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エロゲ: わたし的泣きゲーの系譜と『sola』

 この間のエントリで『東鳩』『キャノン』と言っエロゲが出てきました。勿論、『To Heart』『Kanon』のことでしょうし、ついそれで思い出して、アニメの『Kanon』(京アニ版)について書いたりしました。
 で、ついでにもう一歩話を進めてみようかと思います。

 今読んでる本で、こんなのがあります。
キャラクター文化入門キャラクター文化入門
(2010/11/25)
暮沢 剛巳

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 そこに、「麻枝准──泣きゲーから殺伐へ」という節があって、所謂「泣きゲー」の誕生と展開、それに麻枝准氏(面倒なので、以下敬称略)がいかに関わってきたかに触れています。
 また、「もっとも、当の麻枝はある時期より泣きゲーからの脱却を志向していたようである。」として、『リトルバスターズ』『Angel Beats!』にも言及しています。それが、「殺伐へ」ということでしょう。

 ここでは、泣きゲーの発展に寄与した個人として特定できるのは麻枝だけで、「泣きゲーの元祖」(本田透)である『ONE ~輝く季節へ~』からKeyの諸作品を挙げています。
 しかし、実は麻枝は、別に感動するゲームを作りたいわけじゃなくエンターテインメント性の高いのを作りたかった、いやそもそも本来やりたかったのは音楽だ、と言っています(DVD『Kanon』(京アニ版)3巻コメンタリより)。
 まあそれはさておき、泣きゲーを語るのなら、他に欠かせない人物がもう一人いますよね。
 言わずと知れた、久弥直樹氏(こちらも以下敬称略)です。
 『ONE』でも彼のシナリオは評価が高かったですし、『Kanon』でもそうです。

 ここで、ちょっと私の話を。というか、そもそもこのエントリのテーマが、わたし的系譜ですし。
 ゲーム、というかエロゲやってて初めてほろっと来たのは、Leafの『痕』の千鶴さんバッドエンドでした。あの、セーラー服姿の千鶴さんが、今でも忘れられません。
 続いて、『To Heart』にはマジでやられました。その中でも、この間のエントリにも書いたHMX-12、通称マルチです。あの明るくて素直で真面目で健気な、愛さずにはいられないメイドロボ。その宿命とそれに対する想い。そして……。
 いずれも、シナリオは多分、高橋龍也氏(以下敬称略)だと思います。つまり、わたし的には、泣きゲーの元祖は『To Heart』で高橋なんですね。『ONE』が1998年、『To Heart』が1997年。こっちの方が先です。更に『痕』まで入れると1996年。それ以前だと、あまりエロゲとかやってなかったかな。アリスソフトのランスシリーズとかやってましたけど、4がバグで先に進めなくてやめちゃった頃から、離れてた感じで。

 それで、それに続くのが、『Kanon』になるわけです。実を言うと、『ONE』はやってないんです。機会があったら、とは思ってるんですけど。
 ですが、Keyブランドの作品だと、個人的な評価は、『Kanon』 > 『AIR』 > 『CLANNAD』になります。
 『Kanon』の真琴シナリオと、『AIR』って似てますよね。怒涛のように押し寄せてくる状況とか。真琴辺りはまだ良かったんですが、『AIR』は全体がそんな感じでしたから。特に、AIR編。
 『To Heart』のマルチ(高橋)、『Kanon』のあゆ(久弥)。この二つのシナリオは、またなんか似ています。
 この二つの流派?を比べてみると、麻枝流は、あるところからどんどん「そういう」状況になってきて押しまくる、高橋/久弥流は、クライマックスで急転直下という感じでしょうか。
 高橋/久弥は起承転結的なんですけど、麻枝は起承承結、みたいな?

