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ゲーム: 『鬼哭街』(リメイク版)!

 以前、瑞麗の声が田村ゆかりさんって微妙、とか言いましたが、撤回します(笑)。

 ニトロプラスのゲーム『鬼哭街』のリメイク版のレビューです。

 このブログを始めてから知り合った方々には、どうも妹萌えの人が多いみたいで、そう思うと彼等に是非やってみて欲しい、そんな気がするゲームです(笑)。
 ゲームとは言っても、分岐がなくてただ読むだけの、「ストーリーノベル」ですし、妹ヒロインとは言っても「萌え」とはなんか違う、そんな感じですが。
 でも、以前にも書いたように、あの『魔法少女まどか☆マギカ』と本質的に似ている気がするので、あれがよければ実は結構いけるかも?

 私は虚淵玄脚本のゲームや彼の書いた小説を全て知ってるわけじゃありませんが、これ、私が触れた中では一番好きな作品ですね。まどか☆マギカが出てくるまでは。

 さて、この設定のポイントは二つ。

 一つはサイバネティックスの進歩。これにより、ガイノイドと呼ばれる、まあロボットみたいなもん、これが存在している。
 また、その技術が中国武術に影響を与えてもいます。
 外家と内家に分かれている武術ですが、前者がパワーなどの物理的な力を鍛えるのに対し、後者は内なる力、内功を練る。
 従来は内家が優勢だったのが、サイバネティックスの進歩によってサイボーグ化した拳士が増えて、形勢は逆転していた。しかし、主人公孔涛羅(コン・タオロー)は対外家の秘技、紫電掌を会得しています。つまり、電磁発勁、練った氣で電磁誘導を起こし、機械化した相手を倒す技です。

 もう一つは、魂魄転写。人の「魂魄」を人工の脳に転写する技術ができてしまっているんですが、そこにはまだ原因の解明されていない不可解な現象が伴います。情報の転写に過ぎないのに、脱魂燃焼(レイスバーン)と呼ばれる、転写元の媒体の物理的な消失(焼失)が起き、複写にならないことです。

 涛羅は、未来都市上海に舞い戻ってきて、復讐のために、街を牛耳る自らの古巣の組織「青雲幇」のサイボーグ拳士を次々と殺していきます。
 何があったのか。
 愛する妹の瑞麗(ルイリー)が、彼等にレイプされた上に魂魄転写され、5体のガイノイドにわけられていたのです。当然、魂魄燃焼により、瑞麗の脳は破壊されていました。つまり、死んでいました。

 そして、彼等の持つガイノイドから瑞麗の魂を1/5ずつ回収し、自分の持っている空のガイノイドに集めていきます。

 で。
 集めた瑞麗は元の瑞麗なのか?というと、当然色々違っているんです。
 でも、じゃあ元の瑞麗とは?
 そして、瑞麗の婚約者であった、涛羅の兄弟子で親しい友人で、組織のナンバー2である劉豪軍(リュウ・ホージュン)は、実は瑞麗を殺した張本人で、というかその首謀者で、瑞麗を愛していた筈の彼がなんでそんなことをしたのか?
 そもそも、一体なんでこんなことが起きたのか?

 涛羅、豪軍、そして瑞麗の三人が、拳士として、男として、女として、どんな想いを抱き、何を考えて行動したのか?
 これは、その三人の物語、なのです。

 涛羅の回想に出てくる、豪軍との会話です。

「あいつはどうも、兄の俺に甘えすぎているきらいがある……先行きが心配だ」
「そうは言っても、満更でもないんだろうが。お前だって」
「俺はともかく、あまり機嫌を取ってばかりじゃ、あいつを娶る男が泣きを見る」
「それは大変だ」
「……おいこら、他人事じゃないだろうが」

 そして、こんな記述も。

 この男を朋とする我が身の幸。そして、やがてこの男へと嫁ぐ瑞麗の幸。不祥の剣を振る凶手の身にありながら、これほど幸多き世界に生きて……涛羅は罪の意識さえ懐いてしまう。

 わかってない! 全然何もわかってないよ涛羅!!

