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アニメ: 真のクール・ジャパンってなんだ?

 曰く。

偽物の『クール・ジャパン』とは全然違います

 じゃあ、一体何が真のクール・ジャパンなのか?

 これは何かというと、今日(2015-03-26)の読売新聞朝刊27面にあった「クール・ジャパン 古典文学に源流」という中沢新一氏にインタビューして書いたと思われる記事の結び。中沢の言葉の引用です。
 記事の書き出しはこんな感じ。

 「古典文学にこそ、クール・ジャパンの源流がある」。多彩な執筆活動を続ける人類学者、思想家の中沢新一さん(64)が、『日本文学の大地』(角川学芸出版)を出版した。『万葉集』や『源氏物語』など自在に作品を論じ、改めて魅力を見直した。


 しかし、記事を読んでも、そもそも『クール・ジャパン』とは何か、どういうものを指して言っているのかがさっぱりわからない。
 記事で言っていることは、極めて単純です。古典文学に日本らしさがある。そして、そのような心のあり方が近いうちに日本の主流になる。前者は「当たり前」に近い話と言えるし、後者も言いたいことはわかる。
 でもそうするとそもそも『クール・ジャパン』を持ち出す必要ないし、そもそも『クール・ジャパン』とは、そして「偽物の『クール・ジャパン』」とは?

 冒頭で引用した結びの部分を、前段も合わせてもう少し長く引用します。

取材の終盤、珍道中を繰り広げる『東海道中膝栗毛』の弥次さん、喜多さんに話が移ると、思わず熱がこもった。
 「あれこそ世界に冠たる『クール』です。しがらみを捨て、社会システムに組み込まれることを拒む。背後に深淵を抱えた軽薄さ。世界の人もそのスタイルに注目している。偽物の『クール・ジャパン』とは全然違います」

(文化部 待田晋哉)


 ここの部分は二つの解釈ができると思います。本物の『クール・ジャパン』に対し、偽物の『クール・ジャパン』がある。もしくは、ここだけ括弧があることに注目して、世にある『クール・ジャパン』などと称する偽物を揶揄している。

 しかし、前者だとすると、こんな官製用語、役所が言ったことが正しいのであって氏が何を言おうが作った人の定義が正しいに決まっている。また後者だとすると、一般に『クール・ジャパン』と言われているものは全然クールじゃない、ということになりますが、それが何のことなのかには全く触れていません。

 実際のところ個人的には、やはりこういう文芸的な文脈で古典でないものを指すならば漫画アニメのことか、誰かが勝手にクール呼ばわりしたものをクールじゃないとか批判するなようぜぇな、と言いたいところですが、記事には漫画のまの時、アニメのアの字もありません。それでそんなことを言ったら被害妄想みたいです。
 かと言って、こういう人が最近の『クール・ジャパン』のメインストリームである和食とか伝統芸能とかを偽物呼ばわりするともあまり思えない。

 そういう風に見てみると、非常にもやもやするし嫌らしい文章です。批判しておいてその対象を明示しない、反論を回避する陰湿さが。多分、インタビューの中では出てきたのではないかと思うんですけどね。
 私は漫画アニメかなと思って嫌な印象を受けましたが、『クール・ジャパン』が他のものを指すと思っていてそれを好む人は、同じような印象を受けるんじゃないでしょうか。もっとはっきり言えよ、と。

 まあでも何と言うか、結局あんなものと関係ができてしまっているのが悪いわけで、やはり、「クールジャパンからアニメを守れ」ってなとこなんじゃないですかね。

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No title

  名前忘れましたが「フェイトゼロ」や「長門有希ちゃんの憂鬱」とかを連載している漫画誌で
 大塚英志が「クールジャパンも失速してきている」と言う様な事を巻末近くの自分のコーナーで書いて増した。

 「物事と言うのは知る人ぞ知るの頃こそが一番面白く、一般に知れ渡る頃にはそれは衰退している」という記事が
昔ペントハウスというエロ本に載っていたが、だとするとこんな事を中沢新一の様な人が言い、一般の新聞に載っている所を見るともう衰退してきているのかも。
 クールジャパンと言う代物も。

No title

  名前忘れましたが「フェイトゼロ」や「長門有希ちゃんの憂鬱」とかを連載している漫画誌で大塚英志が「クールジャパンも失速してきている」と言う様な事を巻末近くの自分のコーナーで書いていた。

 「物事と言うのは知る人ぞ知るの頃こそが一番面白く、一般に知れ渡る頃にはそれは衰退している」という記事が昔ペントハウスというエロ本に載っていが、だとするとこんな事を中沢新一の様な人が言い、一般の新聞に載っている所を見るともう衰退してきているのかも。
 クールジャパンと言う代物も。

Re: No title

> 大塚英志が「クールジャパンも失速してきている」と
これも、クールジャパンとは何かという話になりますが、↓の話につなげるということは、官製ラベルのことではなくその対象の方でしょうか。

>  「物事と言うのは知る人ぞ知るの頃こそが一番面白く、一般に知れ渡る頃にはそれは衰退している」
また、一般に知れ渡ることで衰退する、ということもあるかも知れません。例えば、大衆迎合的になったり。

> こんな事を中沢新一の様な人が言い、
まあこういうことになったのも結局は多分『クール・ジャパン』が始まったからで、
>  クールジャパンと言う代物も。
クール・ジャパンは『クール・ジャパン』によって衰退する、のかも?
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水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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