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アニメ: 2014夏アニメ感想(9)

 今週のアニメ感想です。

グラスリップ 第9話「月」
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 こ、この展開は……!
 それにしても一体どんだけ遠回しなんですかこの人(笑)。通じるのかなこんなんで。あの透子ですから。

ソードアート・オンラインII 第9話「デス・ガン」
 GGOで開催されているBoBの様子は、こうして中継されているのをみんなで見ています。
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 どうでもいいですけど、シリカのアップはやめれ。
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 可愛すぎて反則だから。しゃべるとき一緒に耳がぴくぴくするところとか、作画スタッフ気合い入りすぎでしょ(笑)。それともコンテの時点で指示が入っていたりして?
 ちなみにリズですが、キリトのプレイスタイルについて「ガンゲーなのに銃じゃなくて剣でね~」とかコメントしている辺り、さすがです。

 しかし、そのBoBの方では実際にはとんでもないことが起きているのですが。
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 キリト達が「ぼろマント」と呼んでいる人物が、倒れているペイルライダーをハンドガンで一発撃ちました。それだけです。HPはちょっと削れただけ。
 しかし、勿論「DEAD」のタグは出ないのですが、替りに出たのが「DISCONNECTION」の表示。ペイルライダーは、「落ちた」のです。
 当然ながら、キリトは状況をこう見ています。彼は現実世界で死んだのだ、と。

 一方の観衆、つまりアスナをはじめとする面々は、こいつの様子を見て、気付きます。

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「忘れるな。まだ、終わっていない。何も、終わって、いない」
「──イッツ・ショウ・タイム」

 アスナ、そしてクライン。この二人はSAOでは所謂攻略組で、ラフコフの討伐にも参加していました。だから、わかってしまった。こいつがその一員であったことが。討伐のことについてリズやシリカが知っていたかどうかわかりませんが、少なくともラフコフの存在については当然知っていました。
 唯一知らなかったのはリーファですが、リーファは逆に、前日夜の和人の様子を知っています。そしてそれらのことをつなぎ合わせると、キリトが何のためにわざわざコンバートまでしてGGOに潜入したのかが推測できてしまうのです。
 アスナは一旦「落ち」て、菊岡に話をつけることにします。

 ところで、キリトとシノン。

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「間違いない。あいつが≪デス・ガン≫だ」
「デス……ガン? それって、あの、撃たれたプレイヤーは二度とログインしてこないって、妙な噂の?」

 シノンにそこまで、つまり、現実世界で人が二人死んでいるという具体的なことまで言う必要があったかどうかというのは微妙ですが、多分、言うべきかどうかの判断などしていないでしょう。つい言ってしまった、というか無意識な感じ。
 しかし当然ながら、ここまで言えばシノンとしては、どうしてそんなことを知っているのか、キリトが今ここにいることと関係があるのか、そもそもキリトとは誰なのか、そういったことを気にしないわけにはいきません。

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「私は……認めたくない。PKじゃなくて、本当に人を殺しているプレイヤーがいるなんて」
「それでもいるんだ。あのぼろマント……≪死銃≫は、昔、俺のいたバーチャルMMOの中で多くの人を殺した。相手が本当に死ぬのを解っていて剣を振り下ろしたんだ」
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「そして……俺も…………」

 ここまでに、あのゲームの名前は一度も出てきませんが、VRMMOプレイヤーなら、いや多分そうでなくても、キリトが一体どこのことを言っていて何のことを言っているのか、わからないわけがない。
 そのことは、シノンにとっては、単なる過去の告白とは違う意味があります。自分を苦しめている過去と重ね合わせずにはいられない。

 結局、シノンはキリトと共闘することになります。
 キリトという人物は、一旦そういうことになるともうその相手を完全に自分の側の者と見做すし、だから守りもすれば信頼もする。今回も、激しい銃撃の中、自分ではなくシノンに向かったものもきっちりと弾いています。
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 SAOでソロプレイヤーだったことも(リアルでもソロと言われていますが(笑))、そこまで受け入れられる人がそうはいないというのもあるんでしょうね。
 そんなところが、対人スキルが低いと自認している彼の周囲に妙に人がいる理由かもしれませんし、もうキリトはシノンとの会話の中に、相棒とかコンビとかいう言葉を紛れ込ませています。

