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ラノベ: 『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 7』感想

 前の巻が出てから一年も経っていますが、そしてレビューには更に一ヶ月経っていますが、何だかあまりそんな気がしないのはもしや、同じイラストレーターが担当している別の作品をずっと読んでいたから、かも(笑)?

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 7 (GA文庫)俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 7 (GA文庫)
(2014/02/17)
裕時 悠示

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 さて、物語は完全に、混沌と表現すべき状況になっています。あの真涼が、鋭太の偽恋人[フェイク]を降りてしまったからです。
 これは、本作品始まって以来の大波乱ですね。なんせ、そもそも真涼が登場して鋭太を脅迫し、偽の恋人の座に収まるところからこの話は始まるのですから。全ての立ち位置はリセットされ、振り出しに戻ってしまいました。

 しかしそうなると、千和がリードしてしまうのは必然です。そもそも鋭太が今のような彼、つまりガリ勉君になっているのは千和のためだからです。だからなのか、真涼は千和の応援を始めます。

「春咲さんとあなたの絆は、“彼女”だった私が誰よりも知っている。あのノートを読破した私だけが知っている。秋篠さんがなんと言おうと、冬海さんが邪魔をしようと、あなたたちは結ばれるべきだわ。絶対に」


 さて、ですが、真涼としては鋭太とお近づきになるためには、一旦関係を清算する必要があります。何故なら、スタート地点が間違っているからです。フェイクはフェイクであり、何をどう頑張ろうと、アキレスと亀のように、ある一線から先には進めそうで進めない。
 だから、真涼が他に先んじるためには、まずは何もかもチャラにしなければならないのです。急がば回れ。

 ……どうでもいいんですけど、このアキレスと亀とかゼノンの矢とか、本当にパラドックスだと思っている人いるんでしょうかね(笑)?

 さて話を戻すと。
 真涼が有利に事を運ぶためにはまさに今回やっているようにするのがいいわけです。しかし、真涼はそのように計算して行動しているのでしょうか。フェイクの契約を解消し、有利だった立場を捨て去って、千和はともかく皆と同列に並ぶ。遠回りに見えてもそれは良い選択である筈。
 ですが、どうにも、今の真涼がそのような計算高い人物であり続けられているか、実に疑問です。

 で、そうなると俄然千和が有利になってきます。そして更に、千和自身も前に進もうとしています。むしろ鋭太が戸惑うくらいに。
 では、このまま千和が独走体勢に入るのか。
 実は、それもちょっと疑問だったりします。

 そもそも、真涼にとってはそれまでの立ち位置が不利だったわけですが、考えてみると、千和の今、いやこれまでの立ち位置も似たような問題を抱えています。
 つまり、真涼がそれをリセットしない限り偽の恋人でしかあり得なかったのと同じくらい、千和も鋭太にとって、あまりに「家族」だからです。もしくは、これまでの真涼がそうであったように並んで歩く対等な立場ではなく、守られる者でしかない。
 だから、千和も変わろうとしているのかも知れません。鋭太の目標が掲げられた理由、それを鋭太に見失わせるために。でないと、いつまで経っても千和は彼と並んで歩くことができません。
 しかし、それがうまく行くかどうかはまだわかりません。なんせ、鋭太はあんな鋭太ですから。

 事態を引き起こして全てを引っ張っていた真涼の行動により、撹拌され、混沌とした群雄割拠の状態となった自演乙。
 しかしそれだけではありません。全てを引っくり返してしまうかも知れないもう一つの大事件が、今回のラストに発生します。
 鋭太の母、美星が、何の前触れもなくいきなり舞い戻ってきたからです。

 今回の話の中では、真涼の父親も登場しました。あからさまに鋭太と対立する考え方を示し、まるで悪役のよう。しかしさて、彼が言うことは鋭太と対立し続けるのか。
 今回千和が見せた変化は、それと同じこと、つまり、人の心は移ろうということを期待していないか。
 また、呼応するように登場する美星は一体何をもたらすのか。

 次の巻では、一旦カオス状態になった関係性に、これまでとは全く違う方向性が与えられることになりそうです。

 …………ところで。

 この7巻では、一人どうしても触れずにいられない登場人物がいます。
 それは、真涼の妹の真那です。

 愛衣のせいでいつの間にかオタク(しかも腐(笑)?)になっていたり、書き下ろしの短編「真那の真っ赤な自転車」ではまさかのカオルとの絡み(笑)。
 はたして、自演乙に関わって巻き込まれてしまった彼女の行く末は!?

tag : GA文庫 裕時悠示

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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