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ラノベ: 『最新のゲームは凄すぎだろ 〜4』感想

 実は大分前に(多分出たときに?)1巻だけ買っていたのですが、ずっと積んであったりしました。で、何を思ったか読み出したら、つい4巻まで読んでしまいました。4巻は、今月発売ですね。

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 出発点は、非常に既視感を覚える設定。まあ道具だけですけど。
 主人公は、『アナザーワールド』というVRMMOゲームのクローズドβテストに応募しました。これは、某アニメ化されたラノベにあったように、ヴァルギアと呼ばれる機器を通して仮想現実内でプレイできるゲームです。
 彼は、その目つきや表情のせいでずっとぼっちだったのですが、その境遇に甘んじているわけでもなく。あるときこのゲームのテストのことを知って、その話をしていたクラスメイトと一緒にβテスターをやれば、彼等と友人になれるのではないかと目論みます。
 そして抽選を見事勝ち残ったのはいいんですが、その時やっと自分の計画に大きな穴があったことに気づきます。
 当選できたのは、彼独りだったのでした(笑)。

 さて、タイトルと紹介文からわかるように本作は、VRMMOゲームだと思ってプレイしていたら実は本物の別世界に行ってた(笑)という小説です。それで1巻ではずっと、まああちらの世界のルールを考えるとチートのようなもので英雄になる展開。
 で、彼はゲームだと勘違いしつつ、実はとてつもない偉業を成し遂げていました。魔道師ケイオス(笑)がこんな偉業を! でも本人はゲームと思ってるのでそんなノリでやってた、という文体です。

 私としては、主人公がずっとゲームだと思ってるラノベかと思っていました。……何だかメタな感じ(笑)。

 実際に本格的に話が展開し始めるのは2巻からと言っていいでしょう。1巻まるごとプロローグのようなものですね。
 何となれば、メインヒロインと考えて良い人物であるアレクシア様が登場するのが2巻になってからだからです。ぶっちゃけ、ここでその後の展開を考えたのじゃないかと私なんぞは思っていますが。1巻時点では一発ネタで。

 そして、思っていたのと違うことが結構沢山ありました。
 例えばまず、ケイオスが剣で戦うのではなく魔道師であること。
 また、1巻がクローズドβテストで、2巻がオープンβテスト、3巻からが正式なサービスであり、ケイオスのレベルが都合二回リセットされること。
 そして何より、ヒロインが多分、アレクシア様一人であること。

 何か上で無意識に「メインヒロイン」と書いてしまいました。実際、ケイオスの周囲には、サポートAIのテミス、アレクシア様の侍女のイレーヌ、お姫様のロズリーヌ、エルフのコーネリア等と沢山の女性キャラがいます。
 しかし興味深いことに、フラグが立っている(笑)と考えていいのは多分、アレクシア様一人だけです。

 アレクシア様は前述のように2巻から登場する、多分12〜3歳くらいの貴族の少女です。
 彼女の住んでいるヴァイクセル帝国は魔法の先進国で、国を担う貴族などは魔法が使えることが大前提になっていて、彼女もそっち方面専門の学校に通っています。しかし彼女は、魔法をほんの少ししか使えません。そして悪いことに、何とか使えるようになろうと努力している内に座学だけは誰にも負けないくらいになってしまい、そのことがむしろ周囲から疎まれる理由となってしまっています。
 そんな彼女がケイオスと出会うわけですが、彼はゲームのプレイヤーであり、『アナザーワールド』のゲームシステム等様々なことを知っています。そのため、どうしてアレクシア様が魔法を使えないのかも知ることができて、ではどうすれば良いのかもわかってしまいます。

 結果、彼はアレクシア様から「先生」と呼ばれるようになります。まあ、彼は彼女の侍女のイレーヌから、身分の高い彼女のことを「様」を付けて呼ぶように言われてずっとそうすることになりますが。

 ケイオスの周囲にいる他の女性キャラが彼に特別惹かれるようになるわけではない分をまるで補うかのように、アレクシア様は、自身のパラメーターの極振り具合いにも似て、本当に一途にケイオスを想うようになります。
 4巻で彼女はこんな風に評されています。

「うわ、この子わかりやすすぎる。あざといのにかわいいわ。狙っているわけじゃないのに天然ね。なんだか故郷の集落のあの子を思い出すわね」

 違う次元の人の言うことですが、全く同感です(笑)。

 実際、アレクシア様の想いは、あざといのにかわいいと言っていいくらいです。2巻で登場して、やがてケイオスを慕うようになって、しかし2巻のラストで、とても唐突な別れと絶望を味わうことになりました。
 ケイオスと引き裂かれてしまったアレクシア様は、3巻ではまるで別人のようになっています。最初に登場した頃もその傾向はありましたが感情を表さず、しかしケイオスといた頃の彼女と違い冷徹に冷酷に兵を率いて敵を倒す。国内では「聖女」と呼ばれているのと対照的に、敵からは「魔女アレクシア」と呼ばれるくらいに。
 そしてそれも、ケイオスが行くと言っていた国を襲う脅威を退けるためだというのがまたなんとも。

 先ほど引用した台詞とは次元がずれますが、その一途さの設定と描写はあざといくらいなのですが、ここまでされるともう可愛いとしか(笑)。
 だから、3巻のラストでの再会は非常に劇的です。

 さて、3巻の辺りでケイオスもこの『アナザーワールド』が文字通りの別の世界であることを確信し、作品自体も一発ネタから踏み出したのですが、今度は謎解きも始まります。何故彼が、彼だけがこっちに来ているのか、何故ゲームシステムの機能が使えるのか、等々。
 4巻で登場するドラゴンのヴイーヴル辺りがその鍵となりそうな感じですが、まだ他にも色々登場するかも知れません。

 小説としては、まだちょっと文章の表現に甘いところがありますね。例えば、結構重要な人物っぽいところもある現実世界での母親の人物像、そしてケイオスとの関係があまり伝わってこないために、たまに出てきて語ってくれることがやや唐突に感じられることとか。
 ですが、読んでて興を削がれるような問題点も、まあ私の感覚の上ではありませんし、よろしいんじゃないでしょうか。

 どうやら彼以外にもこことは別の世界から来ている人物がいるようですが、さて、これからどうなるのか。
 あとここまで来たら、ヒロインはずっとアレクシア様だけがいいですね(笑)。

tag : ヒーロー文庫 浮世草子

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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