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ラノベ: 『ソードアート・オンライン 17 アリシゼーション・アウェイクニング』感想

 曰く、

「女のひとばっかり……」

だって(笑)。

ソードアート・オンライン (17) アリシゼーション・アウェイクニング (電撃文庫)
川原礫
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 つまり、キリトを助けるためにリアルワールドから駆け付けてきた人たちについてのことですが、その呟きを聞いたシノンの反応がまた……(笑)。

 まだまだこんなもんじゃないわよ、とこっそり苦笑しながら、(略)


 さて、前巻の感想で書きましたが、今回はやはり予想通り、というか予想以上にかなりヤバい状況になっています。悲惨と言ってもいいくらいに。特にリーファなんて一番の貧乏くじをひいてた感じですね。それに、あのアスナが遂に、「誰か、助けて」と弱音をはくほどに。
 それも結局、まさに前の感想に「フラグ」と書いたことが現実化しているようです。つまり、アスナがこのように考えていたこと。

 アスナは、強い決意が胸中に満ちるのを感じた。キリトが目覚めた時、笑顔でこう告げるのだ。大丈夫、何もかもうまくいったよ。キミが守りたかったものは、わたしとみんなでちゃんと守ったよ、と。

(16巻 p302)

 多分、キリトとアスナは二人でひとつなのに。

 というわけで、英雄キリトの覚醒を待望する、そんな流れがずっと続きました。みんな頑張っている。しかし、やはり足りない。
 キリトがいなければ。

 そしてもうひとつ感じたのは、本当にこの物語(アリシゼーション)は、舞台も登場人物も大きく変っていても、『ソードアート・オンライン』シリーズなんだなということ、に更に加えて、その総決算になりそうだなということです。あ、これじゃ二つですね。
 なんせ、過去の重要人物もどんどん登場して、ラフコフのPoHとか、名前や係累だけなら須郷まで出てきましたし。
 だから、今回のことを彼等が乗り越える時、本当にシリーズの最初から投げ掛けられていた問い、例えば「人とは何か」のような問題に答えが出されそうな感じです。まあ、答えが「ある」かどうかはわかりませんが。それに、リーファなどはその野性のカンで一つの答えに到達しているような。
 それにしても、PoHがSAO時代にやっていたことにあんな裏側があったとは。本当に恐ろしい人物です。

 そのキリトですが、この巻でも最後の最後になるまで殆んど眠ったままです。ただ、途中で大きなヒントが出てきて(p92)、それに気付き行動に出た人もいます。リアルワールドにいる比嘉と神代凛子博士です(p195)。
 博士が「主体と客体って、そんな簡単に切り分けられるものなのか」「自分の中の他人、他人の中の自分……それらはある程度、ネットワーク的に接続しているところがある」と言ったことで、彼は気付いたのです。

「……セルフイメージの、バックアップ」
 呟き、がばっと顔を上げた時にはもう、情けない自己嫌悪はどこかに消え去っていた。
「そうか……ある、あるッスよ、桐ヶ谷君の、吹っ飛ばされちまった主体を補完できるデータが! 彼に近しい人たちの、フラクトライトの中に……!!」

(p199)


 さて、多分その考えは、作中では原理的には正しいのでしょう。しかしそこでは、アスナを始めとする「女のひと」(やクラインやエギルとか?)を想定しているのではないでしょうか。
 それで、足りるのか?
 これまでシリーズ全体を通して描かれてきたキリトは、彼女達の描く「英雄」キリトであったのか?

 今回、彼女達と同じくらい熱い視線をキリトに向けて来ていた人物が登場しています。
 彼がSAOの頃からずっと見てきた、例えば「ブチ切れて二人もぶっ殺した」キリトも、やはりキリトである筈。

 ラストでキリトに目覚めを促していた声の中には、彼のものもあったのかも知れません。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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