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独り言: TPP騒動とは何なのか

 これまでに何度かTPPについてここで書きましたが、日本国内でのTPP周辺は、論議とか論争ではなく「騒動」という印象です。
 何がその原因かと考えてみるに、そもそもそれが一体何なのかというのが各人の間で全く統一されていないからではないでしょうか。

 賛成している人は、あれは要するに自由貿易協定だと言います。反対している人は、TPPで直接的に被害がありそうな人以外は、多くが貿易以外のことを論じようとしています。
 私がよく見るところでは、ここでも度々取り上げた日経ビジネスオンラインが典型的です。何故なら、日経は強硬なTPP推進派であり、なおかつ記事には読者がコメントを付けることができるからです。

 そこで最もよく見られるのが、日経側が「TPP亡国論のウソ」という特集を組んでシリーズで記事を書いているのですが、多くが農業関連であり、その度に読者は農業以外を取り上げよと要求する、そのパターンです。
 でも実際のところ、日経の推進は最早「ごり押し」状態で、例えば、アメリカは日本のTPP参加に肯定的でないと賛成論者が述べれば、日経によれば、反対派の米国陰謀論ではアメリカは日本のTPP参加に肯定的でないとしているとか。TPPではアメリカは保険や郵便貯金の問題は出してこないと言いつつも、アメリカが関心を持つ分野として牛肉、郵政、自動車を挙げていたり(日本経済新聞 2011年11月19日第二面「TPP交渉 対米布陣」より)。
 ちなみに、それらの記事の突込みどころに対して妙にコメントが少ないのは、何やら編集部により排除された気配が。そう述べる根拠は内緒にしますが(笑)。

 結局、経済を論じる賛成論者と、国体を論じる反対論者。噛み合わないのも当然と言えます。

 以前、ユーロとTPPの類似点について述べたことがありました。
 そのときとはちょっと違う意味で最近、やはりユーロとTPPは似ている、と思うようになりました。
 最初のTPPのままならよかったのですが、アメリカが参加してからのTPPは、ちょっと各国の独自の政策の自由度を奪いすぎると思います。ユーロが通貨を共通化しつつも、結局ユーロ圏が一つの国になったわけでもなく、結果、為替市場による調整が働かなくなり、各国が通貨を自由に発行できるわけでもなく、まあ事情は他にも色々あるでしょうけど、あの始末です。
 TPPも、モノの貿易の自由化に留まらず、金融、サービス、知財、人の移動の自由化など様々な領域にわたっており、異なる憲法や文化を持つ国々のままではやがて破綻するのでは、という予感がします。

 その条件については、アメリカも同じはずなのですが、条件が対等になり得るとすればそれはまさに先日引用した通り、日本政府が「参加各国に負けないくらい「主張し交渉する力」を発揮できるという前提での話」であり、しかし残念ながら、日本国民は、日本政府の「主張し交渉する力」を全くもってこれっぽっちも信じていないのです。
 自由貿易については賛成でも、政府による情報公開は不充分であるという声が世論調査でも多いし、野田総理のアメリカとの首脳会談での発言についても不透明感がばっちり。
 以前にも述べたように、まあ何に関しても極論する人もいますが基本的には、反対論者も「TPPはアメリカの陰謀だ」などとは思っていないと思います。アメリカはいつもの通りのことをしているだけで、だとするとやはりいつものように、日本はアメリカに押し切られるのではないか、結局色々押付けられるだけで終わるのではないか、歴史が証明しているように、という懸念が本当のところでしょう。

 日本対アメリカではなく、日本国民対日本政府、これが本当の対立構造なのではないか、と思います。
 TPP絡みでは、最終的に日本だけが損をして、TPPを反面教師に別の「普通の自由貿易協定」を結んだ国々が栄えるのではないか、そんな気もしてきます。

 ただ、中には面白いことを言う人もいますね。
 大体において、アメリカが日本に色々ごり押ししてくるのは、アメリカが弱っているときである。そして、極限までなぶられた日本が窮鼠となり、アメリカという猫を噛んで、結局アメリカが自滅するのではないか。
 とか。
 まあ、そうなったらそれはそれで面白いとも言えますが、どうでしょうねぇ。あまり期待できないかな、と思うのですが、どうでしょう?

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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