FC2ブログ

創作観: 彼等は何に抗うのか

 小説とか漫画とかアニメとか、登場人物が理不尽とも言える世界に立ち向かうような作品ってありますよね。
 そういう作品世界には、色んなルールがあって、別の言い方をすれば登場人物の行動の制約となる制限があって、みんな苦労するわけです。

 以前にも紹介したラノベ作品、『ガジェット』。
ガジェット  無限舞台 BLACK&WHITE (角川スニーカー文庫)ガジェット 無限舞台 BLACK&WHITE (角川スニーカー文庫)
(2009/07/01)
九重 一木

商品詳細を見る

 これは、そんなのの典型と言えるような、実に色んな決まりごとのある作品でした。
 今回このエントリを書くきっかけとなった『STEINS;GATE』も決まりごとの多い作品でした。
STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐  円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)
(2011/03/19)
海羽 超史郎

商品詳細を見る

 でも、これらは私には全然違う印象を残しました。

 『ガジェット』の方は、あまりの約束の多さに辟易したというのもありますが、なんかこう、これって主人公が苦労するのを描くために用意したんじゃないの?みたいな感じがしてしまって。作者の作為を感じてしまうと言うか、舞台裏を意識してしまうと言うか、そんな風に感じたのです。
 『STEINS;GATE』では、そういうことは感じませんでした。

 理由は幾つか思い当たります。
 一つは、『ガジェット』では、そのルールが私に馴染む前に発動してしまうんですよね。事態の打開のためにこうするのはどうか、と考えると、いや実はこういう制約があって、というのが出てくるみたいな感じです。実際にはそこまで酷くはないですが。
 他にもありますが、でも、もっと大きく違うところがあります。
 どちらも一見、「お約束」「ルール」が多いように見えます。でも、『ガジェット』のそれがそれぞれ比較的独立しているのに対し、『STEINS;GATE』の方は、一つの大きな決まりごとがあって、そこから論理的に導かれるものが多いのです。
 つまり、神様が気紛れに色んな理不尽な嫌がらせをしているのと、いくつかの公理があって大概の「お約束」はそこから導くことのできる法則であるのと。これは、実質的には数が全然違います。
 そして、印象の上では、受け入れがたさも違います。

 物語の登場人物は、その作品世界で科せられた制限の中でそれに抗って頑張らなければいけないわけですが、その制限の存在に必然性がないと、取って付けた決まりごとみたいに思えてしまうわけですね。それは勿論、読者にとって、です。
 そうすると、なんでこんなことで苦労しなきゃいけないんだ、もうこういうルールになってりゃいいじゃん、と、作品世界を否定したくなってきたりすることもあるわけです。
 世界観のリアリティと言ってもいいかも知れません。

 色々な細かい設定が出てくる話は、ともすればそういうことになり勝ち、という感じがあります。

コメント

非公開コメント

プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
アクセス解析中