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独り言: 鏡は左右だけ反転する?

 今日(2015-09-20)の読売新聞の朝刊を読んでいたら、奇妙な話に出会いました。11面にある「よみうり堂」という書評コラムで、脳研究者の池谷裕二氏によるものです。
 空間定位感覚に関連する話なんですが、記事のタイトルが「鏡の世界 上下反転しないのは」となっている通り、鏡映がテーマになっています。

 奇妙な、と感じたのはこの部分に「たとえば」として例示されている一つの「謎」です。

 え?鏡映が反転するのは当たり前で不思議なことではないって? いえ、これはとんでもなく不思議なのです。たとえば、左右は反転するのに、なぜ上下方向は逆転しないのでしょうか──。この謎は深く、古代ローマ時代から問われ続け、そして、現代でも解明されていません

(強調は引用者による)


 え?そんなの当たり前で不思議なことではないでしょ? なのに、現代でも解明されていない? そんなバカな。

 現代でも解明されてないって、この人が知らないだけなんじゃないかとも思ったんですが、このコラムでは『鏡映反転』という本を紹介していて、紹介しているからには多分読んでいて、ということは鏡映をタイトルに冠した本にも書いてないと言うことでしょうか。
 じゃあ、私の考えが間違っているのでしょうか。
 それでは取り敢えず、私がどう考えているかを書いてみましょう。

 わかりやすくするために、立体を映す場合を想定します。最もわかりやすいのは多分、自分自身が鏡の前に立っているところを想像することでしょう。

 上下は反転しないのに左右が反転している。まずそれは正しいのか。
 上下が反転しないと感じるのは、上、つまり上記の想定なら自分の頭が上に映っているからです。とすると、その言い方なら、右手が右に映っているのだから左右も反転してないでしょ(定義の問題)。
 じゃあ、なぜ左右が反転しているように感じるのか。
 鏡の向こうにあるかのように見える像と、映されている方の実体を比較するとき、人はどうしているでしょうか。上下に延びた縦線を軸に180度回転させて重ねようとしていませんか(心理的な問題)?
 この比較方法には、上下と左右に対称性がありませんね。そりゃ話がおかしくなるのは当たり前です。

 実体の側と虚像を比較するとき、そのまんま、真っ正直に並行移動して重ねればいいんです。そうすれば何が違うかがわかります。

 鏡映の像は、奥行き方向で反転しているんですよ(物理的な問題)。

 あまりに当たり前すぎて誰も話題にしないのかと思っていましたが、現代でも解明されていないということは……。まさかここに辿り着ける人がこれまでにいないとも思えないし、実はもっとすごい謎が隠されている?
 池谷氏は脳の研究者だそうですから、上記の比較の仕方のクセにも気づいているでしょうし……。

 でもどうにも私には、ただ単にこの人(ともしかすると『鏡映反転』の著者も?)が気づかないだけなんじゃないかとしか思えないんですけどねー。

[追記]
 検索してみたら、結局こういうこと、つまり上記の三点の問題(問題を指し示す註も追記しました)のせいでもういいような気がするんですが、まだ何か疑問があるんですかね。
 まあその三つは並列じゃないですけど。定義の問題は心理的な問題から発生するでしょうから。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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