FC2ブログ

艶漫画: 『ステークホルダー』感想

 この手の文章には別の場所を用意する予定でいたのですが、この年末年始は予定外のことが重なって、以前触れたそっち方面の計画はやっと始まったばかりです。
 というわけでまた今までみたいに書いてたり。

ステークホルダーステークホルダー

サークル:春待氷柱(Official)

 で感想なのですが、なんだか途中から別の作品を思い出してしまって……。

 サークル春待氷柱さんのこれまでの作品は百合エロマンガだったわけですが、今回のはそれらとは微妙に違いますね。言ってみれば「百合+エロマンガ」という感じ。もっと言うと、「(百合+エロ)マンガ」というよりもむしろ「百合+(エロマンガ)」という感じ?
 つまり、エロ部分の多くが、集団の男たちにヤられちゃう描写なので。
 まあ私としてはそういうのもアリなんですが、事前に市町村さん自身からのリークがなければちょっと驚いたかも知れません。

 それでもやっぱり主体は百合、それもいつものように壮絶な関係なんですが、その主人公はどういう人かというと、アイドルの美空とそのマネージャーの夏美です。
 この二人はつまりそういう関係(笑)だったんですが、ある日二人がいたしているところの写真が、脅迫と共に社長のところに届きます。
 社長は「業界の関係者」に相談し、美空に枕をさせれば協力してくれるということに。
 でも、最初から美空に惚れ込んでいる夏美がそんなことに耐えられる筈もなく、見ていられなくなった彼女は自分が身体を差し出せば少しは美空の負担が減るのではと、自らご奉仕を始めるのです。
 こっちはマネージャーなんで、男たちも調子に乗って薬なんか使っちゃったりして。でも、美空のかけてくれた言葉に幸せになっちゃいます。

 さて。
 ここまでの流れは(実は!)前社長の娘である夏美を追い出したい社長が、鬱陶しく言い寄ってくる夏美を追い払いたい美空と一緒にでっち上げたものだったのですが、まあこんな小物のことはスルーするとして(笑)。

 夏美の仕事にミスが多いことまで含めて全部、美空が夏美を手に入れるために仕組んだことでした。
 夏美がおかしくなっちゃって、美空がずっと面倒を見なければいけなくなっても、それはつまり美空がずっと面倒を見てやることができるということであるわけで。

 ところで、二人は最初に会った瞬間から惹かれ会っていたわけですが、夏美はともかく美空がなんで夏美に惹かれたかというと、回想の描写によればそれは多分、彼女が一瞬で美空の本質を見抜いていたからでしょう。
 そんなわけで、今回のことも結局同じことなんですが、ここで、私ならこうするなぁ、と思ったところがありました。
 それは、モノローグで夏美が

バレていないと思ってるのかな、美空…

と語った部分です。

 ここの台詞、「それでこそ美空」、みたいな方向にした方がいいかな、と思いました。ここまでどんでん返し的な描写が二つ続いていたので、そのくらい迂遠な言い回しで夏美が見抜いていたことを表現した方がくどくないかな、と。
 ただそうすると、夏美と美空が対等じゃなくなっちゃうんですよね。夏美の方がちょっと上位になってしまう。
 また、それだとちょっと夏美の毒が抜けちゃうかな、というのもありますね。そうすると、ちょっとらしくなくなってしまう。
 そんな風に考えると、やっぱり今のままの方がいいのかも。

 というようなことを考えて、どうしてそうしたいと思ったのかを考えてみたら、昔読んだ小説を思い出しました。
 それは、栗本薫の『猫目石』です。……って、これ角川に移ってたのか。
 作中で(登場人物の)栗本薫は、アイドル歌手の麻衣子に一目惚れされています。それは薫が彼女の本質を一瞬で見抜いたからだったのですが、彼(作中の栗本薫は男性)がその上で麻衣子を愛したのは、その陰の部分があったからこそでした。

「彼女はあの男のためにゆがめられも、汚されもしなかった」

 伊集院が麻衣子の過酷な運命に悲しんでも薫はそう言ったし、また、

血の匂いのする少女。なんとぶっそうに、しかしなんとあでやかに君は愛するのだろう。

全てを知った上で彼は麻衣子をこう賞賛しています。
 このままだと結局、上記と、つまり夏美が美空の上位になってしまうと思ったのと同じように薫が麻衣子の上位に位置してしまうわけですが、こちらでは更にもう一度全てが引っくり返ってしまうので……。

 まあ、そういう話はおいとくとして。
 エロは野郎とのものが主体だったとしてもやっぱりメインは百合、それもこのサークル、というか市町村さんらしくかなり毒のある(自分的には)ハッピーエンド。
 そういう意味では、本作なんかはエロマンガ用のカテゴリじゃなく普通の漫画カテゴリで扱っても良かったかも知れませんね。
 まあ、それでもやっぱり違う意味で成年向け作品かも知れませんけど。

tag : 同人 春待氷柱

コメント

非公開コメント

プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
アクセス解析中