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独り言: アベノミクスについての話の続き

 先日、「ムチだらけニッポン:アベノミクス的インフレターゲティングについて」と題したエントリで、所謂アベノミクスの一部であるインフレターゲティングについて書きました。
 まあ要するに、カネをつぎ込む場所を間違っていませんか、ということですね。経済が回れば通常ならインフレ方向に振れるものと相場が決まっているわけですが、そもそもあれで回り始めるのか、ということです。

 安倍氏の経済政策には需要喚起策として建設関連の公共事業が含まれています。その辺りをまかされた人は、これはかなり広い施策だと言っていますが、それはかなり長期的な展望の話。短期的には、老朽化が懸念されるインフラのメンテナンスや作り直しであり、利用者から見れば劇的に何かが変わるというわけでもない筈。
 実際それは、景気を刺激する効果「もあるだろう」というもの、つまりそれを「目的」としたものではないので。
 とすると、それでの波及がどれだけあるかというとあまり期待できない気がするんですよね。

 というわけでなのか、こういう報道がありました。

首相、賃上げ協力を要請
経済3団体に デフレ脱却目的

 安倍首相は12日、経団連の米倉弘昌会長、経済同友会の長谷川閑史代表幹事、日本商工会議所の岡村正会頭ら経済3団体の首脳と、経済政策などについて首相官邸で意見交換した。
 安倍首相は「業績が改善している企業は、報酬の引き上げなどの取り組みをぜひ検討していただきたい」と述べ、従業員の賃金引き上げへの協力を求めた。 米倉会長は「業績が良くなってくれば一時金や賞与に反映される。景気回復が本格的になると、給料や雇用の増大につながる」と応じた。

読売新聞 2013年2月13日 朝刊

アベノミクス 首相、異例の賃上げ要請
賞与でアピール 参院選前に成果急ぐ

 安倍晋三首相が12日、経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体トップと首相官邸で会談し、業績が改善した企業に対して賃上げを求めた。デフレ脱却を狙うアベノミクスの恩恵を国民が実感できるようにするのが狙いだ。今夏の参院選を前に、賞与の引き上げでひとまず政策効果をアピールしたいとの思惑も透ける。
 首相が異例の賃上げ要請に踏み切ったのは、2%の物価上昇を達成しても、名目賃金が上がらなければ実質的に賃金が目減りするとの批判が野党から出ているためだ。

日本経済新聞 2013年2月13日 朝刊


 どちらも同じ指摘をしていて、まあちょっと言い換えてみれば、本当に業績の改善が見込まれる、つまり消費が増えそうだと思えなければ賃上げなんてとてもとても、ということ。
 大体、首相が企業に対し賃上げを要請なんて、なんだかおかしな話ですよね。賃上げしてもいいような状況を作るのが役割りなんじゃないかと思うんですけど。
 だから最初の一歩は、消費者のところに働き掛けるべきではないかと。企業に渡して賃金になるのを「要請」するより。

 ちゃんと順序だてて考えてあるんでしょうか、あの策。

 過去には異常とも言える貯蓄率を誇った日本人ですが、ちょっと前には見る影もないほどに低下していると聞きました。つまり、貯金すらできないくらい収入が減ったということですが、それがまた上がって来ているとも聞きます。
 実はデータを確認して言っているわけではないので単なる妄想かも知れませんが、もしやこれは、冒頭で触れたエントリで書いた、中国によるレアアース輸出規制に対する日本の対応のような、「消費者の消費離れ」が既に蔓延している、とか?
 だって、賃金が上がっているという話は聞きませんからね。

 とすると、インフレが目論見通り実現したとしても、つまりムチで叩いても、人は前に進まないかも知れない。

 まあ、私は別に日本消費者の代表ってわけでもなんでもないし、こういうのは気分で動くので、なんとも言える筈ない問題なんですけどね。
 ただ、個人的な印象を言わせてもらえば、アベノミクスとやらが私のところに波及して来るとすれば、どちらかというとマイナスの影響かなー、という気がします。
 だって、「まず」インフレ、みたいだから。
 順番がおかしいでしょ、今となっては。つまり、インフレ期待があろうがない袖は振れないという状況になっては。

コメント

非公開コメント

No title

個人的にはまずは「新しい何か」で社会を刺激して欲しいものです。

 一部週刊誌は「安部バブル」と言われて浮かれてますが、
バブルはいつか「終わるもの」。
 あの時に起きた事を忘れて浮かれるのは無しにして欲しいものだ。
 

Re: No title

> 個人的にはまずは「新しい何か」で社会を刺激して欲しいものです。
それが望ましいのですが、「新しい何か」は社会の経済的余裕が許すものですよね。不況の中で生まれるとしても、準備があったから、とか。
まあ、最近は原資がそう要らない新規事業の選択肢が増えているので、希望はあると思いますが。
今日の読売夕刊を見たら、融資の際の個人保証についての見直しが報じられていたので、これは日本経済の苦境を根本から改善できるかも、とか思ったのですが、経営者については例外として残す方向らしいのでがっかりです。
いい加減、株式会社なのに無限責任という奇っ怪な風習をなんとかしなければいけないと思うんですけど。

>  一部週刊誌は「安部バブル」と言われて浮かれてますが、
> バブルはいつか「終わるもの」。
いつまでも続くものではないと思っているから「バブル」と言っているのでしょうね。
経済は気分で変動しますし、日本の場合は動き始めればなんとかなると思うのですが、いかんせん本当に動き始めるのかどうか、個人的には疑問です。
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水響俊二

Author:水響俊二
水響 俊二 [MIZUKI Shunji]

暫定的に、18禁作品の感想などは裏サイトで書いています。
   

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