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ラノベ: 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』vol.9 感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9 (電撃文庫 ふ 8-14)俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9 (電撃文庫 ふ 8-14)
(2011/09/10)
伏見 つかさ

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 このシリーズ、基本的には主人公の京介の一人称で語られてきました。
 ですが、それで描写しきれないことも多々あるわけで。というか、そういうところにこそ面白いことが隠されていたりするわけで。
 例えば、一人称の主人公と他のキャラの考えていることが丸っきりすれ違っていたり。
 私が初めてその面白さに目覚めたのは、この作品でした。
多恵子ガール (集英社文庫―コバルト・シリーズ)多恵子ガール (集英社文庫―コバルト・シリーズ)
(1985/01/10)
氷室 冴子

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 これは、↓こちらの作品と対になるものです。
なぎさボーイ (集英社文庫―コバルト・シリーズ)なぎさボーイ (集英社文庫―コバルト・シリーズ)
(1984/09/10)
氷室 冴子

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 なぎさ君を主人公とした『なぎさボーイ』。それを読んだ後に続編の『多恵子ガール』を読むと、二人の考えていることの食い違いがとても明瞭に見えます。
 興味深いのは、単に考えていることが違うだけでなく、片方の作品で何でもないシーンが、他方ではとんでもなく重要なシーンで、なぎさが何とも思ってないイベントで多恵子が心中テンパってたり。そんなこともあって、作者さんの筆力に感服したものです。

 閑話休題。
 なんか思い出話をしてしまいましたが、この俺妹の9巻は、京介以外のキャラの視点から描かれた短編を7つ集めたものです。その中から、印象に残ったシーンをちゃらちゃらっと。

 黒猫の妹の内、上の方である日向視点の話では、妹から見た黒猫や京介、桐乃が描かれます。
 タイトルである「あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使」というのが、作品を的確に表していますね。
 痛い子としか言い様のない姉を、溢れる愛で見つめる、実は結構常識人の日向。黒猫が桐乃を日向に、「私の親友よ」と紹介したときには、心の底から祝福している様子でした。
 ですが、最後に桐乃の「野獣化[ビーストモード]」の餌食になってしまいますが(笑)。

 桐乃が京介について、最近わかりかけてきたこと。それを、黒猫にも伝えるシーンがあります。

「……あんたさ。好きな人の顔、頭に思い浮かべてみ」
「…………」
 黒猫が目をつむってから十秒後、あたしは言いきった。
そんな人はいないよ

 何かというと、「あたしの兄貴は、無敵のスーパーヒーローなんかじゃない」ということです。
 それをきちんと理解してこそ、先に進めるというものですね。

 瀬菜の兄の浩平は、どっちの妹が可愛いかで京介と言い争いをします。
 お宝写真の見せ合いでの、京介の名言。

「瀬菜をバカにしてるわけじゃないぜ。そうじゃなくて──おまえが出してくる写真には一貫して足りないものがあるのさ」
「た、足りないもの……? なんだよ、それ」
おまえだよ
「……ッ!?」
 高坂に真っ直ぐ指差され、俺は雷に打たれたかのように硬直してしまう。
「おまえが出してくる妹の写真には、おまえが映っていない。妹ってのはな、兄貴と一緒にいるときにこそ、最高の魅力を発揮するんだよ! 妹とのツーショット写真なくして、世界一の可愛さなど表現できはしない……!」

 そして京介が出したミラクルカードが、桐乃とのツーショットプリクラだったのでした。
 というか、しっかりそんなもの携帯に貼っているとか、こんな本質を突いた発言をするとか、いつから京介はこんなになってしまったんでしょう(笑)?
 ちなみに、ここのちょっと前で麻奈実が登場するんですが、どっちの勝ちだと思うか聞いたら……。

「どっちも気持ち悪いと思うよ~。あ、わたし先に行くね?」

だって(笑)。麻奈実さん、前回の宣言から勝負に参加してきてますね。それも結構コワい。ラスボスって感じ?

 桐乃と瀬菜という組み合わせもありました。二人で池袋の「乙女ロード」に行く話です。
 あの辺り、昔私もよく足を運びました。漫画の森とかアニメイトに行くために。まさか、あのような異空間になるとはその頃は思ってもみませんでした(笑)。
 さて、恋バナを振ったらお兄ちゃんの話を始める瀬菜に驚愕の桐乃ですが、二人、兄たちのように競争を始めます。どちらの兄がよりシスコンか、という勝負です。
 結局、桐乃が勝つんですが、瀬菜のナナメ上からの思いもよらない攻撃(とすら本人は思ってないでしょうけど)に桐乃愕然。
 スカイプで話してきた瀬菜。pixivの絵を見ろと言うので見てみると。
 京介が受け側になっているホモ画像が。

