FC2ブログ

ラノベ: 『あやかしマニアックス!2』感想(ネタバレ)

 一巻の感想でも宣言しましたが、今回もやはり最初に言っておきます。
 ネタバレしますので!
あやかしマニアックス! 2 (GA文庫)あやかしマニアックス! 2 (GA文庫)
(2012/01/16)
夏希のたね

商品詳細を見る

 このブログでは先頭でネタバレしますと宣言しているわけですが(あ、モバイル版ではやってないですね)、このヒトの作品ではやはり強調しておくべきでしょう。
 一巻でもそうでしたが、本作は、色々絶妙なんですよね。随所に伏線っぽいのが鏤められている。しかも、以前言ったことがあるように、一つのイベントに複数の意味があったりする。しかし、じゃあ込み入ったややこしい話かというとそんなことはなくて、ストーリーはシンプルでわかりやすい。伏線は見えるけど(見えるのを伏線と言うのかという問題はさておき)、それでもこの点はどうなのかという楽しみが残されている。
 そして最後に、それらを超えたその先に盛大なオチがやってくる。
 この超絶技巧的なバランス感覚は、中々見られないものであると言えましょう。

 さて、話は平和な日常から始まります。
 相変わらずどっか可笑しい(変態という意味と笑えるという意味と(笑))人達のオンパレード。
 朝から迫ってくる妹の亜璃沙。血の繋がった肉親だからと和樹が諭すと、

「……あんまり、兄妹だって言わないで」
「ごめん……」
「……そんなに言われると──興奮する」
「変態だぁぁぁ───っ!!」

 また、穿いている下着を奪っていく!という妖怪をつかまえようと囮作戦を検討すると、囮になるのを拒否するヒカリと、あと亜璃沙。

「……お兄ちゃん以外に、あげるパンツなんてない」
「いや、僕はいらないからね」
「……つまり、パンツよりニーソの方が欲しいと?」
「だ、誰もそんなことは言ってないでしょ!」
 僅かに声を詰まらせた辺りに、少年の性癖が見て取れた。

 主人公も例に漏れず(笑)。
 しかたなく和樹が女装して囮になれば、たまたま被害者が知り合い(クラスメート)で。

「ありがとう、良い女装姿[もの]を見せてくれて!」
「そっち!?」
「お礼に今度の夏は、女装した影森君がクラスの男子に○○○される本を描くから!」
「嫌がらせだ! ちょっと待って、そこの腐女子っ!!」

 そして妖怪(鎌鼬三匹組)の下着強奪技が通じなかった亜璃沙の策。

「まさか」「俺達の技が失敗でないとすれば」「それしか考えられないっ!」

 勿論、正解はアレです。○ー○゜○(笑)。
 この妖怪、下着を盗んでいく代り、高級な(ここでは三万円以上という数字が)下着を進呈しているのですが、こんな日常(笑)に、既に伏線が。

 で、ここでメインの話が始まります。そこに、ヒカリの中学生時代の友達の小杜子が登場。ヒカリのところに、はるばる遊びにやってきた……んですが、実は問題も抱えていました。
 学校の裏にある森で天狗の男の子が怪我をしていたのを手当てしたところ、その天狗がストーカーと化してしまって困っていたのです。視線は感じるしものがなくなったりと色々あったのですが、「隠れ蓑」を使っているらしく気配がないため、周囲の人(先生とか)が取り合ってくれない。
 というわけで、和樹、ヒカリ、亜璃沙の三人が助けてあげようとすることに。

 その過程で、当然のことながら、和樹と小杜子は接近することになるわけです。周囲を見張ったりしなければいけないし、二人が親しくすれば焦った天狗が姿を現すのではないかとデートのふりをしたり。
 ここで、沢山の伏線が。
 例えば、和樹と小杜子がくっついたらどうするのかと焦るヒカリに対し、亜璃沙は小杜子を、敵じゃないと言ったり。犯人に嫉妬させようとデートを企画したときも、ヒカリが男装すればという話に小杜子が食い付いてきたし。和樹とヒカリは結婚できないだろうという家庭の事情を話せば、小杜子は自分にもチャンスがあると言うし。
 小杜子がヒカリを意識していることは明々白々です。
 ちなみに、ここで、冒頭に出てきた鎌鼬の件が絡んできます。鎌鼬からもらった下着についてヒカリが話し始めると、小杜子が話を逸らすのです。

