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アニメ: 『涼宮ハルヒの消失』

 ……すげェ。

 今日、昼過ぎに届いて、即観たんですけど。
 圧倒されちゃって、感想書こうにも何を書こうか、みたいな。なんで、中々書けませんでした。
 京アニ、やはり恐るべし!

 異変が始まってからの映像は、なんか褪せたような色合いで描かれ、沈鬱な感じを伝えます。
 音楽も、サティとか使って、あの独特の曲調がどこか異世界的な雰囲気を醸し出していますし。

 音楽と言えば、無音状態が結構ありましたね。
 アニメやゲームは、BGMやSEが多用される作品形態です。実写と違って、そのままだと環境ノイズ的なものがないんで、そうしないと間がもたないから、とかよく説明があります。
 そういうのが普通であると無意識に思っていた私をはっとさせたのが、Leafのビジュアルノベルシリーズでした。
 ビジュアルノベルというくらいなんで、読ませるのがメインであったわけです。なんで、あまり派手な作品群ではなかったんですけど、音楽面での演出で、ここぞ!というところで無音状態を作ったりすることがよくありまして。
 なんか、アニメやゲームでそういうことをすると、妙に迫って来るものがあるな、と感じたものです。
 それを思い出しました。

 そしてやはり、何と言っても、絵が凄かった。
 美麗で、描き込みにもレイアウトやカメラワークにも、さすが、と思わせるものがありました。
 圧倒されたのは、クライマックスシーンで乱入してきた朝倉涼子です!
 その動きの迫力、流れる髪の麗しさ、そして恐ろしさ。
 ナイフを引っこ抜くときの、くるりとスピンする描写とか、舞うような朝倉に、これは一体、恐怖すればいいのか見惚れるのが正しいのか?と。

 朝倉は、登場からずっと一貫して「普通の女の子」でした。
 あの朝倉だ、後で絶対何かやらかすに違いない、と見ていた誰もが思っていたでしょう。でも、キョン以外の全てのキャラが(ハルヒでさえ)「違って」いるんだ、もしかすると朝倉も、とも思っていたのではないでしょうか。
 だから、私は思いました。
 普通に見える人が狂気を見せるのが恐ろしいのは、色んな作品で描かれています。
 でもここで私は、「不気味の谷」という言葉を思い出しました。朝倉のその素性からして、この表現が当てはまるんじゃないか、そう思ったんです。
 もしかしてそのために、朝倉はずっと「普通の女の子」だったんでしょうかね。

 …………

 さて、本題です。

 これも、この間レビューした『なのは』と同じように、もう10ヶ月も前に劇場公開された作品で、しかも、超人気話題作。
 更に言えば、メインヒロインはあの長門有希(反論は認めません(笑))。
 元々、色々な細工が施されるタイプの作品でもありますし、もう、ありとあらゆる考察がなされ、今更何を言ってみても、既に誰かがどこかで語っているのじゃないかという気がします。
 でも、なんかそれでも語りたくなる作品ですよね。

 多分、最も一般的な解釈は、本作は有希のラブストーリーである、という見方でしょう。
 キョンも、内面世界で語っています。

俺にはわかる。長門が自分でも理解できない異常動作の引き金がなんだったのか。積もり積もったエラーデータとやらがなんなのか。
それは思いっきりベタなシロモンなんだ。プログラム通りにしか動けないはずの人工知能でも、そんな回路が入っていないロボットでも、時を経たらそいつを持つようになるのがパターンなんだ。おまえにはわかるまい。だが俺にはわかることだ。たぶんハルヒにも。
──それはな、長門。感情ってヤツなんだよ。

 そして、エンディングロールの後の図書館のシーン。
 作中では言葉にしませんでしたが、その「感情」は、淡い恋心なのではないか。
 前述のように、ネットを見て回れば膨大な数のレビューが存在することでしょう。だから逆に、それに圧倒されて、見てみてもいないわけですが、多分、こういう話であると思われているのでは。

 さて、まあその「恋心」も、それはそうなんだろうな、と私は思います。
 でも。
 有希のキャパシティは、そんなものなのでしょうか?

 私が思うに、有希は感情を持つ存在になった、というよりも、そういう自分をも獲得した、のではないか?

