FC2ブログ

ラノベ: 『ヘヴィーオブジェクト 巨人達の影』 謀略戦的な展開に

 今回の話は、だいぶ頭脳の競い合いみたいな雰囲気でしたね。
 まず、この巻のメインヒロイン!みたいに思えるおほほ(名前なんだっけ?)との遭遇。
 クウェンサーは、例によってオブジェクトと生身でやりあうことになるわけですが、今回はなんと、おほほの操る「ラッシュ」(ガトリング033)のコクピットに乱入します。

 クウェンサーがエリートの首に突きつけているのは、サバイバルキットの中にある、調理用の小型ナイフだ。刃渡りは親指ほどしかない。
(何だ……? 随分と低いな)
 思わず眉をひそめてしまう。
 オセアニア軍事国で聞いた話では、ラッシュのエリートはGカップのナイスバヂィという事だったのだが……。
 実際に見てみると、その少女はせいぜい一〇歳程度の年齢でしかなかった。身長は一三〇センチあるかどうか、当然、Gカップなんて訳がない。そもそもブラジャーというものを知っているのかどうかも怪しい体型だった。

 つまり、おほほの属する『情報同盟』では、あらゆるデータをネットで管理し、真実と虚構を戦略的に使い分けている。おほほの公式な姿はダミーで、3DCGだったのです。
 ここら辺りから始まって、ラッシュを攻略する方法が、開発途上の戦略AIへの計画的なデータ供与による誤学習の負荷、クウェンサーがそこから脱出するために考えたのが、エリートのコクピット座席裏の爆弾。軍がこれをしかけた、と伝えて、おほほの脱出を促し、ラッシュを確保。
 そこまで意図していたのか、おほほと軍との心理的な断絶まで引き起こします。
 まあ、それについてはちょっと違う効果がありましたけど。

 その後も、軍用炭鉱と思っていたのが反戦団体の施設だったり、敵のスパイと思っていたのが違ったり、炭鉱じゃなくダイヤモンド鉱山だったり。
 もう、結構ややこしい展開になってます。
 そこでもうまくやったクウェンサーが、ダイヤをくすねていたわけで、伏線。

 その後の戦場で、クウェンサー達は、『資本企業』の傭兵会社『戦場お掃除サービス』の人たちと出会います。
 彼女達、なんでか戦場で、猫耳付きメイド服っぽい服装(笑)。
 一応、「格好がアレなのは、まぁ、そういう需要があるから、そしてサービス業の哀しさってトコかしら」ということで。
 彼女達は本当に『資本企業』の者らしく、全てが金。なんせそこでは、「貯金の大小で人権の順位が変わる」んだそうで。
 クウェンサーが、くすねたダイヤで彼女達を雇うことを宣言したら、態度は一変。

 とどめの言葉を放つと、褐色の女はその場で跪き、顔の前で両手を組んで、瞳をキラッキラに輝かせてこう答えた。
「それを早く仰ってくださいご主人様!!」

 いやもう、いっそ清々しい(笑)。

 で、クウェンサーたちが首尾よく事態を収拾させたあとの終章。

「ウチのアイドル、エリート様はどちらに? いい加減に誤解は解けたんですか」
「……ええ、何とかね。情報のスペシャリストである我々に、その情報でダメージを与えようと考えるとは、あの『正統王国』の学生、なかなかに皮肉好きなようね。おかげで少しは興味が湧いてきた」

 そのガトリング033の周囲には整備用の足場が組まれており、そこに一〇歳ぐらいの少女が立っていた。
 若干の棘のような視線を残しつつも、彼女は無線を介してワイディーネ達に話しかけてくる。
『ね? みりょくてきな「とのがた」だったでしょう? おほほ』
「ええ。気前も良いし頭も回る。私、お客様に惚れちゃいそうです♪」


 この辺りのおほほの入れ込みよう、今後の展開が非常に楽しみですね。

ヘヴィーオブジェクト 巨人達の影 (電撃文庫)ヘヴィーオブジェクト 巨人達の影 (電撃文庫)
(2010/11/10)
鎌池和馬

商品詳細を見る

tag : 電撃文庫 鎌池和馬

コメント

非公開コメント

プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
アクセス解析中