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せいじ: 尖閣ビデオ流出の件

 尖閣諸島での事件のビデオがYouTubeに流出したわけですが、これは、日本にとっていいことではないですね。
 でも、日本ってなんでしょう?
 新聞やなんかの分析では、この事件における政府の対応が悪かったために、それを不満に思った現場の人が公開したのではないかとかいうのが大勢のようです。
 また、こういう意見もあります。
 勿論、現政権にとっては痛烈な打撃でしょう。そして、トラブルの相手である中国にとっても困った出来事です。
 でも、今回の件は、日本の国際的な立場を揺るがすことになります。

 こう考えてみると、公開した人の非難の対象は、対応のまずかった現政権だけなのでしょうか?

 私が思うに、その対象は、日本政府全体なのではないでしょうか。
 今回の件でのダメージが及ぶ範囲がそうなるからです。中国の益になるものではない。日本の一般国民にそう影響するものでもない。諸外国から不信感を抱かれるのは現政権に限らない。
 そしてそもそも、現状を招いたのは現政権だけではない。

 今日の讀賣新聞の朝刊から引用します。

 官公庁のセキュリティーに詳しい専門家は、「法律を犯してまで情報を漏らす職員はいない」という前提が、管理の甘さにつながっていたと指摘。「性悪説に立って、IDカードを使わないとパソコンが操作できないようにするなど、誰がいつ情報に触れたかを必ず記録するようにすることも検討すべき時期に来ている」と提案している。

 セキュリティに性悪説的な視点が必要なのはそもそも大前提で、今更言うことでもない気もしますが、今回の件を受けての指摘がこれではあまり意味がないですね。
 法律を犯してまで情報を漏らす職員がいるという前提に立ったら、アクセスログの記録とかはせいぜい「抑制」にしかならないわけです。全く無意味とは言いませんが、今指摘すべき内容ではない。
 関係する職員等の心が今のままでは、どんなにシステムを強固にしても無意味です。人間を完全に排除するのなら話は別ですが。

 諜報関連の職に就いている人は、映画やなんかに描かれているイメージとは異り、かなり厚遇されているそうです。彼等から忠誠心が失われたら、組織(国家とか)にとって致命的な打撃になる恐れがあるからです。

 2000年代初頭、日本の企業の技術者が、週末に韓国に赴いてアルバイトをしているという情報が話題になりました。これでかなり日本の技術が流れたそうですが、彼等は会社からの給料があまりに安くてそうするしかなかったという意見が多いようですね。

 最近読んだ本に、こういうのがあります。
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
(2010/09/28)
橘玲

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 この本に、こんなデータや解説が載っています(pp221-222, 引用時にグラフを表にした)。
 結局のところいまの仕事にどれほど満足ですか?あなたの友人がこの会社であなたのような仕事を希望したら、あなたは勧めますか?いまのあなたが知っていることを入職時に知っているとして、もう一度この会社のいまの仕事につきますか?いまの仕事は、入職の希望と比較して合格点をつけますか?
満足不満足勧める勧めないもう一度やりたい二度とやりたくない合格不合格
日本17.8%15.9%18.5%27.6%23.3%39.6%5.2%62.5%
米国34.0%4.5%63.4%11.3%69.1%8.0%33.6%14.0%
Lincoln, James R., & Arne L. Kalleberg [1990] Culture, Control, and Commitment- A study of work organization and work attitudes in the United States and Japan: Cambridge Univ. Press
小池和男『日本産業社会の「神話」』(日本経済新聞出版社)記載のデータより作成

 もういちど繰り返すけれど、これは雇用崩壊が騒がれるようになった最近の調査結果ではない。八〇年代は日本企業が世界に君臨し、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”と呼ばれた時代であり、一方のアメリカでは、家族経営を信条としていたIBMやコダック、AT&Tなどの大企業が大規模なリストラに追い込まれていた。それにもかかわらず、アメリカの労働者のほうが日本のサラリーマンよりもはるかに仕事に充実感を持ち、会社を愛し、貢献したいと思っていたのだ。
「日本的経営は社員を幸福にする」という、誰もが信じて疑わない「常識」はでたらめだった。日本人は、むかしから会社が大嫌いだった──。驚天動地とは、まさにこのことだ。

強調は原文ママ

 また、今はだいぶ薄れてきましたが、日本のコンピュータの世界では長いこと、ソフトはハードのおまけでした。
 でも、ある程度ソフトを重視するようになってきた現代では既に、ハードとソフト(プログラム)により作られた端末の上にソフト(コンテンツ)を合わせたサービス/システムで勝負する時代になっています。日本は相変わらず後手に回っています。

 未だに蔓延る体育会系の仕事のやり方。精神力、気力は、いくらでも出てくると思っていて、その根元が何なのか考えようとしませんね。

 ことほど左様に、日本では「形のないもの」が軽視されています。一体いつからなんでしょうね。

 ところで、こういう話で思い出したことがあります。今年の6月に還ってきた「はやぶさ」です。
 ↓こんな本を買いましたが、
小惑星探査機 はやぶさの大冒険小惑星探査機 はやぶさの大冒険
(2010/07/29)
山根 一眞

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マスコミによる6月13日までの華麗なスルーっぷりと対照的な、その後の掌を返したような持ち上げっぷりのあまりの白々しさにレビューを公開する気も失せてたわけですが。
 アレですかね。日本人が活力を持っては困る人達でもいるんでしょうか?

 戦後、GHQは日本占領政策の方針として、精神的な力を削ぐことに力を注いだそうです。彼等にしてみれば、資源とか何にもないちっぽけな国が何年も持ち堪えたわけで、その力の源をその辺りに見たんでしょうね。まあ、結局はその強みのせいで自家中毒を起こして自滅したとも言えますが。
 その流れが、未だに続いているのかも知れませんね。

 ↓こういう記事を読むと、
違いが分かる? 「○○女」と「○○女子」、「○○ガール」
相関関係と因果関係の違いのわからない無能、言い換えれば法則性のあるところに法則を見る妄想癖のある奴とか思ったりするわけです。陰謀論とかはそういうのと同じところから発生するのかな、とか。
 でも、そういうのをばかにしてる私も、上記のようなそれと同レベルのことを思ってしまったりします。
 だって、その行動があまりにも似ているし、利害関係の一致する層も存在するし。

 そういう存在のことを妄想してみると、冒頭に述べた「日本にとっていいことではない」というのは、「日本政府にとって」であり、「日本人にとって」「日本という国にとって」どうかというと、とてもいいことなのではないでしょうかね。
 我々の最大の敵は特定アジアでもロシアでもなく、日本政府なのではないかと思っていたりするものですから。

tag : 尖閣諸島 日本

コメント

非公開コメント

No title

まあ確かに当たってはいますよね、だからといって中共どもに国をくれてやるつもりはありませんけどね

Re: No title

石垣海保の人、逃げてー! という感じですね。

このブログ始める前のことですが、民主党政権になったら日本はなくなると予言したことがあります。
でも、今回の件で国民が目覚めるかも? どうやらマスコミも報道しない自由に固執するのをやめた風ですし。11/6のデモは報道しましたね。一緒に10/2,6のデモにも触れてます。

ですが、倒閣とか言ってるようでは甘い。
政治家を総入れ替えして憲法から作り直した新しい国家を作らないと、状況は変わらないと思います。
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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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