 有希は、元文芸部員です。というか、あれ? もしかしてまだ形式上はそのまま?
 まあ、それはいいでしょう。
 作中、キョンもそんなイメージを持っていることをほのめかしていますが、文芸部員が創作活動を始めるのはよくあることです。
 有希は今回、文芸部員らしく、創作活動をしたのではないか?
 更には、有希の場合、文章を書くよりも、ハルヒの力を利用して世界を改変する方が楽だったのではないか?

 有希は、恋をしたのか。恋をしたというよりも、そういう自分を空想し、胸ときめかせるみたいな、そんな感じなのではないか。
 そう言うと、人で言う思春期の初期段階みたいですが、それよりも、「自分を拡げた」ということなのでは。

 ま、勿論、これはあまり妥当な解釈ではないでしょう。
 何よりも、キョンが、これはベタなことだと、「パターン」だと言っています。
 実際のところ、あの世界では、キョンの語ることは実は、いつも一番「事実」ですよね。だから、キョンの言うとおり、有希は「感情を持った人工知能」みたいなものなのでしょう。
 でもそれでも、私は想像するのです。
 キョンは、いつだって鈍感じゃないか、と。
 ならば、ときには、特にこういう問題なら、解釈を間違えることもあるんじゃないか、と。
 だって、その方が、有希が凄いじゃないですか(笑)!

 って、結局そういう風に見てたんですよね。だって、私は、有希萌えだし!


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tag : 涼宮ハルヒの消失

コメント

非公開コメント

No title

おぉ、もうご覧になられましたか。なんと羨ましい……。僕は今月中に提出しなければならない論文がひと段落つくまでお預け状態です。
まぁ、とは言っても、もうすでに劇場公開時に一回観てるんですけどね。早いものでもう10ヶ月も経ちましたか。

さて『消失』ですが、僕が一番印象に残ったのって実は古泉なんですよね。あぁ、もちろん主役(!)である長門の可愛さ一途さ素晴らしさ、キョンの圧巻たる自問自答シーン、血を飛び散らせながら舞う朝倉の美しさも強く印象に残っていますが、それらさえも押しのけての古泉です。

僕が一番印象に残ったもの、それは改変世界の古泉が呟いたセリフ。

       「羨ましいですね」

これです。最初は踏切の音に紛れて何と言っているのか聞き取れなかったのですが、その後キョンが過去に跳ばされるときにはっきりと聞こえました。
もう映画館でハッとしてしまいましたね。原作には存在しないセリフだということもありますが、それ以上に、“選ばれなかった”人間の想いに。

No title

どもです。私は一昨日Amazonからメールが来て金を振り込んだので、ブツが届くのは結構あとでしょうかね。
まぁ平日は忙しいでのどーせ見れないんで構わないですがw
私は一度劇場で見た人間ですが、またなのはみたくDVD観たら感想書きます。でわそんときにまた。

Re: No title

皆さん、結構劇場に行かれてるんですね。私はどうも、映画館というのがあまり好きじゃなくて……。
それと劇場だと、ちょっとポーズしてトイレ、とかできませんしね。特に本作は長いですから。
あと、原作とかよく憶えておいでで。私はすっかり忘れてしまってました。

> 印象に残ったのって実は古泉
彼は、以前からそういうところありましたよね。キョンが羨ましい、みたいな。特に、今回はこれまでのように韜晦せず、はっきりとハルヒに対する気持ちを告げてますし。元々苦悩するタイプみたいでもありますし。
でも、私は一瞬、「妬ましい」と聞こえてしまって、「え!?」とか思いましたよ(笑)。
ちなみにあの台詞、特典の脚本集にもありませんでした。

私が、ちょっとはっとしたのは、光陽園の校門から出てきたときのハルヒの表情でした。というか、人相というか。ここまで違ってしまうものなのか……みたいな。
でも逆に、美人だな、と思いましたけどね。そう言えば、シリーズの最初で、キョンはハルヒを「美人」と表現していましたっけ。

> まぁ平日は忙しいでのどーせ見れないんで構わないですがw
あれは長いですから、まとまった時間が取れないとダメですよね。二日に分けて、とかいうわけには行きませんから。

> DVD観たら感想書きます。
私は、このエントリの出だしにも書きましたが、なんか圧倒されてしまってうまく考えがまとまりませんでした(苦笑)。
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水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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