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アニメ: 『魔法少女まどか☆マギカ』 虚淵玄の言#4

 アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』については、先月最終話まで放送されたということもあり、今月のアニメ関連各誌が締めくくり的な記事を載せています。
 とりあえず、Newtype, アニメージュ, アニメディアを読んでみました。うーん、アニメージュとかアニメディアとか、買ったの凄く久し振り。
 Newtype, アニメージュは、まあどちらかというと制作の裏話的な内容が多かったのですが、アニメディアのは、あくまで話の中身、設定とかに拘って、脚本虚淵玄にインタビューしています。
 これが一番興味深かったですね。
 というわけで、特に気になったところを一部抜き出して引用してみます。

月刊アニメディア 2011年6月号
『魔法少女まどか☆マギカ』完結メモリアル 虚淵玄(ニトロプラス)インタビューより

──魔女ではなく、魔法少女そのものの存在をなくすことを、まどかが願わなかった理由は……?

 魔法少女たちが何かを祈ったというその思い自体を、まどかは決して無駄にはしたくなかったからです。
 魔法少女たちの感情エネルギーを搾取してきた“インキュベーター”であるキュゥべえはまどかに、「彼女たち(過去の魔法少女たち)を裏切ったのは、僕たち(インキュベーター)ではなく、むしろ自分自身の祈りだよ」と語った。それだけは絶対に否定したくて、まどかは魔法少女になる決断をしたんです。

 これに関しては、正に私が思った通りの答えでしたね。
 しかし、「それだけは絶対に否定したくて」というところ、素晴らしいです。自分なりの物差し、大事なものをしっかり持っているということで、それを貫くためには断固として戦う。これは、後に述べることとも通ずるものがあると思います。

──「魔法少女作品」だからこそ、こういったひとつの答えを出してみたいという気持ちはありましたか?

 「魔法少女は、夢と希望を叶える存在」という一線は押さえたいと考えてました。望めばなれる世界にまどかがする、っていう感じです。
 別にハードSFじゃないんで、これでいいじゃない(笑)っていう世界観だとは思います。やれエントロピーだ宇宙だってSFくさいことを言ってますけれども。自分としてはSFではないと思ってるんですよ。
 SFかSFじゃないかの分かれ道は、奇跡が起こるかどうかというところです。この話では、明らかにエンディングで奇跡が起こってますからね。なんでほむらがまどかのリボンを持っているのか、その理由はまったく説明がつかないわけで。
 あれがやっぱり、本作が魔法少女作品である一番の証拠です。女の子の願いをもってして、理屈では通らないことが起きたわけです。
 この世界から消えてしまったまどかの存在感を、無垢な……たとえばタツヤのような子供とか犬や猫は、感じているんじゃないでしょうか。

 魔法少女とは何か。それを最後の最後まで不確定にしたのは、まどかに『だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから』と言わせる、というか言って欲しいと思ったから、ということなのかも知れません。
 この作品について、SF的な考証とかを考える向きも結構あります。それはなんか違うな、と思っていたんですが、本人がこう言ってくるとは(笑)。
『大丈夫。きっと大丈夫。信じようよ』
『きっとほんの少しなら、本当の奇跡があるかも知れない。そうでしょ?』
 こういうまどかの台詞は、そのためだったということでしょうか。そう言えば、本作は王道的な魔法少女作品だというような意味のことも以前言ってたような。

──ほむらの「まどかを救いたい」という願いは叶ったのでしょうか?

 ほむらに関しては、願いが新たになったということになるでしょう。ほむらが望むかたちでまどかを救うことはできなかったけれど、まどかが守ろうとしていたものを、これからは私が守っていこうという方向に、気持ちを切り替えたんだと思います。
 ほむらだけが、ある意味世界の改ざんの影響から逃れたところにいる。だから、自分が有していた魔法のかたちも変わっちゃってるんです。まどかを救いたいという気持ちから手に入れていた、時間を操る魔法の能力は消えてしまい、その代わりに、もともとまどかが持つはずだった魔法少女の能力を引き継いでいる。だから弓使いになっているんです。まどかがいなくなった空席を、ほむらが埋めているとも言えますね。

 これはまあ、気になってたことに対する「正解」が示された、ということで。
 まどかが授けたのかな、とか思ってましたが、そういうわけでもなかったようです。

──男女問わず共感できて、ぐいぐいと引き込まれるストーリーでした。まどかたちと年齢が近いファンに、伝えたいことはありますか?

