FC2ブログ

マンガ: 『微熱空間 1』感想

 これが先日もう一冊手元にあると言った作品です。

微熱空間 1 (楽園コミックス)
蒼樹 うめ
白泉社
売り上げランキング: 251

 が、いくら「ゆっくり読もう」としてたと言っても、今日までかかったわけではなく、実はあの後すぐに読んでます。
 でも、その後色々忙しくて、感想を書こうとした日にはちょっと割り込みで別のこと(松智洋さんの訃報)を書いてて、翌日はまたちょっと別のことをやってて、結局今になってしまいました。

 まあそんな事情はどうでもいいことですね。
 本作は『ひだまりスケッチ』で有名な蒼樹うめさんの……何て言うんでしょう。ストーリー漫画? 四コマじゃないですし。

 主人公の亜麻音は、父親の再婚により弟ができると楽しみにしていたのですが、その「弟」になった直耶はわずか三日誕生日が遅いだけでした。ショ……いや、可愛い少年を想像していた亜麻音は期待が大きかっただけにむくれてて、互いに名字に君/さん付けで呼んでたのですが、そういう事情がある日直耶にも知られるところとなり。
 というわけで、無理やりお姉ちゃんと呼ばせた(実際には「姉ちゃん」でしたが)ものの、じゃあ自分は弟を何と呼ぶのかと言われて「直耶」と呼ぼうとするも無理であることに気づき、結局振り出しに戻る(笑)。という始まり。
 そんな経緯を知らない父親に進展がないと言われた直耶のモノローグが秀逸。

違うんです
三歩進んで三歩下がった感じです
お義父さん


 ただ、上記では亜麻音を主人公としましたが、直耶もほぼ同格の感じです。一応プロローグ的な第0話が亜麻音のみだったのでそう書きましたけど、実際には直耶の感じるあれこれも含めて「微熱空間」だと思うので。
 そんな二人の微笑ましい、でもちょっとハラハラするようなもどかしいような、そんな生活が描かれるのが本作。
 また、やはりあくまでも「微熱空間」なので、ラッキースケベ的な要素はありませんね。強いて言えばカバーを外した辺りで起きてはいるようですが(笑)。あと描きおろしの第7.5話とか。
 郁乃の下着姿はありますが、あれは物語的に必然/必要性があるものだし。

 というような二人の関係を微妙にかき混ぜてくれるのが、亜麻音の友人の郁乃。
 この郁乃が曲者で、どう見ても亜麻音に特別な感情を持っています。だから、亜麻音の家に乗り込んで直耶を威嚇したり色々するわけですが、自身の哀しい宿命にすぐに気づいてしまいます。
 そんな郁乃なので、その後も悩みは尽きません。亜麻音のためにと色々やっても結局墓穴掘っちゃうようなところがあります。その空回り振りが郁乃の萌えポイントかも。

 さて、そんなドキドキ感を別の面から強烈にサポートしているのが、その絵柄です。
 前述のように本作では、ほぼエロ成分が排除されています。でも、それで全く健全で平常な日常となるかというと、そうはならないのですね。というか、それでは「平熱空間」になってしまいます。
 その辺りの絶妙な雰囲気を醸し出している要素の一つが、亜麻音の描き方だと思います。

 まずはそのスタイル。
 特筆すべきは肩でしょうか。あまりなで肩でなく微妙に肩幅があることが、その辺りの細さを際立たせていると同時に、首周りから胸の辺りのゆったり感を生み出しています。また、細い首とあまり強調されていない胸も重要ですね。
 続いて、服装。亜麻音の通う春日野女学院の制服にはどうやら、基本はセーラー服なのですが、胸当てがないようです。誰もしていないので。
 また、こちらは亜麻音の趣味かも知れませんが、家にいるときの普段着でも首周りが開いているものが多いですね。

 つまり、これはもしかすると作者さんが某所で培ってきたノウハウなのかも知れませんが、直耶目線で亜麻音を見たとき、エロ成分なしでどきっとする感じが(男性)読者に伝わるようにするために強調すべきところが見事にデザインされているということです。具体的には、首の辺りから鎖骨、細い肩といった部分ですね。キャラ的にも服装的にも。

 ということに更に加えて、本の装丁にも力が入っている感じです。
 白い背景、タイトルロゴのチェックっぽい線と配色、カバーの人物の部分の……何というのでしょうか、つるっとした感触の加工。なんかもう、これでもかという感じですね(笑)。これはもう、飾っておくにもいいくらい。

 という風に微熱な空間が見事に描かれた本作。
 さすが、という感じですね。

コメント

非公開コメント

プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
アクセス解析中