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「君の援護があるから俺は怖れることなく戦える。コンビって、そういうものだろ」


 しかし、これはちょっと次元の違う話になりますが、この「ファントム・バレット」編という物語では、シノンは、例えばアスナがそうであったような背後を任せる存在ではなく、キリト自身の分身であるわけです。
 だから、物語はそういう役割分担を許してくれません。
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 ≪死銃≫は、シノン自身を狙ってきました。

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「……キリト。お前が、本物か、偽物か、これではっきりする。あの時、猛り狂ったお前の姿を、憶えているぞ。この女を……、仲間を殺されて、同じように狂えば、お前は本物だ」

 そして、その≪死銃≫が持っていたのがよりによって、「黒星[ヘイシン] 五四式」。幼い詩乃が強盗を撃ち殺したときに手にしていた、まさにあの銃だったのです。

ALDNOAH.ZERO 09「“追憶装置” -Darkness Visible-」
 姫様とライエのハダカが見られて眼福眼福♪

 などと喜んでいられる状況では全くありません。
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 皮肉にも、スレインがお守りとして渡したものがアセイラムに「死」をもたらしました。このことは、少し象徴的かも知れません。ライエがこのような行動に出た理由の一つが、同じくスレインによるもののように思われるからです。それについては後述。
 彼女、本作で「殺される」のは二度目ですね。まあ勿論、本当にここでアセイラムが死んでしまうとは思えないのですが。

 まずは、今回特に気になったスレイン(を通してのザーツバルム)とライエのことに触れる前に、少し寄り道。

 鞠戸とヒュームレイの過去がだいぶわかってきました。
 ……あれはPTSDを引き起こすのもわかりますよ。これまで、彼は親友を「殺した」と表現されて来ましたが、まさにその言葉の通り、「殺して」いたのだから。もっと間接的な、もしくは比喩的な表現かと思っていました。
 何だか、一部共通するスタッフのある別の作品を思い出します。まあ、物語ではよくある展開ではあるのですけど。
 ところで、PTSDの治療としての追体験って、近年ではあまり行われていないのではなかったですかね。まあ、この世界の歴史とこちらの歴史は違うでしょうけど。

 それと、最早恒例になっているマグバレッジ艦長と不見咲さんのモテ談義(笑)。
 今回はちょっと、以前あったのと様子が違いますか。これまでは、思っている(と思われる)ことが先にあって、それをモテ談義で比喩的に表現していたのですが、今回は、いきなりそれを持ち出して、そこに別の意味を込めています。
 何だか難しいですね。察しろということなのだとすると、つまりは明確な指示をしなかったわけで、責任逃れのように見えなくもない。君にはもっといい案が出せる筈だ、という意味とも取れますが、果たして。
 うーん、これはやはり後者で、現状では具申された案が最善だからそれを採択するが、もっといい作戦が立案できたら持ってこい、ということなのでしょうか。

 さて。
 あれほど目立っていた伊奈帆が、もう完全に脇役になっていますね。勿論、事態の中心にいることは変らないのですが、彼の意識した行動がその意図による何かをもたらすというようなことは全くありません。エンディングのテロップでキャストに伊奈帆の名前があったとき、あれ、台詞あったっけ?みたいな(笑)。いや確かにあったんですけど。

 対するスレインですが、彼はアセイラムに近しく、クルーテオのところからトリルラン、皇帝にも会って伊奈帆に接触して、今はザーツバルムのところにいます。何だか、物語の全ての面を覗き込んでいるような感じです。
 このザーツバルムというのがまた、実に興味深い人物です。これまで、アセイラム暗殺を企んでいて、トリルランがあのような小物だったことからつい認識を誤っていました。アセイラム暗殺も、「トロイヤード」への関心も、もっと私欲のためのように思っていたのですが、どうやらだいぶ違うスタンスであるようです。

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「我は、そなたの父君に恩義がある。故に、それに報いる義務がある」

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「クルーテオ伯爵は叛逆者ではない。むしろ姫殿下に忠誠を誓う真の騎士」
「……」
「そして我こそが、アセイラム姫殿下暗殺を企てた、叛逆者である」

