨年の9月。随分間が空きましたね。あそびにいくヨ!15(MF文庫J)(2012/03/22)神野オキナ商品詳細を見るなんか、番外編も現時点で二冊ほど出ているようですが。前回の14巻までまとめてのレビューで、結局13巻まではアオイがメインヒロインじゃな...

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