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独り言: 思い遣りの心と人の無謬性

 以前のエントリのコメントに書いたことについて、ちょっと触れてみます。
 そのエントリで私は結構すっ飛んだことを書きました。なんで、要点だけ述べると、こんなイカレた社会なんだから、死にたいと思った奴は死なせてやるのが親切だ、みたいな内容でした。
 それに対して、コメント欄に意見が寄せられました。それは、死んでいく人はいいが、残された人の悲しみはどうするのだ、という内容でした。
 更にそれに対して私が答えた内容からちょっと引用します。

誰かが亡くなったとき、人はよく思います。
「あの人は、苦しんで死んだのか、楽に死んだのか?」
日航機墜落事故で520人が亡くなったとき、遺族らから、恐怖に対する賠償が請求されたことがありました。どうなったかは知りませんが。
それは、思い遣りであり、優しさだと思います。

 これは、ネットに公開した文章なので、お読みになった方もおられると思います。
 さて、そういう方は、これをどのように解釈なさったでしょうか。
 自分が悲しいから死ぬのをやめて欲しいとか思うなんて、思い遣りも優しさもない人非人だ、と言っているように受け止めたでしょうか。

 そのエントリのちょっと後に、とあるエントリを書きました
 そこで私は、キリスト教は「人類最凶の害毒思想である」と断じました。
 私が書いたコメントに対して上記のような感想を持った方は、キリスト教的な感性に侵されている恐れがあると、私は思います。
 別にキリスト教徒だと言っているわけではありません。感性の問題です。

 ここで、ちょっと脱線しておきます。何故私はキリスト教を弾劾するのに、その産みの親であるユダヤ教に触れないのか?という点についてです。
 それは、キリスト教の教えの中身に問題があるのではなく、その教え方に問題があると思うからです。
 その排他性、不寛容性、そして何よりも押し付けがましさが害毒だというのです。私は、不寛容に対しては不寛容になるので(笑)。
 上に挙げた過去のエントリの内の二つ目では、「イエスが何を言ったか行ったかとは関係なく」と書きましたが、私に言わせればイエスは単なるユダヤ教原理主義で、害毒は後世の教会によるものだと思っています。
 それに、ユダヤ教には聖書以外にもタルムードなどの現実に即したものもありますし。

 閑話休題。
 では、上で言うキリスト教的な感性というのは何かというと、人に無謬性を求めるところです。
 要するにそれは、原罪の思想から来ているものと思います。原罪は人を追い詰め、「罪」から逃れよう、不完全な人間はいけないものだ、そう人に迫ります。だから、キリスト教圏では子供は不完全で人間未満の存在なのでは。
 この脅迫的な観念、感性は、上で私が書いたような内容に対し、「人よりも自分の思いを優先するのは思い遣りの心がない悪い人間だ」という思いを抱かせるでしょう。
 ところが、私にはそんな意図はなく、書いた通りのことを言いたかっただけなのです。

 大体、人が他人を自分よりも優先する場合、それは、その誰かが自分よりも重要だと「自分の価値観で」判断したと言うことなのですけどね。つまり、自分よりも他人を優先することが自分のためだ、ということです。

 こういう原罪の思想は、キリスト教のような絶対神とペアでないと成り立ちません。いつも罪の意識に苛まれているだけでは、人は堪えられません。許してくれる存在が必要なのです。
 ところが、日本人にはそれはどうも馴染みにくいように思われます。
 よく、「苦しいときの神頼み」とか言いますね。これは、困ったときだけ神に頼るような自分勝手な有り様を揶揄する言葉でありますが、自嘲的に使われることの非常に多い言葉でもあります。
 つまり、逆に言うと、苦しくもないときに神に頼るのはよろしくない、という感じ方が背景にあるのではないでしょうか。
 日本では、神話の中の神様さえ機を織ったりして働いています。
 そういうのは、特に日本では、なんとなーくなんとなーく伝わっている感性ですね。明文化されていませんから。

 だから、そういう神を戴けない日本人には、原罪の思想、無謬性の追求は不可能であると言っても過言ではないでしょう。

 日本は、日本人は、もう少し「いい加減」になるべきだと思います。つまり、「良い加減」ですね。
 今はちょっと、とことん追求すべき個所を間違っている、そんな気がします。
 そういう、どこまでも完璧を追い求めるべきところと、余裕を持って当たるべきところと、それが峻別できていない、そんな気がします。
 それは、以前述べた「合理性」と「ムダ」の関係のようなものでしょう。

 まあ、簡単に言ってしまえば、「人」に完璧を求めるべきではない、そういうことなのではないかと、私は思うのです。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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