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ポルノ: 『百合色コーディネート ふたりのキス模様』感想

 なんかもうすっかり百合作家になっている感じのあらおし悠さんの新作。

百合色コーディネート ふたりのキス模様百合色コーディネート ふたりのキス模様

著者:あらおし悠(作) / 瀬奈茅冬(画)
キルタイムコミュニケーション

 いや、こういう表現をすると作者さんが百合みたいですね。……でもそうでないという証明もされてないわけですが(笑)。
 あと、当ブログも最近、扱うエロの百合の割合がかなりなことに。

 以前発表された『百合グラドル・優衣 禁断ガールズラブ』『百合グラドル優衣&詩歩 密着ラブショット』という連作とやや似たところもありますね。タイトルに何となく表れていますが、今回二人のヒロインのうち片方(茉友)がモデルをやっていることとか。

 でも、読んだ感じは随分違います。その差を比喩的に表現すると、『おとボク』と『おとボク2』の違い、みたいな。
 ってわかりにくいですね(笑)。どういうことかというと、『百合グラドル』の方の優衣はおとボクの瑞穂みたいな、いやまああれほど超人じゃないですけど関係性の中心にいるような人物に思えたし、『百合色コーディネート』の夏希と茉友はなんだかおとボク2の千早と薫子みたいに二人で主人公、という感じがしたもので。

 そんな二人は受験の日に出会い、夏希は一目で茉友に夢中になってしまいます。まあ一応、一人称ではないですが夏希視点の作品なのでこういう説明になりますが、茉友視点でもそう変らないでしょうね。
 夏希はファッションデザイナーになりたいなーみたいなことを思っていて、制服が可愛いからこの学園を選んだのですが、茉友はMAYUという名前で、前述のように雑誌のモデルをしています。
 しかし、そのことは必ずしも二人の再会の助けにはなっていません。茉友は、モデルという見られ方をあまり好んでいないからです。

 でもまあ、受験の日に一目惚れした美少女に果敢にアタックした夏希の想いが通じ、二人で一緒に出かけたりする仲になったのですが、その出かけた先でハプニング的に、唇と唇が触れ合ってしまいます。
 そこで夏希は、気持ち良さについ本格的なキスをしてしまうのです。
 その上、茉友に逃げられた夏希は、家に帰って雑誌の中の茉友を見ているうちに「始まっちゃ」って、茉友を思いながらオナニーを(笑)。

 ところで、茉友はどちらかというと気弱で儚げな印象を与える描写が多かったのですが、まずはこの場は茉友がリードします。気まずくなった二人がやっと話し合えたとき、キスはイヤじゃなかった、自分の気持ちを確かめるためもう一度しよう、と提言。
 それで二人はもう、すっかりキスに夢中になってしまうわけです。

 しかし、ことはそれに止まらず。
 あるときファッションショーの話題の中で、モデルは着替えの時、スタッフが見ている前で素っ裸で歩き回ったりするのかという話になり、茉友はショーに出たことがないのでわからない、でもいつか必要になるかも知れない、だから裸を見られても平気になる練習をしよう、と。
 やっぱり茉友が主導権握ってますね。というより結局、なまじ性に関する知識があるためにブレーキをかけてしまう夏希より、その線引きができない茉友が突っ走ってしまうという感じですか。

 この二人の役回り、大体この辺りで形ができてきたようですね。つまり、茉友が純真なせいでとんでもないことを言い出し、茉友に夢中になっている夏希が茉友に配慮して踏み外して(笑)しまう、という流れ。
 この「練習」の時も、言い出しておきながら恥ずかしさが中々克服できない茉友に、そもそもそんなことを言い出した自分に責任があると、夏希は自分が裸になろうとします。
 そこで、胸まで露出した辺りで限界、の夏希に、今度は茉友が、

「夏希ちゃん……可愛い……」
「……え?」

(p119)

なんてことに。

 そして「変な気分」になってしまった茉友に胸を攻められ、結局イかされてしまうのですが……。
 「イク」ということを知らなかった茉友(笑)。

 いやいい組合わせですねこの二人。
 性的なあれこれについて聞いても答えてくれないことに業を煮やした茉友が夏希に迫るのですが、

「……茉友には…………純粋なままでいて欲しかった、から……」
「なにそれ」
 夏希の答えにパチクリと瞬きし、でも、茉友は愉快そうに目を細めた。
「それって、さんざんキスとかおっぱい触らせた後に言うことじゃないよね」

