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独り言: 性とPCとイノベーション

 昨日書いたエントリ「『イノベーションはなぜ途絶えたか』感想」にはあからさまに書かれていないことがあります。
 妙な表現になっちゃいました(笑)。「あからさまに書く」の否定ではなく書かれていないということが明白ということなんですが、さりとてそこにそれがないのがあからさまであるってのもまた……。

 まあその辺は本題と関係ないのでいいとして、ではそこで一体何を書かなかったのかというと、結局問題はどういうところにあるのかということです。
 別に意図的に避けたわけではなく、話題が際限なく拡がっちゃいそうだしそもそも本読めば書いてあるしで途中で力尽きちゃったという感じなんですが、書かなくて正解だったかも知れません。なんせ、結局こういう話題になっちゃいましたから(笑)。

 ここ最近、このブログでいくつかの分野にわたって書いてきたこと、そこで指摘した問題点。
 そこには実は一つの共通点があることに、というかいつも共通のことについて突っ込みを入れ文句を言ってきていたということに、今更ながら気付きました。
 それは何かというと、事実や現実を重視しない姿勢についてです。

 主張していることが実際に事実であるかどうかとは、微妙に違う問題です。ここで言っているのは、嘘も百万回言えば事実になるとか、かかげた理想の前では事実なんてどうでもいいとか、そういうやり方、戦術、ポリシーのこと。
 例えば「性悪説を見直すべき時」で書いたようなことは、『イノベーションはなぜ途絶えたか』で言えば物理限界を軽視する態度に通ずるものがあるし、最近話題の"Political correctness"にしたって、理想はそうだけど現実は、……いやそもそもその「理想」は誰にとっても理想なのか実はそれが逆に問題を生んでないかという辺りで、その本で指摘している問題と共通点があるし。

 とまあこんな話になっちゃうと、なんか感想を書いても著者に怒られるんでは(笑)?みたいなところがあるので、まあ前述のように結果的には正解だったでしょうね。

 ここで言っている理想と現実という列挙は、実は、対比やギャップの問題ではありません。理想はそうだけど現実はこうで、という話ではないのです。
 その「理想」は、現実の延長線上にあるものなのか? そもそも向いている方向が違うか、むしろ後退していないか? そんな話。

 例えば、国境で諍いが起きている。国境があるからいけないんだ、国境なんてなくせばいい、という考え方はあまりに幼稚ではありますがあるにはあります。
 でもその境界は、面で起こる衝突を線に押し込めた、一つの進歩だったのではないでしょうか。ヨーロッパやなんかの連中がアフリカや中央アジアに勝手に引いた線と混同していないか。
 つまり、混ざってしまったら衝突する相手が日常生活の場の随所にいて、全ての場所が潜在的に諍いの場になるわけです。ならば、何らかの境界、物理的なものであれば(最終的には)国境線で棲み分けた方が、少なくとも衝突の場が限定される。
 そもそも衝突がないようにするというのであれば、多様性を放棄しなければいけないですね。で、それは本当に理想なのか。現実よりも進歩しているのか。
 宗教を、例えばカトリックに統一しなさいと言われて、イスラムの人や我々は納得できるのか。

 戦争などと比較するとどうでもいい些細なことかも知れませんが、人の趣味について勝手に覗き込んできて批判、非難、攻撃する人が増えてきています。まあ、覗き込むことが容易になったという事情もあるでしょうが、そこで持ち出す「正しさ」は本当に正しいと言えるものなのか。
 単にその人が嫌いなものであるというだけではないのか。
 嫌いなものを攻撃するためなら、例えば秋葉原で大量の児ポを見たとか言ってもいいのでしょうか。

 政策なんかを決めるときでも、現状こうでこうすればこうなるからこうすべき、という説明がちゃんとできるものがどれだけあるのか、何か疑問で仕方がありません。
 そういえば、昨日(2016-12-23)の日経新聞のコラム「大機小機」には面白いことが書いてありました。消費が増えないのは社会保障の不安があるからで消費税増税でそれを安定させれば消費が増えて景気が良くなるという説がありますが、それに対して反論するという、ほんとに日経か?という内容でした(笑)。簡単に言えば、合理的な消費者は長期的に税が増えて行くことで消費を抑えるし、合理的でない消費者は短期的に増税で消費を抑えるんじゃない?というそんな話。

 まあいずれにしても、世の中にはわかっていないことが大量にあるというかむしろその方が多分多いわけで、何かが正しいかどうかというのは、それが未来のことに絡んでいたりする場合特に、はっきりとは言えません。
 しかし、だからといって出発点である筈の現実を軽視する姿勢は、議論の出発点からして危うくするだけでなく、その問題提起自体の信頼性を失い自滅する危険を孕む、誰にとっても迷惑なやり方なのではないかと思います。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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