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ラノベ: 『まおゆう魔法勇者』#1

魔王「この我のものとなれ、勇者よ」
勇者「断る!」

 このように始まる、あまりにも有名なWeb小説が、書籍の形になって出版されました。
 ……カテゴリ、一応「ラノベ」にしたけど、いいのかな……?

 私が知ってるのは、ここのまとめサイトです。
 帯に書いてある解説によると、「ネット上で読んだ人、すでに100万人以上!!」だそうで。

 どういう話かというと、魔王を倒すべく魔王城にやってきた勇者が出会った魔王(何故か美女)は、唐突に勇者に世界のことを問い始めます。
 森の国が滅びたのは、森林伐採の末の公害による自滅ではないか?
 錫の国の事件は、大臣の欲望が原因だっただろう?
 人間と魔族は戦争をしているが、どうして魔族が悪だと言えるのだ?
 そして魔王は、なんか世界の設定は中世っぽいのに、やたら現代的な知識と思想と手法でもって構築した世界観を、統計やらなんやら「プリンタ用紙」に印刷した資料まで持ち出して勇者に解説します。
 そんなこんなで、彼等は決戦をやめ、魔王と勇者が手を携えて、世界の変革に挑むのです。

 この魔王が蓄えている膨大な知識と、それによる博学さや客観性合理性に支えられた思想。それに勇者の圧倒的な強さと人気が一緒になって、世界はあっと言う間に様変わりしていきます。

 そんな話の書籍版、第一巻は、序盤の一つのクライマックスとも言える、メイド姉(このお話、登場人物に固有の名前がついていません)の感動的とも言える名演説まで。自らの「農奴」という「賎しい」出自を明した上で。

「だとしてもわたしは“人間”だといいきらねばなりません。なぜなら自らをそう呼ぶことが“人間”である最初の条件だと、わたしは思うからです」
「精霊様は、まったき善として人間を作らずに、毎日、ちょっとずつがんばるという自由を与えてくださった。それが──喜びだから」
「もしあなた方の中に石を投げて救われる人がいるのなら、救われるべきなのですっ。その判断の自由もまた人間のもの。その人の心が流す血と同じだけの血を、わたしはこの身を以て流しましょうっ」

 うーん、なんとも予想通りというか、この辺りまで収録すれば、盛り上がりは充分、引きもばっちり、とか思っていたので。

 この話の特徴的なことは、まあ出だしからしてあれなんですが、物事を型にはまった見方に捕われずに把握して、安易な判断に流されずにしっかり考えて世を変えていこうとすること。もう、身も蓋も無いとも言えるようなくらいの発想で。
 そして、登場人物もどんどん成長していくこと。
 一巻で言えば、自分は何もできないと嘆いていたメイド姉のように。

 実はこの本、まだ手にしたばかりでちゃんと読んでません。なんで、書籍化に当りどのように手が入ったかわかりませんが、ぱっと見たところ、いい感じで出来上がっていると思います。

 続きを、本の形で読むのが、今から楽しみですね。


まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」
(2010/12/29)
橙乃 ままれ

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tag : 橙乃ままれ まおゆう魔法勇者

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

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