 1/5ずつ増えていく、ガイノイドの中の瑞麗。3/5程のところで、戦いに傷付いた涛羅に瑞麗が言った、瑞麗の本心。涛羅にはよくわからなくとも、全てが揃っていないからこそ出てきてしまった、涛羅のイメージしていた貞淑な瑞麗とは相容れないような本音。

 ついに残す仇は豪軍のみ、というところで、涛羅の呟きに応えた豪軍。その想いが明されます。

「瑞麗は、俺の全てだった……」
「瑞麗もまた同じだと、なぜ気付いてやらなかった?」

 豪軍は、それに気付いていたからこそ、愛する瑞麗のために全てを計画したわけなんですが……。

 ですが。

 この展開、全ての黒幕が、実は彼等の他にいたのです。
 それは、誰なのか?
 全ての関係者が、その人の掌の上で操られていた。
 その人の望むことは? 最終的に手に入れたものは?

 なーんてね。
 三人の物語なら、残るは瑞麗しかいないじゃないですか(笑)。

 それにしても、これに出てくる拳士達、みんなかっこいいですよね。
 涛羅のこんな台詞とか、

「これから地獄を覗いてくる。あんた、俺に付き合うつもりはないんだろ?」

 これは、とある戦いの中で一時的に手を組んだ男に対して言った言葉です。
 豪軍の、組織の仲間?に対する台詞も。

「……狂ったか? 豪軍」
「俺が正気だとでも思っていたのか? 今日まで」


 しかし、瑞麗の田村さんの演技は、なんかぞくっとするものがありますね。
 1/5だけ入ったときの、意味の分からない、ただのうなり声のようなもの。
 増えて行くに従い変っていく演技。
 そして、最後。

「もう二度と放さないでくれ……俺を一人にしないでくれ……」
「ありがとう、兄様。嬉しいわ」

 ここで、なんか声が変るんですよ!

「約束よ。私たちは永遠に一緒。ね?」


 瑞麗の計画の技術的なサポートとして選ばれた謝。彼は、一旦バラした瑞麗が集められたとき、それは元の瑞麗と言えるのか?みたいなことを考えますが、瑞麗の言うことがまた恐ろしい。

「君の孔瑞麗という自我を、自分が何者なのか確かめたいとは思わないのか?」
「この人は、私を瑞麗と呼んでくれました」
「最後の最後になるまで、瑞麗の気持ちには気付いてくれなかった人だけれど……」
「いいんです。彼がそう呼んでくれるなら、私は孔瑞麗で構わない」


 エンディングの楽園。流れる名曲『涙尽鈴音響』。
 雰囲気たっぷりのこの終幕は、素晴らしい演出でした。

 今回、リメイクで声が入ったことで臨場感がまた増したんですが、まあ主要キャラ三人を除くと、謝の家弓家正さんとか印象的でした。
 ちなみにこのヒト、私の中では『未来少年コナン』のレプカなんですよね(笑)。

 初回特典のコメンタリの中で、ジョイまっくすさんが言ってましたが、これ、若い人にやって欲しい、みたいな気がします。
 ま、コメンタリの中で複数の人が言ってましたが、彼等はかっこいいけどなりたい人じゃないな、みたいな(笑)。
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(2011/05/27)
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tag : ニトロプラス 鬼哭街

コメント

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No title

噂の作品がリメイクされたのですな

Re: No title

このタイミングということは、まどか☆マギカがヒットすることを見越して走り出したのかも知れませんね。
でも、この作品は関係者からも評価が高かったようで、いつかやりたいと言われていたようです。

今回、18禁から一般レーティング(15歳以上推奨)になりましたが、田村さんのエロボイスはあります(笑)。

No title

今更ながら数年前の記事に何のコメントかと思うやもしれませんが、実はこないだのCOMTIAの道中で星海社文庫の小説版を読んでいたのです。どうせ大してお客さんこないから暇だろうと思って。
そう、私は東京ビックサイトでエロライトノベルを売りながら『鬼哭街』を読んでいたのです。どんな食い合わせだよ全くw

で、色々と思ったわけなんですが数日経っても頭の中がまったく纏まらない始末。あるいは「それ」がこの作品に抱いた感想で終わりなのかもしれませんが、なんだからそれじゃ締りが悪くて気持ち悪いです。単純に「胸糞悪かった、訴訟」の一言で終われたら楽なんですがねぇ。全く虚淵という男は、私の人生の要所要所でとんでもないモノを置いていってくれやがりますよ。何者なんでしょうかね、あの人は。

というわけで、私は事の真相を確かめるために原作に手を出そうかと思ったわけなんですが……。このご時勢に初回限定版なんて買えるわけないですよねぇー。オーディオコメンタリー見たかったんですが。

