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読んだ: 最近読んだ本 - 2016.5

 このタイトルだといつもは読んだ感想なんですけど、今回はちょっと違います。
 いや、感想は感想なんですけど、本の中身ではなくて。いや、中身は中身なんですけど、伝えている内容よりも伝え方について。
 紹介するのは次の二冊。基本的にはこれらを比較し、前者を賞賛し後者を批判するエントリとなります。

「表現の自由」の守り方 (星海社新書)
山田 太郎
講談社
売り上げランキング: 15,469


日本会議の研究 (扶桑社新書)
菅野 完
扶桑社 (2016-04-30)
売り上げランキング: 112

 でも、この『日本会議の研究』はあまり批判したくないんですよね。何故かというと、妙な誤解をされそうで。私は決してネトウヨではなく……あれ? そういえば私はいつもそれを自称してるじゃないですか。いかんいかん。わたしはネトウヨ……(加藤のマネ(笑))。

 ともあれそういうどうでもいい話はこのくらいにして本題。
 このブログでも「勝手広告」なんかやってるくらいだから、『「表現の自由」の守り方』の山田氏のことは高く評価しています。まあ、これを読んだからという部分もありますが。
 この本は基本的に、山田氏がこれまでどのような攻防を繰り広げてきたかということが書かれていると考えていいのですが、それだけでも参考になる面があります。それは何故かというと、何があってどうしてどのように対応したのかが書いてあるからです。
 つまり、極めて明確に「意味」「理由」が説明してあります。

 対する『日本会議の研究』は、伝えている内容はともあれ、どうにも文学青年の綴った夢物語みたいな印象を与える文章なんですよね。

 理由は比較的明確です。この菅野氏の文章は、いきなり何かを前提として話を始める部分がよくあるのです。みんなそう考えてるのが当たり前だよね?という姿勢で。誰が考えたのか知りませんが、帯の煽りからしてそうです。
 だから、いくつも続くそういう部分で一ヶ所でも考えの違うところがあると、そこでちょっとした反感が生まれてしまう。
 最初に比較と断っているのであからさまにやっちゃいますが、その点で山田氏が違うのは恐らく、明らかに当たり前と思われ勝ちなことをひっくりかえさないといけないからではないでしょうか。もしくはそれができるから実績があるのかも知れませんが。
 児ポは許せないよね? 青少年は健全に育成されるべきだよね? 有害な漫画があるのは良くないよね?
 このような、反論を許さない看板を掲げてやってくる相手の、実は子供の保護なんてどうでもいいように見える行動や嫌いなものを消し去りたいだけのように見える行動や相手を黙らせたいだけに見える行動を押し止める。それが彼のやろうとしていることなので。

 これは、『守り方』巻末で対談している漫画家の赤松健氏にも言えることですが、山田氏には真っ向からぶちあたって力業で物事を進めようとするのではなく、そうなるよう仕向ける道を探すような面があります。
 なんでもそうですが、力で押え付けたものには歪みが生じ、反発力を秘めているものです。だから押え続けなければいけない。
 この二人はそういうところがわかっているように感じます。
 だからなのか、二人のやることはなんだか「打ち負かした感」に欠けるところがあるようにも感じます。

 ところで、私は大概の政治家を「政争業」と考えています。特に野党がそうですが、国会などで派手にぶちかまし、結果はどうでもよくてとにかく足を引っ張ることしか考えていないようにしか思えない。テレビに出ても、相手を遮ってでもとにかく騒げば議論をしているように見えるとでも思っているのか。
 以前、某政治家のために運動をしている人に聞いたときには、とにかく相手を打ち負かさないと支持者が満足しないんだとか言われて開いた口が塞がりませんでした。

 さて、『研究』の菅野氏ですが。
 そもそも文体が、何となく煽り調なんですよね。ドキュメンタリー風ドラマの「語り」みたいな感じで。また、唐突にインタビュー相手との対話が挿入されたり、人物の印象が書き添えられていたり。
 だから、まあ研究はしたのかも知れませんが、その文章は研究報告というには雰囲気を盛り上げようとする演出が過多です。はっきり言うと、読むのが苦痛でした。
 ただ、そういうことを言うと、山田氏の本は文字の装飾(太字とか大きい文字とか)が過多な気もしますが(笑)。

 読む側について言えば、山田氏の文章は技術屋やなんかの理屈っぽい人や現実主義者に好まれそうだし、菅野氏の文章は理想に向かっての革命とかを夢見るような人に好まれそうな感じでしょうか。
 そして、私は後者のような人はあまり好きではないし、そもそもそのような人は、頑張ったという結果は残せても実績は皆無なんてことになりがちだし。

 というわけで、二冊の比較はこんな感じになりました。

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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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