 中高生のみなさんは、この先つらいこと、悲しいこと、しんどいことがいっぱいあると思うんですが……。そういうことに直面したときどう立ち向かうかという、ひとつのサンプルケースみたいに思ってもらえると、作った側としては非常に報われます。
 たぶんこの作品の中に出てくる悲しみや絶望っていうのは、普通に世の中に転がっているもののはずです。
 あんまり、ありえない話にしたくないところはあります。神様のせい、悪魔のせいとかにしちゃうと、先ほど言ったような立ち向かうお手本にはならない。なるべく世間に転がっているサンプルケースとして成立するぐらいの不幸や悲しみだけで組み立てたいな、というのがありました。それらを誰のせいにできるわけでもないし。結局、自分で受け止めていくしかないものだとは思うので。

 意外だったのは、これ。
 なんというか、そもそも中高生が見ることを考えて作ってたのか!みたいな驚きがあったりします(笑)。
 しかし、まどかに対するママのアドバイスとか、予防接種の話とかがあったことを考えると、まあそんなにおかしくないかも。
 いややっぱり、おかしいというか可笑しいけど(笑)。
 こういう、色んなことに対する「在り方」について考えると、最初に述べた「自分なりの物差し」とか「大事なもの」とかの重要性を意識します。
 しかしこういう発言を聞くと、虚淵玄というのはどういう人かというのを再認識してしまいますね。あーやっぱりこういう人だったんかな、とか。

 以前にも言いましたが、この作品は、受け取る側の受け取り方によって、随分違ったものになってるんじゃないか、という気がします。
 SFっぽい見方をしたり、登場人物の心の動きを追ってみたり、そしてケーススタディと考えたり。
 そう言った辺りが、良い意味でも悪い意味でも、話題性の元になったのかな、とか思います。

tag : アニメ 魔法少女まどか☆マギカ

コメント

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No title

CDのジャケットでしたっけ?まどかとほむらが一緒に弓を引くイラストがあるのは

Re: No title

ED曲『Magia』のアニメ盤ですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004DGD4QE/fc2blog06-22/ref=nosim/
もしかしたら、どっかの時間軸でこんなことをしてたのかも知れません。

「まどかを救いたい」というほむらの願いは報われませんでしたが、まどかが望んだ世界で、まどかの願いを継いで生きること、それがほむらにとって“救い”になればいいなと、このインタビューを読んで思いました。
何度もループを繰り返した末に辿り着いた結末、それがほむらにとって“救い”にならなかったとしたら、それはあんまりにも悲しいことですから……。



……なーんて思いつつ、「まどかが持つはずだった能力を自分が授かった」→「つまり自分とまどかと一心同体!」ってな感じに案外ほむらは喜んでるんじゃないかなぁ、とも思ったり(笑)

ちなみに『Magia』のイラストを見て、僕の頭に浮かんだ言葉は「2人の初めての共同作業」でした。

Re: タイトルなし

> まどかと一心同体!
最終話の最後で、まどかの『頑張って!』という声が入りますが、あれがどのような仕組みなのかはおいておいて、ほむらはいつもまどかを感じているのかな、とか思いました。
ちなみにこのインタビュー、他の魔法少女がどうなったかについても触れています。特に杏子については、インタビュアーの好きなキャラなのか、結構具体的に質問しています。

> 「2人の初めての共同作業」
ああ!なるほど! いや、あの体勢を見て、なんかに似てるなーとずっと思ってたんです。まさにそれ、ですね。
「はじめてのお……」じゃなく(笑)。

僕も今月号のアニメディアを読んでみたんですけど、5人が制服姿で並んでいるイラストに目を惹かれました。
もしかしたら、どこかの時間軸ではあり得たかもしれない光景。そう思うとちょっと切ないような、だけどすごく良いイラストだと思いました。

ただ、杏子の制服姿にはなんだか違和感を覚えてしまいましたが(笑)

Re: タイトルなし

> 良いイラストだと
あれは、最終話の後(11話までで言えば次回予告のタイミング)に挿入されたイラストで、蒼樹うめ先生が描いたものです。
色んな意味で、最後の最後にふさわしい絵でしたね。

> 杏子の制服姿にはなんだか違和感
まあ、杏子の場合は仕方がないでしょう(笑)。それまでで唯一着てないキャラだし、性格もアレだし。

ところで、あのイラストを見て、マミさんだけが誰とも手を繋いでない、という突込みを入れた人がいました(笑)。

>マミさんだけ

まどか×ほむら、杏子×さやか(さやか×杏子でも可)は鉄板ですからねー(オイ
だからマミさんだけ相手が……。

Re: タイトルなし

そう考えてみると、改変された世界では、
まどか → 超越
さやか → 消滅
というわけで、いずれもデカップリングされてますね……。

No title

なるほど、もういなくなってしまったさやか達はまどかでもどうする事も出来ないってことですかね

Re: No title

結局のところ、まどかは神になったわけではなく、魔法少女の「因果を受け止める」だけですからね。
レビューには書きませんでしたが、まどかは魔法少女が魔女になることを防ぐだけで、斃れた魔法少女は消滅してしまうのです。
プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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