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アニメ: 2014冬(年初)アニメ感想 (13)

 今週のアニメ感想、『凪のあすから』オンリーです。

凪のあすから 最終話「海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~」
 最初の頃から、CM等でこの作品のタイトルを妙なイントネーションで発音しているなーと思っていたら、こういうことでしたか。

 さて、概ね予想通りの展開。とは言ってもそれは謎解きのことではなく、人間関係や役どころの話です。つまり、もっとぶっちゃけて言えば美海の位置付け。そもそも名前からして「美しい海」ですし。光の心が美海に移ってしまってもいけない。人間関係の中心にいるのは光とまなかでも、物語の鍵となって作品世界の中心にいたのは、やはり美海でした。
 それから、少し前にちょっと心配したこと、あれは全くの杞憂でしたね。その理由付け、意味付けもちゃんとあったし、と言うよりもそれこそがメインテーマだったのだから。
 そういうことを考えると、物語の構造、構成、そういったところをきちんと押さえ、最後までテーマから外れずにちゃんと描いた、いい作品だったと思います。

 というわけで、先に総括してしまいましたが、最終話の感想です。

 理不尽にも思えた、まなかに対する仕打ち。即ち、「誰かを好きになる気持ちを奪った」その理由は元々、海神様のおじょし様(結局名前は出てこなかったようですが)への配慮でした。海神様のもとへとやってきたおじょし様が地上に残した想い人は、彼女を失った絶望に自ら命を絶っていたからです。

「その気持ちを持っていれば、愛する人を失った絶望に耐えきれず、想い人と同じ道を辿ってしまうかも知れない」

 これが、海神様の考えでした。そして、

「凪いだ海はおじょし様の心。もう激しく荒れることはない、愛を失った、平静の心」

このことから連想するのはやはり、紡や他の人物も口にしていた、海を喩えにした言葉です。ちさきを海のようだと表現したり、「好き」は海と似ていると言ったり。
 最初からずっと、「海」を鍵とした想いが全ての中心にあります。

 美海により還ることができたまなかと、海に留まることになった美海。しかし、ここでまなかが象徴的な言葉を発します。

nagiasu26_manaka1.pngnagiasu26_manaka2.png
「海が、綺麗」
nagiasu26_manaka3.png
「美海。……美しい海」

 思えば、この二人がいたこと、いたのが二人だったことがこれまでとの違いだったのかも知れません。

 一方、海の中では、
nagiasu26_miuna1.png
微笑む美海と、
nagiasu26_hikari1.png
苦悩する光。しかし、紡は思い出していました。

「美海は、ずっと海を見ていた」
nagiasu26_miuna2.png

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『どうした』
『光を待ってる』
『そうか』

 ランドセル背負った少女の言葉とも思えませんが(笑)。

 嘆く光は、結局のところ海神様と同じところに辿り着きます。

『お前があかりのこと好きになってくれたから、こんな幸せな眺めがある。だからあいつにも、思い出させてやりてえ』
「あんなのは違ってた。やっぱりお前の言う通りだった。好きにならなければ、辛くならない」
(誰かを想えば誰かが泣く。誰かを犠牲にして傷付けて、そんなのが好きって気持ちなら、──)
「人を好きになるって、最低だ」

 しかし、そんな光を美海はどう見ていたか。

nagiasu26_miuna4.png
(泣いてる。ああ、光はばかだなぁ……)
(海神様も、ばかだ)

 海神様と同じくらい(というかもっと?)「ばか」な光がいて、それを見る美海がいる。全部見て、気付いている美海がいる。

nagiasu26_hikari2.png

nagiasu26_miuna5.png
(光に伝えたい)
(こんな風に、私を想って泣いてくれる人を、好きになって良かったって)


 神の気持ちさえ見通す美海。結局、ずっとずっと見続けて考え続け、想い続けた美海が、本当は考えるまでもない筈のことに気付いています。ただそれは、単に出発点に留まっていたのではなく、悩んだ末に辿り着いたところでした。
 その意味で、この言葉もそれを裏打ちするものです。

nagiasu26_miuna6.png
「まなかさんが……ちっちゃい頃から知ってる、まなかさんだ」

 まなかのこともずっと見てきた、そんな美海だから全てがちゃんと見えているのですね。

 結局、色々なことに気付いた美海の考えが、海神様や光にも気付きをもたらしました。
 そして、最初からわかっていた、というか決まっていた、というかそうでなければいけなかった光とまなかの気持ちは、美海の気持ちがどうであれそのままでした。
 しかし、結局美海はこんな表情でいられました。
nagiasu26_miuna7.png
 気持ちを失ってしまいどうでもよくなったからではなく、それを受け止め抱きしめ、その上でこのようにあれる。
 そんな美海が、その辿ってきた道が、この物語そのものだったように感じました。

P.S.
 TOKYO MXは,
マルチチャンネル化を進めたせいなのか画質が劣悪になりましたね。ブロックノイズの酷いこと。
 これまでは、CMとかもあるし(それもその時を表しているものなので私は録画や保存のときカットしない)、見損ねたときのバックアップも欲しかったのでMXで見てきましたが、これからはBS11かな。一応テンポラリにMXで録って、BS11をメインにする、という感じとか。

tag : アニメ

コメント

非公開コメント

No title

  どうなるか?と気になる展開もありましたが上手くまとまって綺麗な終わり方でした。
 EDにあった 「凪のあすから」を見てくれたすべてのひとたち」の一文に感動しました。
 こういうこと付けられる作品ってほとんどありませんから。
 「ウラシマン」というアニメが80年代にありましたが、このアニメの最終回EDで
関わった全てのスタッフの名前を連ねた後に「and YOU」と書いてあったのを
思い出した。
   
 このアニメの主人公って実は美海だったんですね。
 最終回で初めて知りました。
 年の割りに彼女は大人びてますよね。
 だからランドセルでのあの台詞も普通に聞こえました。
 

Re: No title

>   どうなるか?と気になる展開もありましたが上手くまとまって綺麗な終わり方でした。
本文中にも書きましたが、その辺りのちょっとした不安が解消されてほっとしました。

>  EDにあった 「凪のあすから」を見てくれたすべてのひとたち」の一文に感動しました。
ゲームとかやってると普通に出てくるのであっさりと受け止めてしまいましたが、考えてみるとアニメではあまりないかも知れません。

>  このアニメの主人公って実は美海だったんですね。
起きた出来事の中心にいたのは光やまなかでしたが、視点や主体、考える立ち位置などを見ると、やはり美海が最も重要な人物ですね。
こういう人物配置になるともう、主人公というのは一体何だろうということを考えてしまいます。

>  年の割りに彼女は大人びてますよね。
元々内省的というか、ものをよく見て考える子供でしたからね。
私はこういうキャラ好きなんです。

>  だからランドセルでのあの台詞も普通に聞こえました。
しかし姿はあれですから。ギャップ萌えの一種でしょうか(笑)。
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Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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