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独り言: セーレン社長川田達男氏の興味深い話

 今日は、BSフジの『プライムニュース』がとても面白くて、つい8時から最後まで約2時間、ずーっと見てしまいました。
 放送内容は、『破たん企業を買収した異端の経営者が直言! 製造業が勝ち残る方法』というサブタイトルがついたもので、ゲストはセーレン株式会社代表取締役社長・CEO・COOの川田達男氏でした。

 まず、ここで素晴らしいのは、一人のゲストから2時間じっくり話を聞く、この番組のいつものスタンスに則った構成です。まあ、さすがに今回みたいにゲストが一人だけというのはあまり多くありませんけど。

 さて、「製造業が勝ち残る方法」なんで、あくまで製造業に特化した話でした。が、それもポイントですね。
 どこにでも通用する汎用的なお話というのが好まれると思いますが、そういうのは抽象的だったり、公約数的で役に立たなかったりするもので、どうせならこういう風に割りきって話してもらえる方がいい。
 そういう話し方ができるというのも川田氏の優れたところかも知れません。まあ、製造業の人なのでそれしか話せない、という可能性もありますが(笑)。

 とにかく、我が意を得たり!という発言が非常に多かったです。私の思っていることや、それをずっと発展させたことなどを、もう何十年も前から実践して実績を出している人なわけです。
 また、繊維業界固有の話などは私の全く知らないところであり、それも興味深かったのですが、それへの対処も、非常に合理的なものでした。こういう合理的な考え方のできる経営者というのは、中々見ません。ま、私はそもそも経営者の人なんてそうは知りませんが。

 合理的と言うのは、理に適っているということであり、なんでも切り捨てるという意味ではありません。そこのところをわかっている人が少いので、この人は凄い、と思ったのです。
 例えば、この番組ではいつも最後に、ゲストから「提言」と題して、番組中で語ったことや一番重要だと思っていることなどを一枚のフリップにまとめてもらいます。そこで川田氏は、在庫レスとか多品種少量生産とか、とにかく無駄を省くという、言葉の上からは非常にありきたりなことを書きました(多品種がコスト削減なのは川田氏が推し進めた事業の結実です)。
 しかし氏は、番組の中で、自社の研究部門の人達について触れたとき、「遊んでいる」と表現していました。
 勿論、彼等が本当に遊んでいるなどということがあり得る筈がありません。
 つまり、「遊んでいる」というのは何か含みのある表現でしょう。私は、氏がこの言葉を選んだのは、社会に対する持って廻った提言なのではないか、と思いました。

 2009年の事業仕分けの時、ネットで面白いことを書いた人がいました。言葉遣いとかは憶えてませんが、
「ダイエットしようとして脳みそから削ってるよw」
みたいなものでした。
 実は、これは日本社会全体の風潮なのではないかと私は思います。コスト削減、無駄排除と言って、全てを「合理化」する。でも、私に言わせればそれは合理化ではない。つまり、理に適っていない。
 どの分野に対してどういう姿勢を取るべきか、それは使い分けが必要で、なんでもかんでも同じことをやればいいというものではないのです。

 どっかの副都知事みたいに、役所が傑作と思えるものだけ作ればいいんだ、みたいなことを言うのは、やはりおかしい。

 川田氏は、提言として徹底した無駄排除を挙げながら、番組中では遊んでいる人がいる、と表現した。このことには、明らかに何かの意味があるのです。

 研究・開発などのアウトソーシングはしない、というのも興味深かったです。
 通常、そういうのを外に出してコストを下げる、というのはよく行われているようですが、川田氏は、それはコスト削減にならないと言う。
 そういうやり方では他社とは次元の違う突き抜けた研究はできない。つまり、私が思うに、金をケチって最先端でない技術を手に入れるよりも、自社で他社を圧倒する研究をして差別化する、その方が、コストがかかってもコストパフォーマンスは上になるのではないか。
 実際、セーレンは研究開発にかなりのお金をかけています。

 その他、氏の発言は番組中一貫して、合理的な姿勢/思想に支えられたものである、という印象を受けました。
 こういう、合理的な考え方のできる指導者が、経営者だけでなく政治家などにも登場して欲しいものです。

 ついでに、政治家と言えば、川田氏は最後に、国益のため、日本のために仕事をしている政治家なんていないんじゃないか、とか言ってましたね。はっきりと(笑)。
 正に、私も言いたいことです。というか普段から言っていることですね。

tag : プライムニュース 製造業

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

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