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ポルノ: 『マゾこい 天然お嬢様は牝奴隷!?』感想

 あー久し振りのエロ小説感想。

マゾこい 天然お嬢様は牝奴隷!?マゾこい 天然お嬢様は牝奴隷!?

著者 : 愛枝直(作) / わつきるみ(画)
キルタイムコミュニケーション


 この話はあれですね。雨降って地固まる的な。あと、三方一両損的な。
 でも後者は、三方である必要もなかったんじゃないかなー、と思ったり。

 主人公の大樹は、その体格とか顔とか、あと頑丈さとか、そういう様々な条件から周囲に誤解され、恐れられています。そんな彼がある時出会った紗花を好きになったんですが、その紗花は出会った時の様子からは想像もできないようなマゾだったのです!
 しかも、彼女の周囲を探って、どうやら紗花が欲しがっているらしい物を知り、購入してプレゼントしてみれば……そのプレゼントの「犬の首輪」(!)に紗花は感激。「夢に描いた通りの『ご主人様』がわたしを攫いにやってきた」と(笑)。

 でもまあそれにしても、そもそも大樹は素質充分だったとしか思えないわけですが。最初の頃の電車の中でのことも、周囲を気にして「黙ったままイけ」と言った彼の指示は、その意味が置き換わって大変素晴らしい責めになっていましたし(笑)。
 
 大樹が紗花の真の姿を知っても打ちのめされなかったことは、結末をも予想させますね。
 紗花のため、ご主人様を演じていた彼は、ある時こう考えました。

 紗花が下校する姿をこっそりと眺めていた時のことを思い出す。細い裏道をあてどなく歩く彼女は、いつも一人であった。
 話をする相手はいただろうか? いたかもしれない。そうでなければ首輪の話を聞くこともなかった。なら、性癖についてを打ち明けられるような相手は?
 きっと、いなかったのだろう。だから彼女ははしゃいでいるのだ。『ご主人様』という理解者が現れたことに。
 その気持ちは、大樹にはとてもよく分かるような気がした。

(p119)

 このことに気づいたからこそ、二人の未来があったのかも知れません。
 ただ、関係がエスカレートしたり、紗花の父が登場して彼を唆したりする中、大樹の中に色々と疑問が積み重なっていきます。
 彼女が求めている責めに、どうしても受け入れられないものがあることもその一つ。
 そして同じく、大樹が避けていることを『おあずけ』と解釈する紗花の方も、胸に痛みを抱えています。

 そんな中発生する「事件」。そこで紗花は、本当の暴力というものを知るわけです。
 出会って、何となくうまく行きつつどこかにすれ違いを抱えながら付き合っていた二人が、その事件により色々なことに気づいてしまいますし、色々なことに気づけた。そういう意味で「雨降って地固まる」と上で表現しましたが、その辺りの経過はだいぶ凄絶な物でしたね。

 結局、大樹は、想いとその表現の仕方のずれというものを学んだし、紗花はその逆で、性癖やその現れとそこにこめられた想いとの区別を学んだ。また同時に、二人は互いのために譲歩することもできるようになった。
 紗花は、ご主人様を愉しませるために、失礼ではないかと思えることをしたし、大樹は、マゾ牝が求めるものを与えるために信条に反することもした。
 ……ただ、その「信条に反すること」というのが手で叩くことなんですが、スパンキングと言えば普通は尻じゃないんですかねぇ。しかも、木馬のような物に跨らせて、あるいはそこから吊してのことなのだし。
 それが顔なので確かに大樹の抵抗も大きかったでしょうが、その主人公の抵抗の強さを演出するためなのか、顔なんですよね。上で「三方一両損」と書いたもう一方は私のことなんですけど(笑)。

 こうして二人は、大層な騒ぎを起こしてなんとか晴れてうまくまとまったわけです。破鍋に綴蓋という言い回しがありますが、この二人の場合、蓋は鍋に、鍋は蓋に歩みより、それぞれに形を合わせてぴったり合う関係になったわけですね。

 ところで、大樹の電車の中でのとか、目隠しして野外で裸にするのとか、羞恥系の責めが多いのは中々見所があるし見所でもあるし、しかもそれら、実は隠れてやっているという辺りも中々いい。
 結構センスが合うなぁと思ったりした次第です。
 あとイラストいいですよね。137ページのとか207ページのとか223ページのとか特に。ただ、207ページのは右上の顔のギャグボールを描かない方がもっと良かったかな。あそこは内面の表現だと思うので。

tag : 二次元ドリーム文庫 愛枝直

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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