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ラノベ: 『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 5』 - 波乱の予感

 前巻の最後にいきなり秋人の婚約者が登場した割に、なんか思ったよりも騒ぎが大きくならなかった第5巻。
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 5 (MF文庫J)お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 5 (MF文庫J)
(2012/02/23)
鈴木大輔

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 勿論、それなりに騒ぎにはなります。なんせ、単なる婚約者じゃなく、既に学問で世界的に認められている才女であり、管理人などになるというくらいなので家事全般こなし、鷹ノ宮ありさという名の通り良家のお嬢様で、長らく鷹ノ宮で一緒に暮していたというアドバンテージもあるという、なんかこう書き連ねてみるととんでもないバケモノキャラです。まあ、まだ12歳ですけど。
 ……いや、それこそが最も強烈な力なのかも知れません。結局のところ、抵抗のあった寮の住人達もそれで懐柔されるわけですから。

 もうなんつーか、可愛いは兵器。みんなに紹介するときに秋人に頭を撫でられて「……えへ」とか、秋人にとってどんだけ大事な人かを色々語った挙げ句「妹、みたいな感じかな?」と落とされたときのショックを受けた様子とか、このキャラは反則です。
 あの秋子でさえ、「この子の可愛さを何とかしてください!」と訴える始末。
 一部では、『鷹ノ宮の最終兵器』と呼ばれているとか。

 さて、こんな作品なんで、どんなにカンペキに見えるヒロインでも油断はできません。きっとどっかにアラがある筈。
 例えば、秋子が秋人を愛していると知ったとき。

「血のつながっている人を好きになるのは、いけないこと、ですよ……?」

などとコメントし、秋子が白旗をあげたりしますが、これは実は、可愛さを装った上で正論をぶつける巧妙な戦略なのでは?
 違います。天然なのです。ほんとに真面目にそう思っただけなのです。

 で、結局広がった波紋はそれほどのものでもなく、話は次の段階へ移行します。
 『おにあい』の第5巻は、新しく管理人になったありさに寮生のことを教えるために、実は自身もあまり彼女達のことをよく知らない秋人が調査する、という構成になっています。

 まずは、秋子です。
 秋子が数人の生徒たちと一緒に歩いていくのを見た秋人は、それを追って様子を見ます。と、どうやら、文化祭で制作する映画に出ることになっているらしい。
 普段の秋人には見せることのない、『ザ・お嬢さま』な秋子に新鮮な驚きを感じていた秋人ですが、秋子に見つかってしまい、そのまま秋子は「いつもの」秋子になってしまいます。
 報告を受けたありさの反応。
 そのときのスタッフたちの反応を聞いたありさにこれといった反応はなかったと答えた秋人。ありさは、その辺りに秋人のシスコンぶりを感じ取ります。
 なんか、こう言ったところに、ありさの本心がちらちらと見えてくるわけです。つまり、本作のヒロインの一人でありながら、実に無謬ぶりが際立つ、秋人に対する素直な好意とか。

 と言った感じで、次は生徒会長の嵐。
 なんと、嵐と理事たちとの会食に同伴させられることになるのです。
 そこで学園理事に対する影響力を見せ付けられる秋人ですが、何だかんだ言って自身もそれなりのところを見せます。
 で、会食の後はというと、嵐は何やら理事長(女性)とどっかへ……(笑)。
 それを聞いたありさは、自分もそんな風になりたいとコメント。
 ……なるんでしょうか……?

