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せいじ: BS歴史館の松尾芭蕉と自称「保守」批判

 先ほど何となくNHKの『BS歴史館』を見ていたら、今日のテーマは「松尾芭蕉~17文字で日本を変えた男~」でした。
 で、まずは見ながら何となく思っていたことから三つほど。

 一つ目は、松尾芭蕉の俳句というのは二重の意味でハイコンテキストだったんだなー、ということです。まあ、文字数が少ないということで当然と言えるのですが、それとは違うちょっとメタな意味でも。
 当時なぜ彼の句が革新的だったかというと、和歌の世界の約束ごとに囚われなかったからです。それはつまり、その驚きを味わうには和歌の約束ごとを知っている人であることが条件となるということでもあります。例えば、蛙なら鳴くことを歌うべし、それも山吹の下で、ということとか。
 ……などと思っていたら、ゲストの人に言われてしまいましたけど(笑)。

 では次。芭蕉の句というのは、いわばルネッサンスだったんだなー、ということ。
 和歌は「心を詠む」ものだという話が出てきて、俳句でも「心を詠む」ことができると示したという話が出てきましたが、何となく話の流れから、当時もう和歌ではそれが難しくなっていたのではないかな、とか思いました。だから、芭蕉がそれを取り戻した、という意味で。
 また、和歌は貴族のものだが俳句は、という話も出てきました。個人的には、日本では人は和歌の前に平等だった、という固定観念があったので、ああなるほど言われてみればその後の和歌は、と。
 俳諧を好み、新しい俳句で人々に新しい道を示した芭蕉は、その意味でも、俳句という詩の元に平等な世界を取り戻したと言えるのではないかな、と。

 最後が、「余白」について。
 彼は俳諧で仲間たちと句を作るのを好んでいたわけですが、そのためには、語り尽くさないことにより次に詠む人が拡げていけるようにする必要があり、それを「余白」と表現していました。
 それで思い出したのが、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本、虚淵玄の話です。
 彼はインタビューなどで何度か、脚本中の様々な描写で手を抜いていてそういうのはやってはいけないのだみたいなことを言っていました。尤も、彼が本当にそう考えているかは微妙だと私は思いますけど。
 どういうことかというと、そういうのは大概、作画スタッフによる描写の凄さが話題になっているときのことだからです。彼がそういう「余白」を残していたから、そこを後に続く作画スタッフが拡げることができたのでは、と思うのです。
 まあある意味、これは俳諧に似ているかも知れません。ただ、こちらでは各人の役割が比較的きっちり決まっているという違いがありますが。で、虚淵が小説を書いていたのなら確かにあれは「やってはいけないこと」かも知れませんが。これはアニメの脚本の話なので、いわば餅は餅屋という話とも言えます。

 さて。
 ここで話は大きく変わり、タイトルにもある自称保守批判に移ります。ルネッサンスとアニメの話題からの連想なんですが。

 政権が変わった頃から、それは自民党政権になった「から」なのかたまたまなのか、所謂「クール・ジャパン」が話題になるとき(例えば新聞記事など)、アニメなどのポップカルチャーの話の比重が大きく低下して来ている気がします。
 個人的にはこれは願ったりなんですけどね。製品が嫌いな営業マンなどいない方がいいし、政府などが出てきたら身動きしただけで消し飛んでしまうし(ブレーメン5に出てきた静電気の生命みたいな)、そもそもその煽り文句が恥ずかしすぎる。中村伊知哉のようなウザいのも関わっているし。
 そういえば、このコラムの続きはどうなったんだろう?
 まあそんな話はどうでもいいけど。

 どうにも自民のような自称「保守」って、単に復古主義なだけで、何でも昔に戻せばいいとでも思ってるんでしょうかね。しかし、時代にそぐわないものは定着しようがないし。
 その点は、本質を見てそれを維持した上でルネッサンス的に考える必要があると思うんですけど。芭蕉のように。
 最近そういう例をとんと見なくなりましたが、昔の日本人は、海外から何かを採り入れるときにちゃんと咀嚼して自分のものにしていた、と「保守」の人たちは自慢するじゃないですか。それと同じで、過去のものを現在/現代に採り入れるときも同じことが必要なのではないでしょうかね。というかそれが「保守」なのではないかな、とかも思ったりしますが、まあ微妙ですけど。

 でも実際、私なんぞ日本の状況を見ていると、保守って何なのか、さっぱりわからなくなりますけどね。なんせ、その対義語が反日なので。おまけに保守も反日も両方とも売国だし。わけがわからないよ。
 まあ、図体ばかりでかい弱小国はそうならざるを得ないのかも知れませんが、そこから脱する第一歩が、やはり原点に立ち帰ることなんじゃないかな、と思います。
 それは決して破壊ではなくて、結構「保守」的だと思うんですけど、さて、どうなんでしょう。

[追記:2014-01-24]
 カテゴリを変更しました。

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水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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