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読んだ: 『戦争が大嫌いな人のための 正しく学ぶ安保法制』感想簡易版

 簡易版と言っても詳細なのを書く予定もないですけど。

戦争が大嫌いな人のための 正しく学ぶ安保法制
小川 和久
アスペクト
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 実は『日本人が知らない集団的自衛権』も読んでたりしますが。

 この人の文章って、なんだかもどかしいんですよね。どうしてかというと、Q&A形式になっているのに答えていないことがあるから。
 多分、考え方が真っ当だからだと思うんですよね。でも、この手の問題って真っ当に考えて真っ当に答えても意味がないこと多いじゃないですか。

 例えば、これは『日本人が…』にもありましたし何度も答えているらしいのですが、集団的自衛権と集団安全保障の話。混同されていることを問題視しているのはわかるし、そもそも問い自体がおかしいというのもわかる。
 しかし、あと一歩、というか半歩踏み込めばいいのに、と思うんですよね。
 集団的自衛権は「権利」であり、集団安全保障は「体制」「仕組み」であるからそもそも次元が違う。わかりました、つまり「50Kg+30m=?」みたいな計算はできるわけないということですよね。
 ならば、集団的自衛権の発動としての行為と集団安全保障の体制に組み込まれたことで実行に移すことになる行為とはどう違うのか?
 上で「半歩」と言ったのは、ここで国連憲章等も登場して説明があるのに、もう一方が「もうわかるよね?」的になってしまうからです。

 あるいは、憲法9条(特に第2項)がそもそも前文やそこに語られている理念から掛け離れている、つまり違憲であるという指摘。
 これも、もう半歩欲しいんですよ。
 憲法が掲げる平和主義、国際協調。国連加盟、条文を否定していないこと。国連憲章が認める(集団的)自衛権。
 このように順を追って自衛権が認められることを提示し、よって9条がおかしいと結論づける。
 しかし、それは結論に辿り着いたとは言えません。何故なら、自衛権の行使に武力行使を含む可能性について論じていないからです。それを証明しない限り、9条が違憲であるという結論には至りません。

 いや、これは別に数学的な完全性を追求しているわけではなく、本当にそれを求める人がいるからなんですけどね。
 抵抗をしなければ攻めてきた相手も許してくれるというような、敵に武士道精神を期待する人とか。そもそも武力があるから攻めてくるんだというような、言霊信仰の親戚みたいなことを言う人とか。話せば分かるんだというような、(聖徳太子の)憲法みたいなことを言う人とか。
 いますよね。

 だからこの本は、『普通の人のための 正しく学ぶ安保法制』とは言えるかも知れませんが、「戦争が大嫌いな人」のための本と言えるかどうか、なんか微妙です。
 だから、もどかしいんですよね。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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