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独り言: 「表現の自由」に関するノート

 昨今のヨーロッパの「風刺画」に絡んで表現の自由が話題になっていますが、そのことについてつらつらと考えたことを、特にまとめもせず思いついたままに書いてみます。

 元々、最も自由であるべきなのは内心の自由だと思うんですよね。思想とか信条とか嗜好とか。それを突き詰めた先に、内心にあるものを表現する自由、あるいはそれを抑圧されない権利(を守るための力としての自由)というものがある、と。
 ただ、個人的にはその間に、もう一段階あるべきじゃないかなと思うのです。

 心の中で思っているだけなら、そこには自分一人しかいません。しかし、文法的な分類に現れているように、一人称の次はいきなり三人称(第三者)ではなく、間に二人称があります。第三者はその次です。
 つまり、全く限定のない相手を想定し、「訴える」「存在を伝える」ようなことを目的とした表現を想定する前に、話を受け止めようとしている、もしくは話を求めている相手がそこにいることが前提となる状況があるのではないかということです。

 ヨーロッパの「風刺画」にしても、その中間の段階でやるべきではないか、と思ったりするわけです。

 中間の段階では、同じような考え方の人を相手に言わば内輪でやればいいし、逆に、反対の意見を持つ人が議論のために参加するのもいいでしょう。
 相手のいないところで「風刺」をするのは陰口になりがちですが、バレたら議論を受け入れるということで。単なる陰口なら議論では敗者になる可能性が高いし、そうすれば逃げるしかないわけで。
 とまあそううまくいけばいいんですけどね。

 あと、もう一つ問題があります。
 「郷に入っては郷に従え」と言いますが、それは、自分と異る考え方、慣習、習俗のようなものを認めよということであると思います。これは別の見方をすると、その「郷」に対しても、他の「郷」を認めることを求めるものでもあります。
 認めるというのは必ずしも、受け入れよという意味ではありませんね。不干渉により存在だけは認める、というのも含みます。

 しかし、この概念を持ち得ない人たちというのが確かにいます。例えばキリスト教徒やイスラム教徒などのように、認められないものの存在そのものを認めない立場です。ユダヤ教はそれらの原点であるわけですが、あれはどうなんでしょう。よくわかりませんが、民族宗教なので、他はどうでもいいと思っているかも知れません。
 ともあれ、そういうのがいると、他の「郷」の存在自体が許せないわけで。

 共有するための表現の段階と、知ってもらおうとする段階とでは、単に数が違うとかそういう問題ではなく、目的そのものが違ってきているわけですが、その辺りを全く区別していない例が、皮肉にも上記の「郷に入っては」の考え方を持つ国に存在しています。
 それは例えば、「猥褻」という概念の適用範囲です。

 一言で言えば、同好の士が集まっているところで何が猥褻なんだ?ということですね。全くバカバカしい。

 こういう、物事の意味や理由、仕組みのようなことを考えないのは元々なのか劣化したのか。まあ、昔の方が賢かったようには思えますが。
 もしかすると、キリスト教的な西洋が進んでいる(ように見える)ので学ぼうとしたが理屈がわからないので丸ごとカタチだけ受け入れたということがあり、それが慣習になってしまったんですかね。
 多分、実はそもそもあちらに理屈なんぞなかったというのがオチで、猿の真似をしたら猿になってしまった、ような?

 上では風刺という言葉に一々鍵かっこをつけていますが、そこには二つの意味があります。
 一つには、彼らのやっているようなのを風刺と言っていいのか、ということです。言論という力の世界では強者である者が、弱者を嘲笑するのは、それは一種の弾圧ではないのか?
 そしてもう一つ、これはこれまでにも何度も言っていますが、偉そうなことを言っていながら自分で決めた自由の範囲があるじゃないか、しかもそれを他者に当然のように強要するというのは他者の表現の自由を侵していないか、ということです。だから、私に言わせればあんなのは似非「表現の自由」です。

 設けるべきは表現の内容に対する制限や自主規制ではなく、それを伝える場、相手、目的などといった部分での境界ではないのか。
 それは、伝えないという意味ではなくて、押し付けるのではなく受け入れるのだ、ということです。
 布教が大好きなキリスト教的な考え方の人たちにはわからないことかもしれませんが。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
 

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