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ラノベ: 『ガーリー・エアフォース 〜5』感想

 ずっと積んであったんですけど、先日どっかで紹介されているのを見て読み始めたら止まらない(笑)。

ガーリー・エアフォース (5) (電撃文庫)
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 というわけで一気に5巻まで読んでしまいました。
 最初、当時作者さんが艦これにハマっているという噂を耳にして何となくそういう方向かと思ったのですが、むしろアルペジオ(アニメ版)に近い感じ? 小説と比べるのなら艦これはアニメかな。そうするともっと離れちゃうかも。
 というわけで、以下簡単な紹介と、あとはとりとめもなく書き散らす感想です。

 物語は、主人公の慧の母親の乗った飛行機が撃ち落とされてしまうところから始まります。場所は中国奥地、彼女は元海上保安庁でパイロットをしていて、ショーのためにプロペラ機を操縦していたのですが。
 その時現れた、まるでガラスか何かでできているかのような謎の航空機及びその集団はその後「ザイ(災)」と呼ばれることになりますが、5巻まで来ても相変わらず謎の存在です。勿論、当初よりは色々わかってきていますが。

 その事件自体は序章の序章のようなもので、章タイトルは「原風景」とされています。
 襲い来るザイから逃れた慧と、慧が中国に移住して間もないまだ小さかった頃から一緒にいた明華(ミンホア)は、「原風景」から二年後に上海でまたザイの襲撃に遭うのですが、その時、ザイには圧倒されるばかりの人類のものとも思えない航空機が登場。
 それが、どういうわけか慧が後にずっとコンビを組むことになるグリペンでした。

 さて、ここでいきなり脱線。
 しばらく前、「彼等は何に抗うのか」と題するエントリを書きました。まあ一言で言うと、小説等の登場人物に降り懸る苦難は、ともすれば苦難のための苦難、つまり物語を成立させるための逆の意味でのご都合主義になってしまいかねないということです。
 今でこそおおいにハマっているSAOも始まったときにはちょっとだけ心配でした。まあ、あの作品の場合はやらかしているのが茅場という人間だったのでまあ大丈夫だろうとは思いましたが。

 ここでまたもやいきなり話を戻します。
 人類にとっての文字通りの災厄である「ザイ」ですが、どうも彼等には何らかの意図があるらしいことが描かれています。単なる自然災害やそれに近い異形の存在とは違う。またもうひとつ、これは重要なことなのですが、彼等が抱いているのはどうも「悪意」ではないらしい。
 目的が同じであっても立場や価値観の違いから対立するのはよくあることですが、これもそれに近い齟齬のような様子です。
 元々はその辺については、この作者さんの別のシリーズがSEをテーマにした作品であり、ザイの在り方というのもIT系っぽい感性から生まれてる感じがするなぁという受け止め方だったのですが、意図してなのかたまたまか、そのような描写により上記の脱線部分に書いた問題から逃れているな、と。

 ITがどうこうということで言えば、本作もエンジニアが活躍しているのが読んでいて楽しいところですね。まあ、こちらはITだけでなくメカニカルなところまで含めてですけど。なんせ、飛行機ですから。

 その「飛行機」がヒロインというのが(笑)。
 ザイに対抗するための人類の希望、それがアニマとドーターです。ドーターはつまりは戦闘機なんですが、アニマは、これまたよくわからない。作っている人たちにもよくわかっていない。
 なんせ、謎の敵であるザイから作ってるらしいですから。
 他にも、アニマは戦闘機の「魂」だとか「付喪神」だとか作中でも色々言われていて……でも、どうして女の子(笑)?

 さて、アニマ(とドーターは一体らしいですが)は、作中最初に描かれたのがグリペン。その後イーグル、ファントム、バイパーゼロ、ライノ、ベルクト、ラファールと5巻まででこれだけ登場しています。まあ順番ちょっと違うかも知れませんけど。
 筆頭は5巻でメインヒロインであることが明されたファントム(※個人の感想です(笑))ですが、上に書いた順で4機めまでの日本産と比べ、アメリカ生まれのライノ、ロシアのベルクトは幸薄い存在で、フランスのラファールもすぐに退場かと思わせ、でもやっと仲間が増えたという難しさ。
 いやでも実際、ファントムってやっぱり一番ですよね?
 だって、黒い(笑)し、でも一所懸命だし、そもそも黒いということは賢いし、ツンデレの素質があるし。いや、ツンとはちょっと違うかな。そして5巻では色んな側面を見せてくれた上に、最後の最後にだめ押ししてくるし(笑)。

 そのアニマやザイは、何だか「あっちの世界」にいるような存在です。
 いきなりそう書いても誰にもわからないでしょうけど、本作では戦闘機がガンガン空中戦をやるけれども、でも最も重要なことはいつも、現実からちょっと離れたような別のところ、別のレイヤーで起きている。
 実はこの作品の一番好きなところって、その感覚なんですよね。物事の裏で起きていることとか、ちょっと前に感想を書いた『番長惑星』の感触にも似た、でももっとずっと不思議な、それでいてファンタジーよりもサイエンスを感じさせる世界。
 ある意味、先日訃報のあった小山田いくさんの作品と構成要素が似ているかも知れません。

 その他、慧が結構頑張ってくれるとか、カラビ・ヤウ(5巻p131)ってたまたまこの間読んだに出てきたなとか、慧さんなんでそれわかるの(5巻p171)とか色々あるんですが、ただ一つ。
 明華が不憫すぎる……(笑)。
 いや笑っちゃだめか。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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