 続いて銀兵衛。
 銀はと言えば、なんか敷地の片隅の茂みに赴いて、一体何をするかと思えば、そこで子猫といちゃついていました。なんか「んにゃにゃにゃん」とかコミュニケーションを(笑)。
 それを覗いていたことがばれたときの秋人の強引な誤魔化しようが実に笑えます。いきなり怒鳴りつけるとか、かと思えばうって変わって派手に賞賛し、「親友」と連呼して、覗いていたことに対する突っ込みを回避します。
 で、ありさはそれを聞いて、銀が以外に親しみやすい人に見えてきたのでした。

 最後はアナスタシア。
 クラスメイトからの昼食の誘いを断れなかった彼女を見に行ってみると、取り巻きたちの崇拝に困りつつも強く出られない様子。
 思い余ってつい助け船を出してしまった秋人ですが……。
 その様子と、アナスタシアの気持ちに全然気づかない秋人。それをちゃんと理解しているありさですが、ついわからない振りをしてしまいます。

 ここまで色々あったのに、結局ありさは、実に素直で、ちょっと秋人に対する想いが強すぎるようなところはあってもあくまでいい子です。
 本当に隙のない、とんでもないヒロインが登場したものです。

 この後、ありさが寮の周りで不審人物を見掛け、ちょっと秋人が、怪異の方面で悪のりしたら結局みんなが怖がってしまって、夜中に全員で街に出てパトロール。
 本来すべきことの遂行はともかく、結局楽しいひとときを過ごしたみんなが寮に戻ってみると、そこで怪しいものを見るんですが、実はそれは猫でした。ほっと一息。
 と思ったところで秋人が、どうしても幽霊にしか見えないものを見てしまい、一人で寝られなくなったみんなが秋人の部屋に転がり込んできます。

 で、朝。
 ついに、全き無謬のヒロインであるかのように見えたありさに、アラが見えました。
 彼女には、実は、実に困った癖があったのでした。
 ありさは、とても寝相が悪かったのです。だから、朝になってみたら、秋人は、人肌のぬくもりと共に目覚めることになります。

 人肌

 ありさの欠点というのは、その寝方にあったわけですが、問題なのは寝相よりもむしろ、寝ている間に服を脱ぎ散らかしてしまうという恐るべき癖です。
 勿論、こういう状況ですから、みんなもすぐに目覚めます。
 そこには、全裸のありさにしがみつかれた秋人がいるわけです。

 前巻の最後の衝撃は大した波乱を呼ばなかったわけですが、予測された波乱は、これから訪れるようです。

 ……ところで、ありさの癖は本当に欠点なんでしょうか(笑)?

tag : MF文庫J 鈴木大輔

コメント

非公開コメント

No title

しばらく積んでた『おにあい』ですが、この1週間でだいぶ読み進めました。
いまは4巻の前半くらいまでですが、とにかくもう秋子が可愛くて可愛くてしょーがないっす(=゜ω゜=;)

他のヒロインからイヂられて涙目になってるとこなんか、それを「可愛い」と言う秋人の気持ちがよくわかりますね!

っていうか兄の秋人もなかなかいいキャラしてますよね。秋子が泣きそうになってるのを見て「可愛い」「眼福」と言ってみたり(笑)どSでシスコンとはおいしいキャラですなぁ(笑)
かと思えば“秋子を守る”という約束を守るために自分から秋子と距離を置いてみたり。“自分の存在こそが秋子にとって危険になりかねない”と自覚してるだなんて……。
僕はあそこでは秋子と一緒にいることを選ぶんじゃないかと思っていたので、予想を裏切られましたねー。

……そういえば秋子の眼鏡っ娘設定ってどこ行ったんでしょうか?

Re: No title

> イヂられて
秋子は、圧倒的にいじられキャラですよね。

> 兄の秋人もなかなかいいキャラして
対して、秋人ってのは何と言うか、実につかみづらいキャラですよね。
物事が見えてるような見えてないような、大人しいような激しいような、ホントは誰のことをどう思っているのか。
まあ、ああいう小説を書く人だってことで。

> 予想を裏切られましたねー。
色んな意味で、行動の予測ができない感じだと思います。主人公なのに。

> ……そういえば秋子の眼鏡っ娘設定ってどこ行ったんでしょうか?
それはきっと忘れられて……じゃなく、まあ秋人と再会したせいで地が出てキャラが変わってしまったんでしょう。
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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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