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ラノベ: 『天使の3P! ×9』感想

 なんだか、前巻に引き続いて、何かが起きる前触れ段階的な感じです。

天使の3P!×9 (電撃文庫)
蒼山 サグ
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 ところで私は、本作についてはこれまでに何度も言っている通りくるみのファンなんですが、実を言うと最近ちょっと桜花贔屓だったりもします。

 判官贔屓という言葉がありますね。
 源義経については、牛若丸としての人気と武将になってからの人気に若干違う意味合いがあると思うんですよ。前者は、小さな体で弁慶を翻弄する様、そして後者は、優秀でありながらも兄に疎まれる悲劇の武将。
 私の桜花贔屓には何となく、持っているモノの秀逸さ(何とは言いませんが(笑))に対して、残念と表現されてしまう不敏さが義経人気に近い感情を惹き起こさせているような印象が……(笑)。

 まあそれはおいといて、本編の感想を、まずは出だしについてから。
 いつもいつも紛らわしい始まり方をするのはもう様式美と言えると思うんですが、今回は割とあっさり、1ページめの2/3くらいでどういう状況なのかがわかってしまいます。つまり、響とくるみが怪しいことをやっているかのように見せかけておいて、実は単にお勉強しているだけだった、という。
 と思いきや、始まったのが『実妹検定』という変化球(笑)。
 いつもながらくるみの情熱には畏れ入りますし、【問4】は確かに難題です。しかしそれに正解する響は……ちょっと何と言うか……。

 さて、冒頭にも述べたように今回もさほど熱い展開があるわけでもないのですが。でも、リヤン・ド・ファミユは重要な一歩を踏み出したのかもしれません。
 本シリーズのこれまでも、各巻で様々な学びがあり彼女達の演奏は進歩を遂げてきましたが、今回はそういう意味での進展はあまりなかったように思います。
 ただ、そもそもリヤン・ド・ファミユというバンドは何でありどのようなものなのか、その本質を問うことになりました。バンドの方向性と言ってもいいし、文中では「色」という表現がなされています。それを見定めたのなら、いっそロックでなくてもいいとさえ。

 これは響がライブハウスでのバイトを通じて仕入れてきた見方です。まあこれまでもそうであったとも言えますが、響自身もリヤン・ド・ファミユのメンバーに教えるというだけでなく学んでいたというのが明確に描かれているということですね。
 思えば、彼の変化、進歩についてもいくつか描かれています。一章(PASSAGE 1)冒頭の、くるみと一緒のお出かけとかね。
 ところで、あのクリーニング屋のバイトさん、多分また出てくるんでしょうね。もしかすると重要な役回りで。

 で、桜花なんですけど。
 今回はPASSAGE 3で響と二人だけでデートだったというのに。……いやまあ、彼女的にはああいうところ、つまり釣りとかに一緒に出かけるのが一番だろうという意味でそう表現したんですけど。
 それなのに、ああそれなのにそれなのにあの展開。一体どうして水着の胸に手を突っ込まれるなんていうことに(笑)。
 いや勿論、相手は響なので必ずしも悲劇ということではないにしても。
 そういえば、口絵イラストの一枚が桜花ですね。

 ところで、くるみですが。
 響が色々と成長しているというようなことを言いましたが、そのためなのか、くるみについてはシリーズのこれまでとはちょっと違った描かれ方がされているように感じました。
 それは、変わっていく響を眩しげに見ているかのような描写だったり。あるいは、PASSAGE 3で響とやっと連絡が取れた時の言葉と声だったり。いや別に声は聞こえないんですけど。
 多分、後者についてはこれまででも同じことがあれば同じような様子を見せたでしょうが、この「×9」で描かれるとちょっと違った意味に受け取れます。

 とまあそんな感じの9巻でしたが、次巻では新たなガールズバンドが登場しそうです。それも、リヤン・ド・ファミユと近い位置で。
 まさかと思うんですが、そのメンバーって……?

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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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