『赤京に匹敵する新カップリングを思いついちゃいまして』
「はいはい」
 自慢したいのね。それは分かるんだけど、
「だからこっちのイケメンは誰なの? どうせ知り合いをモデルにしたんでしょ?」
 茶髪で、長身で、美形で、何故かヘアピンを着けていて──

桐乃くんです

『先日、延々とノロケ話を聞かされたせいで、なんか閃いちゃいまして! 桐乃ちゃんを男体化した上での桐京! ヒュゥ、この手があったか!』


 ……もうね、とてもついていけないですね、腐の方々には(笑)。
 怒鳴りつけてスカイプをぶった切ったのですが、『桐乃くんが京介を襲っている』イラストをひたすら睨み続ける桐乃でありました。
 このときの桐乃の心中、描写しないのが勿論作品としての様式美というものですが、是非覗いてみたいものですね(笑)。

 あとは、沙織・バジーナの誕生悲話があったり、ClariSの二人がコラボでゲスト出演したり、カバーイラストにもなっている桐乃のウエディングドレス姿も出てきたりと、中々に豪勢な一冊でした。
 恐らく、これから結構話が変化するんでしょうね。前巻で、麻奈実も言っていました。

「今回、黒猫さんが捨て身でがんばってくれたおかげで、きょうちゃんの周りはたくさん変わったじゃない?」

と。
 そして、今回の「はじめに」でも京介が、「激動の半年を語り始める前に」と言っています。
 今後、この話がどう発展するのか。
 楽しみですね。

P.S.
 明言してあるように、ここはアダルトのブログなので、それらしいコメントを最後に一つ。
 やっぱり、71ページの桐乃の姿のイラストは、必須じゃないでしょうか!

tag : 電撃文庫 伏見つかさ

コメント

非公開コメント

実は『俺の妹が~』って原作を読んだこともアニメを観たこともないんですけど

>妹ってのはな、兄貴と一緒にいるときにこそ、最高の魅力を発揮するんだよ!

このセリフには痺れましたね!

いままで僕が思っていたけど上手く言葉にできなかったことを、これ以上無いくらい的確に表現してくれてます!
そう!そうなんですよ!妹の魅力、それは兄がいてこそ生まれるものなんですよ!兄がいなければ、それはただの可愛い女の子!“妹”としての魅力を発揮するには“兄”の存在が不可欠!正鵠を射るとは正にこのこと!

……ふぅ、熱くなりすぎました。ついつい興奮してしまいましたね。すみませんでした。

あ、あと表紙のウェディングドレスを着た桐乃に最高に萌えました。いいですよね、ウェディングドレス。

Re: タイトルなし

> 実は
実は、原作の一巻発売時から読んでます(笑)。
この作品は、桐乃の内面がさっぱりつかめないのが私から見ての特徴です。普通、もうちょっとわかりそうなものですが。
最近わかったのは、桐乃自身がどんどん変わっているらしいということです。

> このセリフには痺れましたね!
ちょっと意地悪な言い方をすると、「兄貴と一緒にいるときにこそ、最高の魅力を発揮する」ののみが「妹」である、そうでないのは単なる血縁の女の子、とか(笑)。

> ついつい興奮してしまいましたね。
私がわざわざ「名言」として引用した理由、わかっていただけたようですね(笑)。

> 表紙のウェディングドレスを着た桐乃
この絵、私も凄くいいと思いました。というか、7巻辺りから表紙の桐乃のイメージが変わってきたような気がします。
ちなみに、見えてるスカートの中は、実物を見ると、帯で隠れています(笑)。

ふと思い出したこと。

話の流れともエントリの内容とも全然関係ないんですけど、ふと学生時代のことを思い出しました。
先輩・同期・後輩と4人で鍋つつきながら酒を飲んでたときのことなんですが。

後輩「○○さん(僕のことです)、なんかいま欲しいものってあります?」

確か僕の誕生日が近かったからこんな話題になったのでしょう。さて、こう訊かれて何と答えたか。

自分「可愛くてブラコンでポニーテールの血の繋がらない妹が欲しい」

完全に酔っぱらいです。
ただ、“血の繋がらない”って辺りに僅かながらも理性が感じられます。

後輩「いやーそこは実妹の方が熱いでしょー」

後輩は一枚上手でした。
ちなみにこの間、先輩と同期は終始苦笑いでした。

まぁ何が言いたいかというと「類は友を呼ぶ」ですかね(笑)
私の、最高の後輩です。

Re: ふと思い出したこと。

> 理性が
いや、それは「迷い」もしくは世間体とかいう俗世の「煩悩」ではないでしょうか。

> 「類は友を呼ぶ」ですかね(笑)
> 私の、最高の後輩です。
赤い糸ですか(笑)?

ちなみに私らの場合は、「欲しければ作る」という感じでしたけどね。パソコンの中に(笑)。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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