Re: No title

コミティアお疲れ様でした。

> どんな食い合わせだよ全くw
でもあれ、元々エロゲですしね。しかも選択肢・分岐なしなので、絵や音の付いたエロラノベと思ってもそう違わないのではないかと。
リメイク版は18禁じゃないですけど、却ってエロいと思ったところもありますし。

> 数日経っても頭の中がまったく纏まらない始末。
あー……。まあ、そうかも知れませんね。
あれについて語ろうとすると長くなりそうなので一言で書くと、結局は
「女の業」「男女の生存戦略の違い」
ということなのではないかと。あ、二言になっちゃった。

> 全く虚淵という男は、
私もかなり前からのファンではありますが、あまり好きでない作品もあるし、ほんと「全く」です。でも、
> 私の人生の要所要所でとんでもないモノを
今回はご自分でタイミングを合わせたのでは(笑)?

> 私は事の真相を確かめるために原作に手を出そうかと
星海社文庫のは角川から出たのとそう変わらないものだそうですが、そうすると原作やってもあまり状況は変わらないかも知れませんね。
まあ、そこは何とも言えませんが。

ところで、

No title

さきほどゲームを完走してきました。
やはり画と音が付くと感じ方も変わるものです。特に声音や抑揚などで人物の感情が更に際立ったのは良かったです。それこそ、終盤の豪軍からは痛々しいほどの感情を感じた次第です。
この作品で一番可哀想だったのは、もしかしなくても彼だったんではないでしょうか。瑞麗も少しくらい彼に優しくしてやれば……(´・ω・`)

ところでこのゲームはビジュアルノベルの類になるんでしょうが、基本静止画にところどころ動きが付与されるような形で進んでいましたが、まさかムービーまで入ってるとは想定外でしたね。あの丸っこいよく分からない球体が可変するところなんぞ、よもやそう来るとは思わなかった随分驚愕しましたよ。
しかしビジュアルは私の想像とは大分違いましたね。私はもうちっと大分人型を思い描いてたんですが、あれじゃタチコマみたいですね。

あぁ後、腐っても元がエロゲーだった名残だったのか、色々と艶っぽい画が散見されましたね。特に終盤で瑞麗が瑞麗と絡み合ってる画は、我知らず丹田に気が集まってくるのを感じました。(意味深
ところで上記のシーンは自分で自分を慰めることになったわけですが、これは広義的にオ×ニーの範疇に入るんですかねぇ。でも身体が別々だったのだから、もはやオナ×ーではなくセ×クスの領域にまで及んでるのかもしれません。一体アレは何なんでしょうか?(真顔

Re: No title

> さきほどゲームを完走してきました。
お疲れ様でした。
いや本当に疲れたのでは(笑)?

> 特に声音や抑揚などで人物の感情が更に際立った
瑞麗が徐々に人っぽくなっていくところとか、実は最初にプレイした版には声がなかったのでちょっと驚異的でした。

> 終盤の豪軍
あの感じも凄いですよね。中盤まではあくまで冷静で冷徹で冷酷な人物だったのに。

> この作品で一番可哀想だったのは、もしかしなくても彼だったんではないでしょうか。
本当に彼は災難でしたねー。一番の被害者でしょう。

> 瑞麗も少しくらい彼に優しくしてやれば……(´・ω・`)
その辺りが、前のコメントで私がまとめた二言の意味するところなんですよね……。

> あの丸っこいよく分からない球体が可変するところなんぞ、よもやそう来るとは思わなかった随分驚愕しましたよ。
コメンタリをご覧になるとわかると思いますが、あれには虚淵もびっくり、だったようです(笑)。

> 人型
あの世界だと、人型機械は、そもそも人が機械になってるのが多くてあまり印象的でないからかも知れません。

> 元がエロゲー
まあ、話がアレですから、元もエロはあまり主役でなかったですけどね。

> 特に終盤で瑞麗が瑞麗と絡み合ってる画
むしろ、こういう抑えたモノの方がエロいということに。

> ところで上記のシーンは自分で自分を慰めることになったわけですが、
一緒になったときに面白いことになるんでは、と思いました(笑)。

あと最後に。
ED曲の『涙尽鈴音響』は今でもたまに聴くお気に入り曲です。良かったでしょう。
プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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