FC2ブログ

エロゲ: 『天使の日曜日』 幸せなはずなのに物悲しい話

天使の日曜日天使の日曜日』(minori)をプレイしました。レビューです。

 さて、これは何かというと、『ef - a fairy tale of the two.』のファンディスクで、『ef』のアフターストーリーとかアナザーストーリー(つまりIf)とか、ミニゲームとか入ってます。また、以前レビューしたムービー集のBDも同梱の、大変楽しい作品です。
 といっても、ミニゲームはまだやってないですけど。

 アフターの方は、各登場人物のその後なんですけど、地理的にも人間関係的にもややこしかったキャラのつながりが解決して、関係者が顔合わせすることになります。それと、充分行き渡ってなかった情報も、大体周知のこととなります。
 『ef』で付き合い始めたカップル達も、らぶらぶな生活が描写されたり。
 でまあ、一番の見所は、久瀬修一と羽山ミズキのこのシーンですね。

「それじゃあ、こんな話を知ってますか?」
お姫様が耳を貸せと言う。
俺は彼女の口元に耳を近付けてあげた。
「雨宮優子さんが助けてくれた子供って、わたしのことです」

 物語の最も根幹の部分に関わる事件、その当事者だったミズキ。それを、相方の修一が知る瞬間です。いやー、びっくりしてましたねぇ(笑)。一体どんな巡り合わせなんだ、とか思ったことでしょう。

 さて、アナザーの方ですが。
 ミズキがあるとき、魔女に出会います。
 魔女のアリスは、何をしにこの街、音羽にやってきたか。
 それは。

「この街に天使がいるって風の噂で聞いて、ちょっと遊びに来たんだけど、一足違いだったみたい」
「天使って、あの神様の天使ですか?」
「そう。天使が長期的に地上にいるのはレアだから、会いたかったのよね」

 といった話をしていて、成り行きで魔女がミズキに“夢”を見せてくれることになります。ミズキの願いが叶った夢。
 そして始まるのが、アナザーの話です。

 そこでは、優子が巻き込まれたあの日の事件が起きてなかったり、火村茜や雨宮明里が生きてたり、水姫が生きてたり。
 優子の事件がなかった話では、夕と優子の娘の聖(せい)が登場します。
tenshi_sei2s.png
 いやー、可愛いですね(笑)。

 明里が生きていた話では、凪の想いが成就したりします。そう、美術の天才で、美術室で裸になって自分の裸婦デッサンをするようなエキセントリックな、あの凪です。

 水姫が生きていた話では、水姫が蓮治を果敢に攻略します。
tenshi_mizuki1s.png
 これが水姫。私の好みにあまりにもクリティカルヒットしているので、ついキャプチャしてしまいました。
 話によると、随分大人しい子で、友人の未来に言わせればMというくらいなんですけど。でもどういうわけか、恋する相手にだけは積極的になるという、なんか漫画とかによくでてくるヒロインとは反対みたいな女の子です。
 だから、こんな光景もあったり。
tenshi_mizuki2s.png

 大体、この『ef』という話、女の子がみんなパワフルですよね。あの千尋でさえ。

 さて、この一連のアナザーストーリーは、あのクリスマスの日から始まるんですけど、夕と凪が見たはずのあの「天使の階段」が現れません。
 まあ、最初からあからさまだったとも言えますが、そういうところにも表現されいてるように、アリスが言った「天使」というのは当然のことながら、あの人のことですね。

 大変ハッピーな話が続くこの『天使の日曜日』ですが、やはり七尾奈留さんの絵がいいですよね。この人の描く女の子は、なんとも言えないくらい、表情がいい。
 また、背景の絵も美麗です。特に、空がいい。光の描き方が、爽やかだったり幻想的だったり不安を掻き立てたり。まあ、今回の作品ではあまり重たいシーンがなかったので、明るい雰囲気のが多かったわけですけど。

 ……でもそれなのに、私はこのレビューのエントリのタイトルに、「物悲しい話」と書きました。
 アフターストーリーはいいんです。
 でも、そう、アナザーストーリーは、幸せそうな彼ら彼女らを見ていても、どうもなんか切なくて。
 私は、言わばパラレルワールドみたいな、マルチシナリオのゲームとか散々やっているわけで、なんで今更こんなことを感じるのか?
 それはつまり、これらの話が、魔女が見せてくれた“夢”でしかないからです。
 そもそも架空の物語なんで、別バージョンを作ればそれはオリジナルと同じような実在性があるわけですけど、このアナザーストーリーは、あくまでも、この架空の世界の中でさえ、夢に過ぎない。だから、なんです。
 聖は、本当は生まれてくることがなかった。明里や水姫は、本当はずっと以前にこの世を去っていた。
 そんな彼女達の姿は、それが元気で幸せそうであるのに、いやそうであるが故に、失ってしまった、という想いを強めるばかり。
 だから私は、物悲しい話、と感じたのです。

 私は、作品に触れるとき、こんな風に展開させてみたら、とか、キャラにこんなことをさせてみたら、とか考えながら、ということがよくあります。
 ミズキは、夢から醒めたとき、泣き崩れてしまうのではないか。
 アナザーストーリーは、そんなことを思いながらプレイしました。
 しかし、そんなことはなかった。
 そう、考えてみれば、ミズキがそんなことで打ちひしがれるわけがない。
 そうですよね、あのミズキですから。

 みんな、力強く生きてますから。

天使の日曜日天使の日曜日
(2010/09/17)
Windows

商品詳細を見る

関連項目

tag : minori 天使の日曜日

コメント

非公開コメント

プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
アクセス解析中