 いかにも偽悪的で、しかも、ポーズとしてやっているとかよりも、何か抱えている虚無のようなものを感じさせます。

 スレインとザーツバルムの対話には、もっと核心に触れたものがありました。

「何故そこまでして、地球と戦われるのですか」
「領主として領地を拡げるために戦うのは、領民に対する努めだ」
「それだけのために」
「それだけの大儀である」

 大儀とは言っても所詮そんなものだ、という風に取れました。そして、彼はこういうことも言っています。

「祖国ヴァースは、アルドノアによって科学文明だけは発達したものの、文化は何も育っておらぬ」

 以前ライエが言っていたこととも似ていますし、この後に続く言葉はもっとそうです。

「姫殿下には人身御供となっていただく」
「姫に罪はありません!」
「姫殿下は王族。その生まれ自体が罪。15年前、王族は騎士を焚き付け、地球へ進軍させた」
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「その責は、自らの血を以て償ってもらう」

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「姫を殺さないでください」
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「アルドノアを中心とした封建制度の中で虐げられた民。その貧しく卑しい国が、永き歴史ある星を蔑む。……何と愚かしいことか」
「……」
「地球を羨み、地球を妬み、地球を憎むことで民衆を治めていたヴァースが、地球を侵略することでしかその大儀を保てぬほど病むのも道理」

 この辺りが、上で偽悪的と表現した言葉の出処ということですね。もしかすると、「大儀」のこともこの少し前に食糧について地球人を貶したことも、自らが病んでいるという意味だったのでしょうか。
 王族、そしてヴァースという国そのものに対する、実に本人の言うように道理の通った見方であるし、良識ある人の感覚であるとも言えます。
 そういう点では、確信犯と言えるでしょう。トリルランが「逆賊」などと言っていた、つまりそういう枠組みに捕われている小物だった辺りと対照的です。

 しかし、ではそれに対し起こした行動は、果たしてどうなのか。
 事がそこに及ぶと、別の「理由」が見えてきます。

「この戦は我が復讐。……この戦は我が天命」

 天命であるが、そも復讐である。彼は、王が焚き付けたことで起きた戦争で、婚約者を亡くしていた。こういうところが、ライエの言葉に似ている印象を与える理由かも知れません。

 そして、ライエ。
 彼女は登場したときから、地球に潜入してテロの実行犯となった火星人の娘で、しかもその父親を同じ火星人に殺されており、境遇の危うさはスレインとも伍するくらいです。
 しかし、大きく違うことがあります。スレインにはアセイラムがいる。でもライエは、一体何のために生き、何を拠り所にすればいいのか?

 アセイラムにはアルドノアがあった。だから今、この艦には必要だし、必要だと言うことは立つ瀬があるということでもあります。しかしライエの視点からは、アセイラムにはそれ以上のものがある。
 ライエは火星人であることを隠しています。もし知られたら、火星人を敵視する地球人からどのような仕打ちを受けることになるか。しかし、アセイラムはただ必要だから受け入れられているだけとは見えない。実際、そのような、つまり個人として受け入れられていることを表すエピソードがいくつもあります。言い換えると、彼女が「持っているもの」ではなく、彼女「自身」が受け入れられている。ライエにしてみれば、アセイラムの存在そのものがライエの人格の否定です。
 その根源を辿ってみると、スレインの考え方が与えた影響、彼による感化、そういったものがあるように思えます。これが、冒頭で述べた「スレインによるもの」です。

 今、ライエの頭の中では、いくつもの消化しきれない事柄が渦巻き鬩ぎ合っています。
 父親がアセイラムを殺そうとしたこと。それは罪悪感や気後れを呼び起こす。そのアセイラムが自分にないものを持ち、より恵まれた境遇にある。それは妬み嫉みを呼び起こす。
 もしかすると、以前ちょっと気になったことではありますが、伊奈帆の存在も関係しているかも知れません。まあ、ユキの想像しているようなことは「弟がモテるのは気分がいい」というバイアスがあるようなのでそのまま受け止められるかどうかはともかくとして。
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 ライエは、それらを受け止めきれていないのです。