 ここまでの情報から想像するに、小杜子がヒカリを意識しているのは間違いないので、この作品のキャラ的には男の娘とか百合とかかな? と推察できたり。
 その解答が得られたと思えたのが、天狗が弄した小細工より。
 知り合いの妖怪に頼んで、和樹達に絡んでもらうのです。そして、それを天狗が倒せば小杜子が振り向いてくれるだろう、と。
 その知り合いの妖怪というのがガチホモ!(笑)で、和樹を狙ってくる(笑)わけです。それに対する小杜子の反応。

「あんたみたいな強姦魔がおるから、同性愛者の肩身が狭くなるんや!」

 この台詞で、ああ、百合の方かぁ、と判断できるわけです。

 というわけで、最終的に色々解決したあと、このことが明かされることとなり、小杜子も全部ぶちまけます。

 伏線は全部回収されたように思えたわけですが、ここで、冒頭に書いた「その先」が見えてくるのです。
 この、小杜子というずっと被害者の立場だった恋する少女が、実はとんでもない変態で、ヒカリに対する欲望の激しさと言ったら(笑)! 例の鎌鼬からもらった下着は小杜子がくすねていたし。
 高校も一緒だったら間違いなくヒカリの貞操は……(笑)。
 一見殊勝なようですけど、

「小杜子、私は──」
「ええよ、それが普通や。ヒカリちゃんは悪くない」
 弁解しようとしたヒカリの言葉を、小杜子は寂しげな微笑で遮る。
 そうして、気まずげに黙った元親友に──ハートマークの浮かんだ瞳で叫んだ。
「せやから、親友やなくて恋人になって! いや、セフレでもかまわんから!」
「そっちの方が嫌に決まってるでしょうがっ!」

 なんていう変態ぶりだけなら良かったのですが(いやヒカリはそういうわけにいかないでしょうが)……。

 この後はもう、ヤンデレとしか言いようのない小杜子の正体が(笑)。
 天狗の男の子、女性不信にならなければいいんですけど(笑)。というか、作中にもありますが、あの知り合いの妖怪がガチホモだったことにもちゃんと意味があるのでわ……(笑)? なんせ、こんだけスキのない文章を書くヒトなので。
 その点は、鏤められた笑いの中にちらちらと見える真っ当な話。例えば、和樹とヒカリの過去のいきさつとか。和樹がしょっちゅうヒカリを怒らせていることの隠された意味とか。

 変態ばかり登場するこの物語の、続きがとても楽しみです。

tag : GA文庫 夏希のたね

コメント

非公開コメント

No title

僕も休日を使って読みました!
とにかくもう亜璃紗が可愛くてッ!あとメリーさんはやっぱりおいしいキャラしてる(笑)

ただ、1巻のラストで和樹が妹の亜璃紗から愛の告白をされて「嬉しかった」とか「女の子としてしか見られなかった」と言っていたので、2巻で2人がどういう関係になっていくのか期待していたんですけど、思っていた以上に和樹がしっかりと「お兄ちゃん」になってしまっていたのがちょっと残念でしたね(笑)
もっとこう、兄妹なんだけど女の子として意識してしまって懊悩したりとか、妹に見惚れてしまったりするシーンがあったらもっと良かったかな、と。妹ヒロイン萌えの人間としてッ!(笑)

ま、今回はヒカリにスポットライトが当たるエピソードだったので、亜璃紗の出番が抑え目だったのはしょうがないかな、と。
次こそはもっと亜璃紗とイチャイチャして欲しいものですねッ!!

Re: No title

> メリーさんはやっぱりおいしい
そりゃまあ、メインヒロインだそうですし(笑)。

> 和樹がしっかりと「お兄ちゃん」に
ちょっと客観的な見方をしてみると、和樹がそういうキャラであればあるほど不幸であり彼らしいわけで(笑)。
加えて、亜璃紗自身もその方が燃える(んだか萌えるんだか(笑))のではないでしょうかね。

> 亜璃紗とイチャイチャ
実際そうなるかはともかくとして、今回ヒカリの過去が色々描かれたので、次は亜璃紗の過去が色々明かされるのではないか、というかそうして欲しいな、と思います。父親の件に触れられていたのは、それを暗示している気もしますし。
プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
アクセス解析中