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独り言: 読売新聞流グローバリズムに物申す

 読売新聞2017年1月1日朝刊(いや夕刊休みですけど)の社説は「反グローバリズムの拡大防げ」というタイトルでした。
 この「反グローバリズム」が「反グローバル」-ismなのか反「グローバル-ism」なのかは微妙ですが、文中に推進すべきものっぽい文脈でグローバリズムという言葉が出てくるので、多分後者でしょう。つまり、ここで対立の構図を描いているものは主義とか説とかそんなものであるわけですね。
 そして、「反グローバリズム」「ポピュリズム」「極右」をほぼ同列に並べています。それが読売新聞流の「グローバリズム」信奉ということなのでしょう。
 こういうのを見ると、昨年のイギリスの件を思い出します。あの時も読売新聞は、まるで「愚かな英国人達を正しい道に導いてやる」と言わんばかりの論調で非難、というか殆んど罵っていました。

 今回の社説は、「トランプ外交への対応が必要だ」という副題にある通りアメリカのトランプに主眼が置かれてはいますが、イギリスの時ほど相手が特定されていないせいかもうちょっと一般論的になっています。
 それでもまあ大体姿勢は同じで、何が普遍的な価値観かは決まっているのに、という論調です。

 ちなみにちょっと話はそれますが、「自由や民主主義といった普遍的な価値観」という表現も出てきます。
 まあ取り敢えずそれがありがたいのは普遍的ということにしていいとは個人的には思いますが、それらが普遍的であるという価値観は普遍的ではないですよね。その表現が出てくる個所でリーダーはアメリカとされていますが、そのアメリカが例えば中国みたいな国も成熟すればやがて自由と民主主義の国になるだろうと一所懸命支援して、結局今困ってるのに。

 話をグローバリズムに戻します。
 社説では様々な国の状況について述べ、反グローバリズムがのしてきているから何とかしないといかん、ということを言っています。で、それはなんでなのかということについては、

 自分たちはグローバル化の犠牲になったと感じる人々が増えた。移民や難民に職を奪われることへの危機感も相まって、排外主義や保護主義に同調している。

という風に分析しています。
 要は経済のことで、その前段では「生産や雇用が国内に流出する」という現象についても理由として挙げています。

 まあちょっと私見を述べるならば、前に言ったようなことを踏まえて簡単にまとめると、庶民が貧乏になり途上国にカネが流れてそれが先進国のグローバル企業に流れてそこに溜る、という構造ですよね。
 なお日本では固有の問題として、後者が発生していないために上はそのままでただ庶民が貧乏になるという現象が起きていて、それはつまりこれはもういつも言っているように、日本では概して、社会的地位が高いほど無能だからじゃないかななどと。

 さて、社説では少し後にこう述べています。

 保護主義を強めれば、雇用や生産が復活し、自国民の生活が楽になると考えるのは、短絡的だ。

 しかし、ではどうすればいいのかは述べていません。いや正確に言うと、グローバル化をもっと推進すればいい、というかそれしかないというのが結論です。

 いやね、そうは言うけどね。それ一体いつまで待てばいいの?
 まず、社説で言っている価値観が普遍的になるところから達成しないといけないし、現状を推し進めるとして一体誰が「技術革新」をするの? 先進国の人々が「犠牲になっ」ている状況で?
 それから経済以外の問題もありますね。社会が安定しない状況で、一体どうやってその夢のようなことを実現しろというのでしょうか。マスメディア等のエリートたちの語る夢物語のために庶民は我慢しろと?
 それが限界に来たからこその現状なのでは?
 長期的にはみんな死ぬよ?
 理想を実現したつもりだったかもしれないEUも、ヨーロッパとは異る文化圏を取り込んだだけであの始末なんですけど。

 上記のカネの流れにしろこのお花畑の夢物語にしろ、庶民を苦しめ「犠牲になったと感じ」させるような状態で、一体何ができるのか。実際に事に当たるのはその犠牲者たちなんですけど。

 ヨーロッパやアメリカ等では読売新聞が口を極めて罵る反グローバル化が起きているわけですが、そういう現象が表面化していない我が日本が"Karoshi"という言葉を生んだ国であるというのは、果たして偶然なのか否か。
 機械を導入するとカネがかかるから従業員がもっと頑張ればいいそうすりゃタダだみたいな経営者とか、庶民が「犠牲になった」と感じることを推し進めようという夢を語るエリートがいることと、関係があるのかないのか。
 改善すべき点はどこにあるのかについては、取り敢えず、ここまでに書いてきた中にあるんじゃないのかな、と個人的には言っておきます。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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