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ラノベ: 『魔法少女まどか☆マギカ』 公式ノベライズ版の感想の落穂拾い

 昨夜、「『魔法少女まどか☆マギカ』 公式ノベライズ版読了につき感想。」と題して小説版の感想を書きましたが、そこでは、私が本作のメインテーマであろうと見定めた「友達」というキーワードを軸にしたので、そこから外れる細々とした感想を省きました。
 今回、雑多なそれらについて順不同で書いてみます。

○ 第七章のタイトル
 本作は基本的にまどかの一人称、例外は第十章のほむら一人称、という形態です。そのためか、章タイトルがほぼまどかの台詞/モノローグからとられています。
 しかし、第七章はどういうわけか、「本当の気持ちと向き合えますか?」と、仁美の台詞がアニメと同じまま付けられています。
 まどかのさやかに対する気持ちについて、まどかがその言葉を噛み締めているという意味かな、とも思いましたが、具体的にどこの部分に対応するのか、ちょっとわかりませんでした。
[追記:2012.5.8]
 芳文社版では、第七章のタイトルは「哀しみも、苦しみも」に変更されました。(感想エントリの追記参照)
[追記終わり]

○ 「さやかちゃんのためなら……いいよ」
 第八章で、まどかがさやかを救うために魔法少女になる決意をしかけたとき。
 アニメで見たときには、ちょっと安っぽくないかな、という気もしました。しかし、本作では、ここの直前にまどかの懊悩が示されています。「今もし、さやかちゃんがわたしの世界から消えてしまったら……」と。
 そしてそれは、さやかを失った自分が可哀想なだけなのか、という思いへともつながります。
 アニメになかった台詞です。

「……キュゥべえ、わたし、サイテーだよ……」


○ 「杏子ちゃんは、どうして──」
 さやかの結界で杏子と話していたまどかが言いかけた言葉です。
 アニメを見たときには、「どうして魔法少女になったのか」と聞こうとしたのかと思いましたが、本作ではその後にこう続いています。

 ──そんなに、強いの?
 そう尋ねようとした瞬間でした。
「──気付かれた」


 なるほど、そうでしたか。まあ、本作では杏子は自分の過去をまどかに伝えていますし。

○ 最初の時間軸のまどかの謎
 本作では、まどかの過去も描かれています。
 まどかはずっと以前から、役に立たない、何もできない自分に悩んでいました。
 ところで、アニメ第十話と同じく、第十章でまるで第一章と入れ替わったようなほむらの気弱さとまどかの輝きが印象的に描かれましたが、その時点で、まどかがキュゥべえと契約したのはほんの「先週」のことでした。
 ほむらの移動できる範囲よりも以前のまどかにほむらの魔法が影響するという気があまりしないのですが、とするとまどかは、ほんの一週間ほどであのように劇的に変化したのでしょうか?
 思っていることをうまく口にできず、いやそれどころか、何を思っているのか自覚するのさえも手間取るような少女。転校生にはしゃいでいるクラスメイトの輪からほむらを角が立たないように巧みに連れ出すようなスキルなど、そう簡単に身に付けられるものではないと思うのですが。
 それともあの時間軸では、まどかはさやかと出逢っていなかったのでしょうか? 時間軸によって、そもそも過去が違っている、と?

○ 改変されたあとのほむら
 改変された宇宙で、マミや杏子とともに戦っていたほむら。
 さやかが「円環の理」に導かれて消失したとき、あの場は「魔女の結界」でした。そして、ほむらの内面が描かれています。

 今、私は、元の気弱な暁美ほむらへと戻っていた。
 何もかもが怖くて、足がすくみ、逃げ出していた日々。
 まどかと出逢ったことにより、ようやく抜け出すことのできた、あの虚ろな日々。
 自分が、あの頃にゆっくりと戻りかけているのを感じていた。


 しかし、自分が忘れたら、今度こそ本当にまどかはひとりになってしまう。だから。

 そして、いつか、まどかと再び出逢えた時──
 ほむらちゃんがんばったね、と微笑んでもらえるように……


 という想いを支えにしているわけです。
 で、例の「魔獣」のいる世界へ。なるほど、ここは二段階だったんですね。
 それにしても、まどかもこんなことを思っていました。

 今のわたしには、信じることができました。
 いつかきっと──また、わたしがほむらちゃんの元にたどり着けることを。


 それって、ほむらが絶望に敗けるときのことなんでは……(笑)。

○ 「理」になったまどかの内面の描写
 これは中々に素晴らしいものでした。この辺りとか。

受け止めれば受け止めるほど、まるでわたしが増えていくようでした。果てしなく強くしていくようでした。鹿目まどかという意識が薄れ、より強い何かへと自分が変わっていくようでした。
 そしてそれは……
 鹿目まどか個人の幸せとの別れを意味しているのだろうけど──
 それでも、わたしは幸せでした。
(略)
 そして、それを知った今──
 わたしが、わたしとしてお話できるのはあと少しなんだ、と気がつきました。


 この後は、ほむらを認識したときに「黒髪の少女は、そう思いました。」と表現していたり、「かつて“鹿目まどか”だった少女は──」という言い回しが出てきたり。わからなくなってしまったわけではなく、ちゃんとほむらに「ほむらちゃん」と語りかけているのですが、「客観」がメインになってしまっている、ということでしょうか。
 ちなみに、上に引用したまどかの内面ですが、はっきりと「わたしは幸せ」と言っています。ほむらに伝えたい言葉です。

tag : 魔法少女まどか☆マギカ

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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