 シナリオの構成上では上記のザーツバルムの言葉の直後、ライエがアセイラムに対し行動を起こします。何か意味がありそうな気もしないではないのですが……。
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 しかし、ライエの行動はザーツバルムとは大きく違い、何か思想に裏打ちされたものとも思えない、そもそも心神喪失状態ではないかと言えるくらい発作的なものです。
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 現に、ライエは自分のやってしまったことにむしろ驚愕し狼狽しているように見えるくらいです。
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 そして、アルドノアによって動いているこの艦は、あっさりと落っこちてしまいます。
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 脆弱ですね。

おまけ:
 深刻な事態が発生している本編ですが、それだけではありません。
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 癒されますね〜(笑)。

tag : アニメ

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No title

アルドノアゼロ

 クルーテオさん、死んでしまったか。
 話が途中の展開をカットしていますが、それでもわかるのはありがたい
話の作り方をしている。

 侵略している側のトップの食事と侵略されている側の一般人の食事。
 その違いに以前「ザ・プロファイラー」という番組でこんな事を言っていたのを思い出した。
 「戦争は貧しい国が豊かな国に攻め込むことで始まる」
 オーバーテクノロジーを持っていてもそれだけで国家が豊かである、とは言えないのか。
 GNPだけが豊かさの基準じゃないとも言うしな。

 オキアミとクロレラという動植物のプランクトンから食糧作っているのか。
 アルドノアというオーバーテクノロジーを使っても火星の環境改造は難しいのか。
 ザーツバルムの言う事は封建制度の領主としてはもっともだが、そこに私怨が混じって
いるのがなんとも。
 誰か彼を止める人はいなかったのか。

 ライエの行動は明らかに突発的なものでしょう。
 「カッとなってやった」という物だな。
 アセイラム姫の生死は・・・という気になる展開だが、担当声優がラジオでネタ晴らしを
してしまったという。
 困ったものだ。
 でもどうやって蘇生するんだろう。
 火星のカタクラフトは王族が一人もいなくなったらただの金属塊でしかないのか。
 
 今回はスレイン君主役回でした。
 イナホは今回は脇役でした。
 お姉さんが弟の環境を面白がっている様でしたね。
 
 今回、デウカリオンはどこを飛んでいるんだろう。
 氷の上を飛んでいたが。
 
  グラスリップは、ながら見で頭に内容が入ってませんでした。
 
   

Re: No title

>  クルーテオさん、死んでしまったか。
最初、彼を殺すのは勿体ないかなと思っていたのですが、こういう展開になるとそれはそれでアリという感じですね。

>  「戦争は貧しい国が豊かな国に攻め込むことで始まる」
まあ実際のところは、豊か(なので強い)国が、というところなんではないでしょうかね。
もしくは、強いから豊かになったか。

>  オーバーテクノロジーを持っていてもそれだけで国家が豊かである、とは言えないのか。
今回の話で文化についての指摘がある通り、というところでしょう。
でもそれ以前に、これまでの火星カタフラクトやなんかのしょぼさを見るに、手にしたオーバーテクノロジーを使いこなせていませんよね。

>  ザーツバルムの言う事は封建制度の領主としてはもっともだが、そこに私怨が混じって
> いるのがなんとも。
もしかすると、私怨があるからこそ醒めた目で客観的に見ることができるようになったのかも。

>  ライエの行動は明らかに突発的なものでしょう。
>  「カッとなってやった」という物だな。
カッとなってというよりも、心神喪失状態というか、半分夢か妄想の中にいるうちにやってしまったという印象。


>  でもどうやって蘇生するんだろう。
スレインの蘇生が二度映されたのはきっと大事なことだからではないでしょうか(笑)。
この場所だと伊奈帆かな。

>  今回はスレイン君主役回でした。
番組開始前の特番で、彼は中盤以降重要な役回りに云々と言っていたような。

>  お姉さんが弟の環境を面白がっている様でしたね。
内心でもその通りだといいんですけどね(笑)。

>  今回、デウカリオンはどこを飛んでいるんだろう。
>  氷の上を飛んでいたが。
ロシアがどうこう言っていたし不見咲さんの絵では矢印が上に向いていたので、やはりシベリアの辺りでも北上しているというところでしょうか。

>   グラスリップは、ながら見で頭に内容が入ってませんでした。
実は私もあまり全体の流れがよくわかりません(笑)。
プロフィール

水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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