(p135)

とか(笑)。
 その「純粋」な茉友ですが、実はややSなところも? ここもそうですし、夏希をイかせてしまったときにもその片鱗が見えている感じがしました。栴檀は双葉より、というやつでしょうか。
 こういう、一見弱そうに見える方が夏希みたいなのを翻弄するタイプの話って結構好きです。一種のおねショタみたいな感じで。おねショタというと、お姉さんが導いてあげるみたいなタイプと逆にショタの方が主導的なのがありますが、後者の方ですね。そういえば以前私もそんなのを書いたことがありましたっけ。

 話が逸れました。

 というわけでどんどん関係が深まっていく、というかエスカレートしていく二人。
 でもやっぱり、性的な知識では先んじていて性格的にも活発なタイプの夏希に対し、攻撃的になるのは大体茉友、という関係。アウトレットモールのファッションショップで試着をすれば、何故か夏希について試着室に入ってきた茉友が場所柄もわきまえず、

 今度は下着越しにお尻の谷間を撫で上げられた。慌てて両手で口を塞いで悲鳴を閉じ込めたけど、それをいいことに、背中の真ん中を指先がくすぐってくる。
「夏希ちゃんたら、静かにしないとダメでしょ?」
「だ、だからそれは……んふッ!?」
 耳に息を吹きかけられて、背中がゾクゾク震えてしまう。すると茉友は背後から抱きついて、ブラの胸を揉み始めた。
「な……! こ、こんなところで何を……ン、ん、むっ!」

(p173)

みたいなことを。しかも、茉友がこんな挙に出たのは、「下着で恥ずかしそうにしているのを見ていたら……」だって(笑)。
 もうそこまで言っちゃったら同じと思ったのか、

「だから……そんな強くしたらダメ……ダメだってば……!」
 夏希の懇願なんて聞こえないように、茉友の手が下に降りていった。素肌の脇腹をくすぐられ、引き攣ったように腰がカクカクと前後に動く。
 それを見ていた茉友の顔に、淫靡な笑みが浮かんできた。最初は自分の衝動に戸惑っていた感じもあったのに、それはあっという間になりを潜め、意地悪そうに目を細めながら夏希に悪戯を仕掛けてくる。
「わたし、強くなんてしてないよ。軽く触ってるだけなのに……ほら」

(p175)

明らかに開き直っていますね。
 ちなみに本作、夏希の腰の動きの描写が多いのが妙に印象に残りました。

 茉友の暴走?はまだまだ続き、例えば買った服をもっと落ち着ける場所で、つまり茉友の家で試着しようということになったのですが、当然ながら試着だけで済むわけもなく。というかそもそも、

「それよりも……別の方の続き、しよ?」
 幼女のように無邪気に微笑み、でも恥ずかしそうに肩を竦めて。そんな風に可愛らしくおねだりされたら、断れるはずがない。

(p183)

やっぱりこんなことに。
 そこではなんと、散らばっていた服が絡みついて動けない夏希に茉友が好き勝手するという見事な展開。しかも今回夏希は、全裸の上に恥ずかしいところもおっぴろげで見せちゃうはめに(笑)。

「あ、動いた……」

(p187)

などという茉友の台詞が強烈です。
 その後も茉友の快進撃は止まるところを知らず、そのヘンタイぶりはもうお見事と言う他ありません。夏希が濡らした下着を欲しがるとかね(笑)。

 ともあれ、まあこういう、つまりエロ小説としての紹介の仕方なのであまり触れませんが、二人の気持ちのことについても描写があり、そういったことも含めて向かえる結末ということになります。
 最後はかなり、表現的に現代の世相に踏み込んだシーンになった感じです。まあ、今の時代らしい、と言えるのではないでしょうか。
 でもそういう意味だけでなく、エロ成分もしっかりいい感じなので、中々絶妙なところを突いているいい作品だと思います。

tag : 二次元ドリーム文庫 あらおし悠

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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