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創作観: 日本の電子書籍で腑に落ちたこと

 ITmediaに、こんな記事がありました。
2次創作がコンテンツの寿命を延ばす──角川会長と川上会長が話す、ネット時代の電子書籍

 出版社の中では比較的ユーザによるコンテンツ活用に寛容であると言われることのある角川と、ニコ動のドワンゴの間でのあれこれですね。
 ドワンゴの川上会長の発言に、こんなのがありました。

 「コンテンツは引用されればされるほど新しい情報になる。コンテンツ自体は1年前かもしれないが、その引用は昨日されたものだったりする。初音ミク関連コンテンツの投稿は終わる気配がないが、それは2次創作が拡散しているから。ネットの普及でコンテンツの寿命は短くなってきているが、唯一、それを長く伸ばしているのは2次創作だ。(略)


 それに応じる感じで、角川会長はこう言っています。

「作家の作品を改変してはいけないという考え方は人類の歴史でここ100年くらい。それ以前、例えば口承の物語はその場で取り入れて変化していくものだった」(略)「グーテンベルクの活版印刷技術を経て生まれたものがコピーする権利(copyright)である著作権で、そこを触ってはいけないと言われるようになったのがここ100年だが、もう1回触れるようにしてもいいのでは。作家のクリエイティブ性を落とすものではないと思う」


 ちなみに、初音ミクに関して、日経BPオンラインにこんなのがありました。
ボーカロイドビジネスの特徴

初音ミクというキャラクターには「原作者」に当たる人がいないんです。初音ミクの魅力を高め、このムーブメントを作り上げたのは、世の中にいる膨大なユーザーたちの総力だからです。

 言い換えるならば、数万人ものユーザー全員が「初音ミクの原作者」として位置付けられている、と考えることもできるでしょう。これが、初音ミクのムーブメントの最大の特徴です。

 通常のビジネスでは、企業は生産者です。企業が商品を作り、ユーザーが消費者となっています。企業が優れた商品を作れば、それがユーザーに愛され、ムーブメントが起きていく、という仕組みになっている。

 しかし、初音ミクというムーブメントの中では、そんな常識が通用しません。ユーザー自身がコンテンツを作っているからです。ユーザー自信が生産者になり、それが他のユーザーたちに受け入れて楽しむ、という連環が確立しているのですね。このため、今までのようなやり方で、企業が「生産者」としてムーブメントに加わろうとしても、加わる余地が、ほとんど残されていないのです。

 これが、昨今のネットで猛威をふるう「UGC」の力です。

 UGCとは「ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ」の略称。「消費者(ユーザー)が製作(ジェネレイト)した作品(コンテンツ)」という意味です。プロが作ったものではなく、消費者が作り上げた作品を指します。

 User Generated Characterでもあるなぁ、とかいう思い付きもありましたが、それはおいといて。
 もしかするとUGCは、上記の角川-川上論議を聞いてみると、原点回帰なのかも知れないな、とかも思いました。
 ただ、その拡がりが過去と比べて圧倒的に大きいだろう、という感じはありますが。逆に、時間レンジはまだまだでしょうけど、それはこれからでしょう。これからがあれば、ですが。

 ところで、このITmediaの記事でもう一つ思ったことがあります。
 ここのところで。

 角川会長は、電子書籍のメインは「スマートパッドだと思う」とタブレット型端末に期待。「Kindle Fireではないと電子書籍時代は来ないのではないかと思っている」とした。


 Amazonはハード屋さんじゃないので、Kindleにはハードしばりがありません。つまり、Amazonの電子書籍は、勿論Kindleという「端末」でも読めますが、同様にソフトもあって、他の端末(PC含む)でも読むことができます。しかも、様々な情報(どこまで読んだか、とか)を継続して。最近のレビューではこの辺りが参考になるかも。
日本の電子書籍の来るべき未来、AmazonのKindle戦略を徹底解説
 逆に言うと、以前「こりゃダメだ」と見放したSHARPのGALAPAGOSはまさにこの反対でした。
 そういう「端末しばり」「ハードしばり」の電子書籍は、結局のところ、製紙業界が支配する出版構造となんら変わらない、紙屋さんが電気屋さんになっただけ、ということなのではないでしょうか。
 つまり、従来から何も進化していない。進歩、くらいはあるかも知れませんが。

 ちなみに、テレビの録画なんかもそうらしいですね。外付けハードディスクに録ったものでも、そのテレビでないと見られないとか?
 結局、今、DVDなどの映像メディアが売れないのは、メディアが変わる度に継続性が失われる事態に呆れ返ってしまったという層が増えたから、というのもあるのではないでしょうか。
 あとは、ケータイで機種変すると継続できないコンテンツとか。

 電子化、デジタル化で不自由になったコンテンツを復活させることができるのか。
 その辺りが見所、という感じです。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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