 『AIR』は、なんというか、「泣けッ泣くんだ!」と言われているみたいで、逆になんか、途中で刺激に慣れちゃったというか。そういう風だったんで、まあいい作品だったなー、という感じで終わったんですよね。
 前述の『キャラクター文化入門』でも、「殺伐へ」と書いてある通り、これが『Angel Beats!』までくると、方向性は変わってて、その演出手法のみが受け継がれてるという感じが。

 マルチは、クライマックスで、いきなり過酷とも言える宿命がマルチ本人の口から語られます。しかし、マルチはあくまでそれを前向きに捉えていて、プレイヤーの心を動かすのです。それなのに、製品化されたHM-12はマルチの願い、希望を打ち砕くようなものだった。
 あゆは、ずっと謎なわけです。不思議なことが沢山。でも、あのキャラクターですから……今考えると、マルチと似ているかも。三つの願いのうち二つは、ありがちにも見えた普通のものだったのに、三つ目は、ささやかな幸せを象徴する一つ目の願いを否定するものだったという。これも今考えると、あゆがいなくなってからニュースまでの雰囲気は、マルチが去ってからHM-12が発売され、浩之がそれを購入しての失意の日々辺りに似ているかも。

 と言った感じで、麻枝のパワフルな怒涛の演出はちょっと途中でこっちが疲れてしまうので、高橋/久弥流の方がなんか私の好みには合うんですよね。スマートというか。
 そんなわけなんで、私としては、泣きゲーの流れを追うと、『キャラクター文化入門』の記述とは違い、麻枝というよりも久弥なんです。こういうことを言うと、麻枝のトラウマを誘ってしまうかもしれませんが。

 さて、その久弥が原案、脚本の一部を担当した、『sola』というアニメがありました。これがやっぱり、久弥的なところが結構あるんです。私は結構好きでしたね。
 ただ、あまりハッピーとは言えないエンディングだったのがやはり効いてしまったのか、大ヒットしたとは言えないと思いますけど。
 あと、キャラデザがねー……。キャラ原案の七尾奈留さんの画風と比べると、やっぱり……。『ef』くらい七尾さんの絵に近付けられたらもっと良かったと思うんですけど。
 まあ、ストーリーも「泣き」というほどじゃなかったですけど、ああいう雰囲気の作品、好きだなあ。
 私としては、こっちを系譜の裔に推したいですね。
 ちなみにこのアニメ、OP/EDのテーマソングも良かったです。
 最後に、おまけ。
 『To Heart』の大人気は、とんでもない数の二次創作作品を発生させましたが、その中で、今でも印象に残っている、ここで言えば高橋/久弥的な短編があります。
 その人のサイトは現存しているので、紹介しましょう。

梵の書棚」より『浩之さんに花束を』です。

tag : 泣きゲー

コメント

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No title

こんばんわです。

私はそんなに泣きゲーというのは、プレイしてないのですけど、To HeartだけPC版ではなく、PS版でやった記憶があります(汗)
まぁ、記憶があやふやで語れそうな事はさほどないんですが(汗)

個人的にあんまりにも泣け、泣け感がある作品はどうかとは思いますね。
そもそも泣きゲーとかやる前に知っちゃうと、何かどこか構えちゃって心底楽しめない気がするんですけどね、私は。

話変わって、そちらには今年は某有名サイト扱いして頂いたりとお世話になりました♪
またちょくちょく伺わせて頂きますので、よろしくお願いします。
では、良いお年を~

Re: No title

みきりっちさん、こんばんは。
> あんまりにも泣け、泣け感がある作品はどうかと
実は、このエントリで言いたかったのはまさにそれなんですよね。『AIR』とか、なんかこうそういう雰囲気があるんで。
『To Heart』は、出たときに即買ってプレイしたんで、どういうのか全然知らなかったんですよね。まあ、雑誌の紹介記事くらいの知識で。で、マルチシナリオが短くて楽そうなんで最初にやったんです。そしたら、ずっとほのぼのだったのに最後の最後であんな告白をされて、その後の展開があれだったんで、もう驚いちゃいましたよ。
『Kanon』も、面白いとしか聞いてなかったんで、同じような感じでしたね。
やっぱり、核心部分は知らないでやるのがいいですよね。……当然か。
それと、泣きとエロは相性が良くない(笑)。

> 今年は某有名サイト扱いして頂いたり
まあ、こちらはこんなところですから(笑)。

> では、良いお年を~
良いお年を。来年もよろしくお願いします。
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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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