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ラノベ: 『ガーリー・エアフォース VII』感想

 ついに、「世界が閉じ」ましたね。

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 つまり、まだ描かれていないことは沢山あるし、今後の世界の行方を決めることになるであろう慧の判断と決断の詳細もわかりませんが、全体の構造も判明し、ザイが一体何者でどのように誕生していて、グリペンらアニマがどういう存在なのかについても明かされました。

 それにしても、面食らいます。
 まず冒頭、物語が始まるところ(及び各区切り)に場所や日付が書いてあるのですが、それが一体何年のことなのかは書いてない。登場人物も、蛍橋三尉って一体誰だ?とか。
 しかし話が進むにつれ、それがいつ頃なのか、世界はどういう状況なのか、そういったところは見えてきます。何より、グリペンが登場しますし。ただ、多くのことが前の巻まで展開してきた物語と違っています。
 特に痛ましいのが、イーグルです。蛍橋の怒りも尤もなのですが、私のような読者はこれまで描かれてきたイーグルを知っているのでショックも大きいですね。まあ、最後に意趣返しとも感じられる展開があるのですが。

 そして、人類とザイとの戦いももう決戦が近いという辺りになって、全てが一挙に物凄い勢いで明かされます。これは作中で謎が解けるという意味ではなく、まあそれもあるんですけど、読者に対して「彼等」が何者であるかが知らされるのです。
 この辺りの、まるで世界が一変するかのような描写の仕方は見事です。

 ところで、ザイがどのような経緯で生まれたかとか、アニマがどんなものかという辺りについては、ITに親和性の強い読者が好物とするものではないでしょうか。というかこれが好みでないようであればここまで読んでないのではないかとも思いますが(笑)。
 つまり、<実体>とか<影>とか<本質>とか<叡子>とか、そういう人が好みそうなキーワードです。最後のは多分作中で生まれた用語だと思うんですけど。
 あと、アニマの研究について日本が先んじている理由なんかも面白い。単なるご都合主義ではないんですね。擬人化大好きな人が多い国ですから。

 解けた謎と言えば、グリペンに色々と妙な手管を伝えた技本の人というのが誰なのかもわかりましたし(笑)。

 それにしても、本作の中で人類が辿り着いた領域ってとてつもないですね。なんですかあの「燃やす物」って。まるでダイヤモンドを燃やして暖を取るみたいな世界の終末感は酷い。そんなことができるのに、先はないんですね。
 そんな袋小路を避けるために慧は、一体どんな決断をしたのか?
 最後に一言だけ示されたその意思は、一体どのようなものなのか?
 あのように宣言した慧はどのように「世界を救う」のか?

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水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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