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マンガ: 『マンガ パソコン通信入門』感想

 マンガ図書館Zの作家応援キャンペーンで「永野のりこ先生キャンペーン」ってのがあったので参加。
 で、まず読んでみたのが『マンガ パソコン通信入門』です。どうやら1996年頃の作品だったようですが、出てすぐに読んだかどうかはもう憶えていません。
 原作があるのでどの程度が永野さんの色なのかよくわかりませんが、個人的には後半の展開は実に永野のりこ的だなぁと思いました。

 実際、やはりブルーバックスだけあって、内容はかなりしっかりしている……というか、いたと思います。さすがに時の流れの影響は大きいですけど。
 主な登場人物は、一応彼が主人公だと思うんですけどトオル君と、その彼女のユキさんの二人。ある夜トオル君はユキさんに電話をかけたのですが、いつまで経っても話し中。しびれを切らして家を訪ねてみたら、実はユキさんはパソコン通信をやってた、というのが発端。
 ……いやまあこの辺りで既に時代を感じちゃいますけど(笑)。

 この物語、パソコン通信に関してはユキさんの方がある程度先を行っていて、トオル君は全くの素人なんですね。だから、ユキさんが奨めてトオル君が始める、その悪戦苦闘の過程が「パソコン通信入門」であるわけです。

 ハードからソフトから、パソコン通信なのでサービスの使い方等までかなり詳しくかつわかりやすく描かれていきますが、途中から空気が一変します。
 そこそこ程度慣れて技術的には色々なことができるようになった……辺りの人がよくハマる所でトオル君も失敗してしまい、ユキさんとの仲がちょっとよろしくないことに。まあ、元々彼は、ユキさんに色々教えていた「ノイマン」なる人物にちょっとばかり敵愾心的なものを懐いていたというのもありますし。
 いやそれにしてもあのヒト、「ノイマン」とは大きく出ましたなぁ(笑)。

 しかし、色々あって結局、二人の仲は修復、というよりも雨降って地固まる的に大ハッピーエンドです。よかったね。

 この、最後の辺りの展開、実に永野節って感じがします。
 トオル君、かなり突っ走って無茶苦茶やっているのに、そのクライマックスシーンは、とても静かで暖かいものになっています。ギャグのようでいてほのぼの、というよりもほろりと来るような所がまさに永野のりこさん的、という印象。
 最後の「私も」のところなんてもう、ちょっと感動です。

 ところで、上で「途中から空気が一変」と書きましたが、本作は『パソコン通信入門』です。『パソコン入門』ではなく。つまり、テーマは通信であり、それは相手がいるということでもあり、であるからには、パソコンがつながったら終りではなくその先にいる人とのつながりまで描いてこそ入門であるわけですよね。
 ということは、やはりあの展開も脱線していたわけではなく、ちゃんと必要なことだったと言えるんでしょう。

 あとは、その後のオチがやっぱり永野的(笑)。

 ところで。
 私の永野さんの作品との出会いは、実に不思議でした。
 作品は『みすて♡ないでデイジー』だったんですが、本屋でふと手に取ったんですよ。理由はわかりません。平積みになっていたわけでもなく、棚に収まっていたのにふと目が止まって、なんとなく。確か3巻だったかと。1巻や2巻だったらそのまま戻していたかも(笑)。
 そういえば、なんとなーくかがみ♪あきらっぽいものを感じたりもしましたっけ。

 主人公の歩野(てくの(笑))はどー考えても頭がおかしいヤツで、何故かデイジー呼ばわりされているフツーの(自粛)につきまとうだけつきまとうという物語なんですけど、ラストは実に、無茶苦茶でありつつも歩野の勘違いやデイジー(違(笑))のちょっとした行動でとっても美しく終わるのが印象的です。
 そういえば、すげこまくんなんかもその系譜かな。

 とまあ閑話はこの辺りで休題して。
 上記のように本作『マンガ パソコン通信入門』はしっかりと「パソコン通信入門」しているわけですが、全編ちゃんと物語としても面白く、また長さとの兼ね合いもちゃんとしているというのもあり、普通に読み物としても面白いですね。

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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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