FC2ブログ

ラノベ: 『ソードアート・オンライン 16 アリシゼーション・エクスプローディング』後半の感想

 あのーアスナさん、わたしのって(笑)。

ソードアート・オンライン (16) アリシゼーション・エクスプローディング (電撃文庫)
川原礫
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2015-08-08)
売り上げランキング: 3

 いやもう、随分長いことちらっちらっとしか出てなかったせいか、かなーりかっ飛ばしてますねアスナ。
 でもそうですよね。帯のあおりからして

saonovel_16_2.png
≪閃光≫アスナ降臨!!!

ですから。
 意味の上でもそんな感じですが、「空から女の子が!」という点でも合っていますね。登場シーンがあれなので、字面の上では光臨でもいい気がしますけど。

 というわけで、やっとこさアンダーワールドに乗り込んできたアスナ。
 しかしなんというか、本当に大変な思いをしてやってきてみたらいきなり出てきた「とてつもなく美しい女性剣士」に切り掛けられた上、

「きさま、何者だ!! なぜキリトに近づいた!!」

などと言われてはね。

「なぜって……キリトくんは、わたしのだからよ!!」

と切り返したくなる(笑)のもさもありなんという感じ。しかも、その後もそういうのが出てきて、結局女四人でキリトに添い寝することに(笑)。まあ、彼は意識ないんですけど。

 中でも、やはりアリスに対してはアスナも敵愾心が。これはもうちょーのーりょくなのか。
 モノローグというわけではないのですがアスナ視点の地の文でアリスのことを「少しばかり相性の悪そうな女性」と表現していますが、本当に少しばかりなら逆にもっと断定的に表現しそうです。この言い回しは真に対立するからこそのものという気がします。
 まあ、だからこそまるでキリトとの時のように引っくり返ることもあるかも知れませんけど。まあ、本人否定していますが。
 アリスとは他にも、

「言っておきますが、今後、私の許可なくその馬車には立ち入らないように。キリトの安全を確保するのは私の責務ですから」
 むかっ。
 と頭をもたげる感情を、どうにか寝かしつける。
「……あなたこそ、わたしのキリトくんを呼び捨てにするのやめなさいよね……」

みたいなやり取りとか、

 両者は、まるで真剣での立ち合いでもしているかの如く闘気を漲らせ、しばし睨み合った。

などとキリトとの関係の深さを張り合ったり。
 ……正妻戦争(笑)?

 上でちょーのーりょくなどと書いたのは、まあアリスの態度などもあるでしょうが、アスナがアリスを強敵と見定めたことです。多分無意識に。
 肝心のアリスもキリトも忘れてしまっていますが、この二人は何と、幼馴染みですからね。

 でもそんなことをしている内に、事態はどんどん進んでいます。
 暗黒神ベクタを自称するガブリエル率いる敵方もそうですが、しかし力強いことに、キリトやアスナの仲間も動き出しています。
 まさに、今回のサブタイトルの「エクスプローディング」で表現されるような、爆発的な連鎖で、SAO時代からのおなじみの面子が勢ぞろい。その過程は中々にドラマティックです。いや実際、アスナが参戦というのは前巻で見えていましたが、まさかここまで集まるとは。

 ガブリエルの意図に気づいたのが、アスナよりももっと出番の少なかったような、ある意味伏兵の、でもある意味最も重要なポジションにいるユイです。
 一つには、ユイは現実世界を、場所の制約なしに動けることです。つまり、「リアルワールド」では敵方の攻勢を受けていない。だから、アンダーワールドの速度のことにも気づいたし、強力な仲間たちに即座に同時並行的に話を付けることができた。

 そしてもう一つ。
 本文中でも出てきますが、≪アリシゼーション≫というシリーズはボトムアップ型のAI、そしてその象徴たるアリスをテーマ的には中心に置いたものですが、ユイはその逆に、トップダウン型のAIだからです。
 そう言えば、現代では人工知能の研究でも、データマイニングからのアプローチなんかも成果を上げていますし。あとディープラーニングとか。
 そしてそのAIのユイが、声をかけ招集した仲間たちの心を動かしたことも、何だか時の流れを感じさせます。

 直接は関係ありませんが、速度の話がキーになってくると、同じ作者の別のシリーズ(『アクセル・ワールド』)とのつながりも感じられ、本当にエクスプローディングという感じですね。

 さて、こういう展開を見ると、ちょっと原点を振り返ってみたくなります。
 本作は、その主人公であるキリトの拘るところである「守る」ということがずっと通してメインテーマとなっているように見えます。サチのことがあったからなのか、それともそもそもの始まりの時のクラインのことがあったからなのか、彼はとにかく「守る」ことを第一に考えています。
 そんなキリトに影響されてなのか、それとも類は友を呼ぶなのか、だから惹かれるのか、誰も彼もが誰かや何かを守ろうとしていますね。

 しかしだからこそ、キリトが一方的に「守る」話ではないし、ということは逆に今回アスナが、

 アスナは、強い決意が胸中に満ちるのを感じた。キリトが目覚めた時、笑顔でこう告げるのだ。大丈夫、何もかもうまくいったよ。キミが守りたかったものは、わたしとみんなでちゃんと守ったよ、と。

というように思っていることは、ある意味でフラグなのではないでしょうか。
 つまり、奇しくもその直前にアスナ自身が思っているように、片務的な考え方はきっと行き詰るのです。
 だから多分、アスナが思い描いているようには事態は進まないでしょう。

 今回描かれたアンダーワールドでのアスナの姿(ステイシアバージョン)は、表紙や口絵イラストにもあるように、白で象徴されています。
 その姿は多分、キリトの黒と対比され並び立つことを宿命づけられているもので、その意味でもやはり、最後には二人が並んで中心に立って世界を守ることになるのではないかと思います。

 そう考えると、アスナがアンダーワールドに赴き参戦し、またユイやクライン、エギルやリズやシリカやリーファやシノンが集結したからと言って、次の巻で一気に決着、とは行かないでしょう。多分。

 というわけで、予想ではまだひと悶着ありそうなこの≪アリシゼーション≫のシリーズ、どうなることやら。
 少なくとも次巻では、馴染みのメンバーが活躍してくれそうです。

tag : 電撃文庫 川原礫

コメント

非公開コメント

プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
アクセス解析中